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臨時国会冒頭、所信表明なき解散へ

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所信表明なき解散へ 臨時国会冒頭、与党審議応じず/1面

 政府・与党は、28日召集の臨時国会安倍晋三首相による所信表明演説を行わず、冒頭で首相が衆院を解散する日程を固めた。野党は森友や加計(かけ)問題を巡る政府の説明が不十分だとして、6月の通常国会閉会直後から憲法の規定に基づき、臨時国会の召集を求めていた。政府は3ヵ月以上も応じなかっただけでなく、冒頭解散で審議はさらに先送りされる。(金杉貴雄)

「加計」、北対応 論戦棚上げ
 民進党の大島敦幹事長は21日、自民党二階俊博幹事長と国会内で会い、共産、自由、社民各党との共通の要求として、臨時国会で首相の所信表明演説と、それに対する各党代表質問、予算委員会での質疑を行うよう主張した。加計、森友問題に関し、加計孝太郎理事長と首相夫人の昭恵氏の証人喚問も求めた。二階氏は「承っておく」と述べるにとどめた。
 民進党は、自民党から前向きな回答がなかったとして、同日午後の衆参の議運委理事会を欠席。両院とも22日に改めて開くことを委員長職権で決めた。民進党前原誠司代表は「議論もせず冒頭解散すれば戦後初の暴挙だ。絶対あってはならない」と批判した。
 民進党など野党4党は6月22日、「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、召集を決定しなければならない」との憲法53条に基づき臨時国会の開催を要求した。

改憲案、働き方法案も先送り
 臨時国会では、学校法人「森友学園」「加計学園」の問題、挑発行為を続ける北朝鮮への対応など、さまざまな重要課題で論戦が見込まれていた。冒頭に衆院が解散されれば、すべて棚上げされる。
 森友問題では、国有地売却での約八億円の値引きを巡り、学園と財務省が事前に買い取り可能な金額を協議していたことをうかがわせる音声記録の存在が判明。加計問題でも、獣医学部新設を協議する国家戦略特区の会議に加計学園関係者が出席していたことが分かり「加計ありき」の疑惑が深まっている。
 北朝鮮の弾道ミサイルを巡っては、小野寺五典(いつのり)防衛相が、米領グアム島周辺に向けて発射されれば、集団的自衛権行使を定めた安全保障関連法に基づき迎撃可能との見解を示した。しかし、米国が攻撃されていない段階で集団的自衛権を行使できるのかという疑問も指摘されている。
 「働き方改革」では、政府は罰則付き残業上限規制や、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「残業代ゼロ」制度創設を一括法案として臨時国会に提出することを、労働界の慎重論を押し切って決めていた。改憲を巡っても、自民党臨時国会に党の案を提示する方針だった。いずれも解散が優先され、政府・自民党は自ら定めた日程を先送りした。(篠ヶ瀬祐司)

安倍政権、改憲勢力に対立軸を / 「市民連合」

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安倍政権、改憲勢力に対立軸を/2面

共闘の意義とは
 10月に予定される衆院選を巡り、民進、共産、自由、社民の野党4党が共闘できるかが焦点になっている。昨年の参院選野党統一候補の擁立を後押しした市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の呼びかけ人である中野晃一上智大教授(政治学)に、共闘の意義などを語ってもらった。(安藤美由紀、坂田奈央)

「市民連合」呼びかけ人 中野晃一上智大教授
 2年前、安全保障関連法の強行採決という憲法を壊す動きに対し、国会の内外で連帯があった。昨年には参院選に向けて野党4党で、安倍政権に終止符を打つことなど市民との約束も含めて合意した。
 参院選では32の1人区で候補者を一本化し、3分の1を超える11で勝った。前々回の1人区では、野党で2つしか取れなかったから、共闘の力はそれなりにあった。
 参院選の1人区も衆院選小選挙区も最終的には2極対決。安倍政権、改憲勢力に対し対立軸を描けるかが勝負になる。
 今の民進党共産党との違いを強調しているが、それによって有権者を引き寄せられるのか。共闘は野党間だけでなく、市民との共闘という認識が欠落している。安倍政権の暴走を許さないというのが一番の争点であり、第二自民党にしか見えない振る舞いだったら、何のための野党かということになる。
 市民連合としては、共闘が進んでいる地域ではできるだけ安倍政治に反対する候補者を一本化してもらうよう呼びかける。改憲に対抗する礎(いしずえ)となるような政治家や政党の枠組みを後押ししていきたい。

