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袴田さん、50年ぶりに元裁判官と面会

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1審死刑判決以来50年ぶり 袴田さん、元裁判官と面会/28面

「熊本さん、巌だよ」
 1996年に静岡県一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑確定後、静岡地裁の再審決定で釈放された袴田巌(はかまだいわお)さん(81)と、 一審で死刑判決を書いた元裁判官熊本典道さん(80)が面会したと15日、袴田さんの支援団体が明らかにした。
 支援団体によると、袴田さんの姉秀子さん(84)が同行して9日に福岡市で面会。二人が会ったのは68年の一審判決以来、約50年ぶりとなる。
 一審静岡地裁で陪席裁判官だった熊本さんは2007年、袴田さんが無罪との心証を持ちながら、他の裁判官との合議で死刑判決を書くことになったと告白。袴田さんとの面会を希望していたが、脳梗塞の後遺症で入院して、実現していなかった。
 二人は熊本さんが入院している病院の一室で約10分間対面。支援者が公表した映像では、ベッドで横になっていた熊本さんが袴田さんをじっと見つめ、秀子さんの「熊本さん、巌だよ」という問いかけに、「巌…」と声を振り絞るように応えていた。
 熊本さんは後遺症で言語障害があり、袴田さんは拘禁症状の影響が残る。二人が言葉を交わすことはなかったが、お互いに会えたことは分かっている様子だったという。
 袴田さんが8日朝、自宅がある浜松市からの遠出を希望したため、秀子さんが急きょ福岡に行くことを決めた。熊本さんと07年以降、何度か会っている秀子さんは「熊本さんも、巌と会いたがっていたから良かっただろう。早く元気になってほしい」と語った。

ICAN事務局長 安倍首相と面会できず

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ICAN事務局長 首相と面会できず/29面

 昨年のノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN/アイキャン)が安倍晋三首相に、来日中のベアトリス・フィン事務局長(35)との面会を要請したが、政府が日程の都合を理由に断っていたことが15日、ICANの主要運営団体「ピースボート」などへの取材で分かった。
 ICAN核兵器禁止条約の国連での採択に尽力したとして昨年12月、平和賞を受賞。核兵器を違法化する同条約については核保有国の米国などが反対しており、米国の「核の傘」に依存する日本も参加していない。
 菅義偉(すがよしひで )官房長官は15日の記者会見で「日程の都合上だ。それ以上でも、それ以下でもない」と説明。フィン氏は訪問先の広島市で「大変残念だ。二度と同じ惨状を起こさないため、何をすべきかを一緒に話したかった」と述べた。
 ピースボートによると、ICANは昨年12月下旬から内閣府を通じて2回、安倍首相との面会を求めたが、外務省から今月14日までに「日程が合わず面会できない」と回答があった。安倍首相は欧州歴訪のため12日に日本を出発しており、17日に帰国する。フィン氏は12日に初来日。長崎と広島を初訪間し、16日は東京で討論集会などに参加し、18日に帰国する。
 フィン氏は15日、広島市平和記念公園で原爆慰霊碑に献花。原爆資料館を見学し、芳名録に「広島は希望の都市だ。ICAN核兵器の終わりを見届けるため、共に力を尽くす」と記帳した。
 広島で被爆した小倉桂子さん(80)=広島市中区=の証言を聞き、「たくさんの書物を読んできたが、理解が十分でなかったことが分かった。これ以上、核兵器は許容できない」と話した。

本音のコラム「晴れ着と格差」 宮子あずさ

本音のコラム「晴れ着と格差」 宮子あずさ/29面

 振り袖の販売・レンタル業者が成人式を目前に閉店し、多くの新成人が晴れ着を着られなくなった問題。被害者の悲嘆を思いつつ、初めて知った成人式のあり方にも、疑問を感じている。
 今回、晴れ着が着られず参加しなかった被害者も多数出たと聞く。ならば、晴れ着にかけるお金がない人はどうなるのか。晴れ着が必須ならば、自治体主催の式典として不適切ではないか。
 ただこれは成人式に限った話ではない。格差社会が問題になる一方で、子ども関連のイベントは華美になっている。小学校の卒業式も、着飾った子どもが目立つ。ここでは格差という論点がかすんでいる。
 思えば幼少期、母は徹底して、「貧しい人を排除する行動はしないように」私を導いた。例えば友人を招く誕生日会は決して開かず、招かれるのも禁止。「プレゼントを買えない人もいるから」というのがその理由だった。その結果私が気まずい思いをしても、母は意に介さなかった。
 こうした環境で育ち、私は晴れ着とも成人式とも無縁に大人になった。よって、成人式への関心は元々薄いと言える。
 だからと言うべきか。「晴れ着が着られなくなったら成人式に出られない!」と当たり前のように語られている現状に、とても胸が痛む。今回の事件を機に、晴れ着中心の成人式こそ、見直されて欲しい。(みやこ・あずさ/看護師)