 なかの・こういち/1970年、東京都生まれ。東京大、英オックスフォード大などで学び、米プリンストン大で政治学の博士号取得。

本音のコラム「Aアラート」 斎藤美奈子

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本音のコラム「Aアラート」 斎藤美奈子/27面

 8月29日に続き、9月15日早朝にも発令されたJアラート。「ミサイル発射。ミサイル発射。北朝鮮からミサイルが発射された模様です。建物の中、または地下に避難してください」
 北朝鮮の所業は言語道断だとしても、宇宙空間を通過するミサイルで朝っぱらから危機感を煽(あお)る政府のやり方も不愉快きわまりない。一度目は不安と戸惑い、二度目は既視感と失笑。今後もこれを続ける気だろうか。
 そこへ突然のAアラート。「アベ砲発射、アベ砲発射。安倍総理大臣が臨時国会での冒頭解散を決断した模様です」
 さあ、大変だ。解散砲を発射された国民は、いやおうもなく選挙戦に巻きこまれる。国会での所信表明演説も各党代表質問も予算委員会も聞くことなく、ただただ投票に行けと迫られる。
 北朝鮮のミサイルを支持率アップに利用する一方で、なんともいまいましいのは解散総選挙を首相が「避難先」と考えていることだろう。森友学園や加計(かけ)学園問題からの避難。野党の追及の矢面に立たされる国会論戦からの避難。国民の厳しい目からの避難。
 思えば、2012年12月の第2次安倍政権発足以来、衆院議員は一度も4年の任期を全うしていないのである。有権者は与党のパワーゲームの道具なのか。保身のための解散砲。国民に避難を促すJアラートよリタチが悪い。(さいとうみなこ/文芸評論家)

9.19を忘れない 解散 誰のためなのか

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9.19を忘れない 解散 誰のためなのか/25面

 安全保障関連法成立から2年の節目を翌日に控えた18日、安保法や原発再稼働に反対する「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。安保法に対し「戦争する国になる」「憲法違反」など懸念の声が上がる一方、安倍晋三首相が解散・総選挙の方針を固めたことにも「疑惑からの追及逃れ」など批判が相次いだ。集会後にはデモ行進もあり参加者の声が街中に響いた。 (飯田克志、増井のぞみ)

山城議長ら政権批判/渋谷で市民集
 市民ら9500人(主催者発表)が参加。主催した市民団体「『さようなら原発』1000万署名市民の会」の呼び掛け人の作家、落合恵子さんはあいさつで、学校法人加計(かけ)学園の獣医学部新設や、学校法人森友学園の国有地払い下げを巡る疑惑を念頭に、「安倍政権は私たちが(疑惑を)忘れ、支持率がアップしたので選挙に勝てると思っている。これほどやりたい放題の内閣はあったでしょうか」と声を張り上げた。
 市民や市民団体でつくる「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の福山真劫(しんごう)共同代表は「安保法は違憲。みんなで戦争法廃止を勝ち取ろう」と呼び掛けた。その上で、「衆院解散は権力の私物化、貧困と格差の拡大を隠すための保身、安倍政権の政策を転換させるチャンス」と訴えた。
 米軍新基地建設の抗議活動で長期拘束された沖縄平和運動センターの山城博治(ひろじ)議長は「安倍政権は北朝鮮の脅威をあおって憲法を変え、この国を変えようとしている」と指摘した。

市民の声/「国民よりも保身を優先」
 「自衛隊が他国の軍隊と一緒に行動できるようになる安保法があることで、戦争する国になる準備ができつつある」。5歳から13歳まで4人の息子とともに参加した川崎市宮前区のパート矢沢ちひろさん(48)は心配そうに話した。東京電力福島第一原発事故を機に脱原発に関心を持つようになり、北朝鮮によるたび重なるミサイル発射でも、国内の原発が標的とならないか懸念する。政府に対しては「日本には平和を守ってきた憲法9条がある。戦争ではなく対話を模索してほしい」と注文を付ける。
 千葉県美浜区の会社員、森田義人さん(36)は、海上自衛隊がミサイル警戒監視任務に当たる米イージス艦に洋上給油するなど、安保法により自衛隊と米軍の一体化が進むことを念頭に「安保法は日本のためというより米軍のため。国民に分かるように説明されていない」と指摘。「一人一人の行動が大切なので、これからも安保法反対に向けて声をあげていきたい」と語気を強めた。
 衆院解散・総選挙の動きが顕在化したことについて、東京都豊島区の間部(まなべ)美恵子さん(74)は「政治家は『今なら票が集めやすい』と考え、国民よりも自分たちのことを優先している」と批判。茨城県牛久市の黒須由起夫さん(70)は「これまで丁寧な説明をしてこなかった森友・加計問題から逃れるための解散ではないか」とした上で「子や孫のことを考えると、脱原発や戦争反対を基準に票を投じたい」と選挙を見据えた。

首相与党幹部に衆院解散伝達 「加計」追及逃れ

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衆院選 来月下旬が軸 首相与党幹部に解散伝達/1面

 安倍晋三首相は、28日召集の臨時国会冒頭にも衆院を解散する意向を固め、自民、公明両党幹部に伝えた。複数の与党関係者が明らかにした。「10月10日公示、22日投開票」か「同17日公示、29日投開票」が軸になる。18日から22日までの訪米から帰国後、与党幹部と協議して最終判断する。

 首相は17日夜、私邸で自民党塩谷立選対委員長と会談した。選挙対応について指示したとみられる。党幹部は17日、本紙の取材に対し、臨時国会冒頭の解散を前提に準備を進めていることを認め「みんな走りだしている。流れを止める必要はない」と話した。
 首相は、ロシアを訪問している公明党山口那津男代表にも、電話で臨時国会の早い時期の解散を伝えたという。同党は「首相が決断したら反対しない」(党幹部)方針。支持母体の創価学会は17日、地方幹部が都内に集まり、選挙対応
を協議した。
 10月22日に衆院青森4区、新潟5区、愛媛3区の補選が予定されていたが、同日以前に衆院が解散されれば3補選はなくなり、衆院選に吸収される。
 首相は2020年の改憲施行を目指す考えを示している。このため、衆参両院で改憲勢力が3分の2以上を占める現在の国会勢力のまま18年の通常国会改憲案を発議し、衆院解散はその後の可能性が高いとみられていた。
 衆院選は14年12月以来。首相が目指す憲法自衛隊を位置づける改憲、経済政策、学校法人「森友学園」や「加計(かけ)学園」を巡る政治姿勢などが争点となる。

「加計」追及逃れ 対北で空白も「今なら勝てる」
 安倍晋三首相が臨時国会冒頭にも衆院を解散すれば、挑発行為を続ける北朝鮮への対応で政治空白を生むことや、学校法人「森友学園」「加計学園」を巡る追及逃れとの批判が高まるのは必至だ。それを承知で解散に踏み切るのは、「今なら勝てる」という一点にこだわった政治判断でしかない。
 民進党前原誠司代表は17日、都内で記者団に、首相の判断について「国会で森友・加計問題を追及されるのを避けるのが狙い。無責任そのものだ」と語った。緊迫した北朝鮮情勢に触れ「国民の生命、財産はそっちのけで政治空白をつくるのか」と指摘し、「自己保身解散だ」と批判した。
 政府・与党側はこうした批判は織り込み済み。首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行は17日、記者団に「解散するのであれば、北朝鮮の脅威にどう向き合うか、安全保障関連法がどう機能するかを含めて国民に理解をいただく」と話した。
 与党関係者は首相が早期解散を判断した理由について「民進党がごたごたし、『若狭新党』もどうなるか分からない」と指摘。その上で、解散が遅れればそれだけ「森友問題などが大変になる」と説明した。
 前原誠司代表が率いる民進党は、山尾志桜里衆院議員が交際報道後に離党し、その後も離党者が後を絶たない。東京都の小池百合子知事に近い若狭勝衆院議員と、民進党離党議員らが目指す新党は発足していない。
 内閣支持率の回復も大きい。「森友・加計」問題を巡り、内閣支持率は7月に35.8%まで下がった。しかし、内閣改造などをはさみ、8、9月は44%台に戻った。この問題を臨時国会で野党に追及され続ければ、内閣支持率が再び下落するとの懸念が政府・与党には強い。(篠ケ瀬祐司)