再び個人を尊重する国に 米南部シャーロット市長バイ・ライルズさん

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再び個人を尊重する国に 米南部シャーロット黒人女性市長バイ・ライルズさん/3面

 トランプ米大統領が就任1年を迎える米国で、地方から融和と多様性を求める声が高まっている。昨年11月、南部ノースカロライナ州最大都市のシャーロット市長選で黒人女性として初当選したバイ・ライルズさん(66)は、本紙のインタビューで「人種差別は許されない」と訴えた。(シャーロットで、石川智規、写真も)

「人種差別は許されない」
 ー市長選での勝利は、トランプ氏がもたらす政治状況ヘの反動が一因か。
 「トランプ氏はもちろん、首都ワシントンの政治家は、社会の難しい問題に向き合うことを避けているようだ。今この国では、人々を差別し、分裂させる言葉ばかり用いられ、暮らしの難題から目をそらそうとしている。特に女性はそれに気づき、疲れている」
 「だからこそ、今まで以上に融和の大切さや、自由と平等を語る女性が増えた。国のため、地域のために正しいと思うことを語れなければ、私たちは負けてしまう。そう考える人々の支援で、私は黒人女性初の市長になることができた
 ―トランプ氏の就任後、白人至上主義者らの発言力が増しているようだが。
 「トランプ氏は白人労働層などを『忘れられた人々』と言う。社会や生活の変化に追いつけず傷ついているのに、誰にも話すことができない人たちだ。彼らをどう対処するかは難しいが、だからといって人種差別が許されることはない
 「私は女性であり黒人。南部に生きる女性や黒人が、日々の生活で受ける差別がどのようなものか、身をもって知っている。白人至上主義のような人たちは確かに勢いづいている。憎しみと人種差別が組み合わされた暴力について、いつも深く懸念している」
 ―今秋には中間選挙が行われ、トランプ政権が連邦議会など全国規模で審判を受ける。どう展望するか。
 「昨年1月のトランプ氏の就任翌日に行われたウィメンズ・マーチは、差別と分断に立ち向かおうとする人々の集まりだった。法の下、誰もが自由で平等であるとの理念は達成されていないが、それを実現しようとする草の根の活動は確実にある
 「人々に多様な機会をもたらそうとする候補者が増え、選ばれると信じている。そうなれば、米国は再び個人を尊重する国になる。2018年の結果は、20年大統領選につながる」

バイ・ライルズ 1951年9月、南部サウスカロライナ州コロンビア生まれ。96年シャーロット市予算局職員などを経て2013年に同市議。17年11月の市長選当選後、12月から現職。

 

北密輸船 海自が監視 黄海など公海上

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北密輸船 海自が監視 米軍要請 黄海など公海上/1面

 北朝鮮による海上での石油精製品の密輸を防ぐため、海上自衛隊の艦艇が朝鮮半島西側の黄海日本海の公海上で警戒監視をしていることが12日、分かった。国連安全保障理事会の制裁決議に反し、外国船舶から北朝鮮の船に積み荷を移し替える「瀬取り」が横行しているとみられ、こうした制裁逃れの阻止に自衛隊が関与するのは初。複数の政府関係者が明らかにした。海自が収集した情報は米軍と共有、日米の一体化が加速度的に進む実態が鮮明になった。

日米一体 加速度的に
 カナダのバンクーバーで16日に開かれる北朝鮮関連の外相会合で、日本側が警戒監視の状況を説明する可能性もある。
 関係者によると、米軍側は昨年12月、日本政府に北朝鮮の船舶に関する警戒監視を要請。政府は昨年末から黄海日本海での取り組みを始めた。
 海自は東シナ海を中心に1日に数回パトロールするP3C哨戒機が周辺海域で不審な船舶を発見した際、海自艦を現場に派遣。黄海では、韓国が海上の境界線と位置づける北方限界線(NLL)付近まで北上することもある。
 海自のこうした活動は、通常の警戒監視の一環として行うが、外国船舶を強制的に調べるには、自衛隊法に基づく「防衛出動」の発動などが必要となり、実施するにはハードルが高い。そのため、活動は船舶の動向把握や情報収集が主な目的で、日本海側でも同様の活動をしている。海自艦が船舶の写真を撮影するなどして、米軍を通じ、北朝鮮への経済制裁を主導する米国に情報提供するという。
 北朝鮮の核・ミサイル開発に対し、安保理は段階的に制裁を強化。昨年9月の制裁決議では、海上北朝鮮の船に積み荷を移すことを禁じた。同12月の決議は北朝鮮への石油精製品の輸出を9割削減することや、海上での石油や石炭の密輸防止に向けた船舶の貨物検査強化を義務づけた。
 一方、海外メディアなどは香港船籍の貨物船やロシア船籍のタンカーが、海上北朝鮮船舶に石油精製品を移し替えたと報道。米財務省も同11月、北朝鮮の船に積み荷を移し替える様子を捉えた写真を公開し、韓国メディアなどが中国船の関与の可能性を報じている。