GPIF 年金運用 軍事上位10社の株保有

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GPIF 年金運用 軍事上位10社の株保有/1面

 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、軍事部門の売上高が世界で10位以内に入るすべての企業の株式を保有していることが、本紙の調べで分かった。国民が支払う国民年金や厚生年金の保険料の一部が、武器の製造で収益を上げる世界の主要な軍事関連企業を支えていることになる。(中根政人)

 軍事部門の売上高は、スウェーデンストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が上位100社分(中国を除く)を公表している。GPIFが今年2月末現在で保有する国内外の株式を見ると、SIPRIの調査(2015年時点)で上位10社に入った欧米企業の株式をすべて保有していた。上位100社中34社の株式を保有し、国内では三菱重工業三菱電機川崎重工業の3社が含まれる。
 保有する株式の時価総額(非軍事部門を含む)の合計は10社で約4651億円、34社では約1兆3374億円に上る。
 上位10社のうち米国企業は七社。1位のロッキード・マーチンミサイル防衛システムやステルス戦闘機F35を製造。2位のボーイングは垂直離着陸輸送機オスプレイの開発を担った。4位のレイセオンは、米軍がシリア攻撃に使用した巡航ミサイル・トマホークの製造元。
 諸外国では、スウェーデンノルウェーの年金基金は、非人道兵器の製造や環境破壊、人権侵害で問題が指摘される企業への投資を排除できるルールがある。
 これに対しGPIFは、委託を受けた運用会社が、代表的な株式指数を基に、各国の企業の株を機械的に購入する仕組み。GPIF法など関連3法が、購入先を恣意的に選ぶことを禁じているためだ。
 GPIFの担当者は「年金財政上、必要な利益の確保に専念するよう法令で定められている」と説明。厚生労働省の担当者は「特定業種への投資を禁止するには法改正が必要だが、法改正すべきだとの議論は起きていない」と指摘する。
 金融機関などの投資活動を調査するNPO法人「環境・持続社会」研究センター理事の田辺有輝さんは「株式保有が判明した軍事関連企業には、核兵器など非人道兵器の製造に関係する企業も含まれる。こうした企業の株式保有を排除できる法的なルールづくりが必要だ」と訴える。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
 国民年金や厚生年金の保険料収入の余剰分の積み立てを、国内外の株式や債券に投資して管理運用する厚生労働省所管の組織。2006年設立。運用資産額は140兆円超で、世界最大規模の機関投資家でもある。

「監視恐れず活動」 日比谷で共謀罪反対集会

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「監視恐れず活動」 日比谷で共謀罪反対集会/3面

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の廃止を目指す市民団体や法律家団体などでつくる「共謀罪廃止のための連絡会」は15日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で「共謀罪は廃止できる!9.15大集会」を開いた。約3000人(主催者発表)が参加し、「共謀罪は絶対廃止」などと声を上げた。
 連絡会は今月7日、「SEALDs(シールズ)」の元メンバーらがつくった「未来のための公共」や日本消費者連盟など14団体が結成した。
 アムネスティ・インターナショナル日本の山口薫さんは「今、市民活動は危機にさらされている。法は施行されたが廃止できる。監視を恐れず、萎縮せず活動したい」と話した。「共謀罪対策弁護団」の三澤麻衣子事務局長は多くの弁護士で、摘発された場合の対策や予防を考えるとした。
 世田谷区の会社員横山淳さん(46)は「共謀罪強行採決はひどかった。計画段階で捕まり、監視社会が進む。改憲の流れにもつなげられるのでは」と話した。
 民進党など野党4党の国会議員らは、28日からの臨時国会への廃止法案の提出を明らかにした。