危険な活動 国民に説明必要
 軍事評論家の前田哲男さん 政府は国連安保理決議違反を防ぐ目的だから公海上での海上自衛隊の監視活動は国連加盟国として合法だと言うかもしれないが、自衛隊法上の根拠が不明確で国民に説明が必要だ。北朝鮮船を追って妨害に遭ったり、逃走された場合の権限や処置も不明で危険な活動。米国への協力だと言えば何でもできるような風潮はおかしいのではないか。

言わねばならないこと106 沖縄 宮城晴美さん

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「戦える国」に変質 言わねばならないこと106 宮城晴美さん/1面

沖縄は「戦利品」いまも根深く
 米国の女優たちがプロデューサーらをセクハラで訴え、日本でも性犯罪に厳しい目が向けられる中で問いたいのです。性暴力は許さないという怒りは、沖縄で起きている米軍の性犯罪にもつながっていますか。米軍の犯罪は異次元だとみて思考を止めていませんか。
 戦後発行された新聞や証言、公文書などから米軍の性犯罪史を調べています。実は、被害は沖縄戦から連綿と続いている。捜査や裁判で米側を優遇してきた日米地位協定と、性暴力を助長する軍隊の体質とが生み出す構造的犯罪なんです。
 一昨年、うるま市で20歳の女性が殺された事件でも、加害者の元海兵隊員は「(自分は)罰せられないと思っていた」と弁護人に語っている。地位協定に守られていると思っていたんですね。根っこにあるのは沖縄は戦争で勝ち取った「戦利品」という意識。そこには女も含まれます。
 沖縄の戦後は米軍の支配下で始まり、新憲法も及ばなかった。過酷な沖縄戦を共通体験とし、戦後生まれの私も、祖父母や両親から戦争体験を受け継ぐように生きてきた。県民が辺野古(へのこ)の新基地建設に反対するのは、戦争につながる基地を否定し、平和な島を取り戻したいからです。
 でも、工事を強行する安倍政権は巧妙に県民を分断しようとしています。河野太郎外相は沖縄で県内の若者を米国留学させ、県内の米軍基地でも英語学習を進めると語った。これは宣撫(せんぶ)工作です。政策的に米軍の理解者を増やそうとするのですから。
 本土復帰して半世紀近いのに、沖縄では今も米軍ヘリが落ち、空から落下物が降ってくる。それでも政府は危機感も示さない。沖縄を米軍から切り離さず「戦利品」であり続けさせることが自分の町で起きたらどうなのか、全国の皆さんに想像してほしいのです。

みやぎ・はるみ 1949年生まれ。著書に「母の遺(のこ)したものー沖縄・座間味島『集団自決』の新しい事実」など。琉球大などで講師を務める。

北朝鮮が五輪参加表明 南北高官会談

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北が五輪参加表明 南北高官会談/1面

韓国 核問題対話促す
 【ソウル=上野実輝彦】 韓国と北朝鮮は9日、南北の軍事境界線にある板門店(バンムンジョム)で、2年1カ月ぶりに南北高官会談を行った。韓国統一省によると、韓国が平昌(ピョンチャン)冬季五輪での合同入場行進や合同応援を求めたのに対し、北朝鮮は五輪に選手団や高官を派遣すると表明。軍事当局者による会談の実施にも合意した。=北包囲網分断狙う3面、北代表こわもて封印9面、社説5面
 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権下での南北会談は初めて。双方の代表団の首席代表は、韓国が趙明均(チョミョンギュン)統一相、北朝鮮は対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会の李善権(リソンクォン)委員長が務めた。
 韓国は2月の旧正月に合わせた南北離散家族の再会事業と、南北赤十字会談、偶発的な衝突を避けるための軍事当局者会談を打診。緊張を高める行為の中断や朝鮮半島の非核化などの諸課題を巡り対話の早期再開が必要だと主張した。
 北朝鮮は、離散家族再会事業や赤十字会談については反応せず、非核化の要求に対しては強い不快感を示したという。一方で、北朝鮮は、五輪に高官の代表団に加え、選手団や応援団、テコンドーの試演団を送る意向を明らかにした。
 また北朝鮮代表団は「朝鮮半島の平和的環境を保障して民族の和解と団結を図り、南北間の対話で問題を解決していこう」と語ったとされる。
 統一省関係者は9日、開城(ケソン)工業団地の閉鎖と同時に途絶した韓国西部・黄海地域の南北の軍事通信網を北朝鮮が復旧させたと明らかにした。会談は板門店の韓国側施設「平和の家」で開かれ、南北から5人ずつが出席した。午前10時から食事などを挟み、約11時間にわたり断続的に協議した。