今日の東京新聞

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どこかの党にそっくり 悪玉トリオ

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本音のコラム/悪玉トリオ 斎藤美奈子/25面

 絶対的な権力を握る女のボスと、頼りない2人の側近。見覚えのあるチームの編成だなと思っていたが、やっと思い出した。シリーズ化もされた往年のテレビアニメ「夕イムボカン」だ。
 「タイムボカン」は、行方不明になった博士や宝物(ダイナモンド)を探して主人公らが時間旅行に出かける物語なんだけど、行く先々で彼らを邪魔する悪玉チームが女のボスと2人の手下からなる3人組なのだ。
 ボスのマージョは高飛車で、ダイナモンドを手に入れるためなら小細工もだまし討ちもあり。手下のワルサーとグロッキーはボスに服従しているが、ドジなので毎度ボスにドヤされる。
 どこかの党にそっくりじゃありません? 一気に政権を取りに行くかと思いきや「政権奪取をめざすのは次の次ぐらい」と述べてズッコケさせた若狭勝氏。自分の古巣の重鎮に「三権の長を経験された方は、ご遠慮いただいたほうがいい」と述べ「何様」感を露呈した細野豪志氏。その上に君臨し「リセットします」「排除します」と宣告する小池百合子氏。
 踏み絵を踏み、持参金まで納めてこの党から出馬するメリットがあるのかしら。「やっておしまい!」というボスの命令が規範のすべて。仮に当選しても捨て駒にされるだけの外様だよ。アニメの悪玉トリオは最後、必ず自滅する。それもまた教訓。 (さいとうみなこ/文芸評論家)

 

立憲民主党結党 「リベラル掲げ戦う」 

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「リベラル掲げ戦う」 枝野新党「理念譲れぬ」/27面

 「立憲主義、民主主義を守る」「政治家にとって理念、政策は譲れない」ー。民進党枝野幸男代表代行は2日、東京都内で開いた「立憲民主党」の結党会見で、小池百合子都知事が率いる「希望の党」とのスタンスの違いを強調した。首都圏では態度を保留していた閣僚経験者らが次々と参加を表明。ただ民進党の分裂が決定的となり、有権者からは期待と冷ややかな反応が入り交じった。

立憲民主党」結党 菅元首相ら参加表明次々と
 「『希望の党』の理念や政策は私たちと異なる」「安倍晋三首相の掲げる9条改憲は賛成できない」
 100人以上の報道陣が詰め掛けた東京都内のホテルで記者会見した枝野氏は、やや高揚した声で語った。
 「民主、民進党で積み上げてきた理念、政策を、自信を持って訴えていく」と強調。希望の党との合流に進み、たもとを分かつことになる前原誠司代表らに対し本流意識をのぞかせた。
 質疑では、リベラル系前職の「排除」を進める希望の党の小池代表についての質問が続いた。枝野氏は明確な批判は避けながらも「こういった結果になったことは大変残念」「残念なプロセス」と繰り返し、悔しさをにじませた。
 党代表選後、結束を確認し、わずか1ヵ月での分裂。枝野氏は一瞬天丼を仰ぎ「この状況を喜んでいたらおかしい」とした上で「新たな出発をすることは大きな可能性があり、ビンチはチャンスと受け止めている」と話した。
 これを受けて、前職らはせきを切ったように態度を明らかにした。菅直人元首相(東京18区)は東京都武蔵野市内で街頭演説し「リベラルの旗をしっかり掲げて戦う」と立憲民主党への参加を宣言。長妻昭選対委員長(同7区)や海江田万里民主党代表(同1区)も報道陣の取材に応じ「小池氏には賛同できない」などと合流を表明した。
 新人や元職も参加の意向を示した。新人の松尾明弘さん(同2区)や北條(きたじょう)智彦さん(同13区)らは「中道とリベラルを包み込む政党が必要だ」。元職の生方(うぶかた)幸夫さん(千葉6区)は取材に「全員が希望の公認を得るなど、できないことが分かっていて話をしたのでは」と前原代表への恨み節もにじませた。
 一方、野田佳彦前首相(千葉4区)はこの日、報道陣に「僕はリベラルというくくりではない。穏健な保守」と無所属で臨む立場を説明し、江田憲司前代表代行(神奈川8区)も記者会見で「しがらみのない立場から選挙を戦う」と新党には合流しないと明言。立憲民主党の広がりには不透明さも漂っている。

有権者「すり寄るよりいい」「得するのは自民党
 「立憲民主党」の結党について、東京都内で有権者に聞いたところ、評価は分かれた。北区の無職湯本勲さん(73)は「野党として、堂々と政策論争するのはいいことだと思う。人気の党にすり寄るよりはいい」と評価。武蔵野市の会社員河田誠さん(44)は「期待したい部分もあるが規模が民進より小さくなるし、野党は足並みがそろっていない。得するのは自民党ではないか」と指摘した。
 新宿区の会社員東良子さん(70)も「希望の党が今後どうなるか分からない。枝野さんが新党を立ち上げるのは分かる」としつつ「多勢に無勢で、安倍さんを倒すのは難しいのでは」と話した。板橋区の会社員高野雅俊さん(30)は「(考え方が)正反対の『希望』に行くと言っていたのに、今度は入れなかったから新党をっくるようで、打算的にしか見えない」と突き放した。  (山田祐一郎、飯田克志、中村真暁)

内閣不支持46%と逆転

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内閣不支持46%と逆転 比例自民24%、希望14%/1面

 共同通信社は9月30日、10月1日の両日、衆院選に向けて有権者の支持動向などを探る全国電世論調査(第2回トレンド調査)を実施した。小池百合子東京都知事が率いる新党「希望の党」結成後、初の調査。比例代表の投票先政党は自民党が24.1%で、希望の党が14.8%となった。内閣支持率は前回調査(9月23、24両日)から4.4ポイント減の40.6%となり、不支持率46.2%が上回った。

安倍政権で改憲「反対」53%
 前回調査では、希望の党は「小池氏の側近らの新党」として尋ね、比例代表で投票するとの回答は6.2%。民進党の8.0%と単純合計すれば計14.2%だった。今回調査で比例投票先を「まだ決めていない」が42.8%もあり、合流の効果を含めて情勢は変わる可能性がある。
 自民、希望以外の比例代表投票先は、公明党4.9%、共産党4.9%、日本維新の会2.4%、自由党0.3%、社民党0.1%、日本のこころ0.4%となった。
<略>

勝手にリセットするな

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本音のコラム/「日本をリセット」 宮子あずさ/21面

 字に起こすのもうんざりするが、小池都知事が「日本をリセット」するため「希望の党」なる新党を結成した。私はこの国で、あれこれなりゆきやしがらみを引き受けながら生きている。勝手にリセットするなと思う。
 私は精神科の看護師として、過去を清算したいと願う人と出会う。親子の関係、人生の選択…。そこには不本意の積み重ねがある。
 そんな時、私は精神科で働き始めて間もなく聞いた、ある同僚の言葉を思い出す。人生をやり直したいと泣きじゃくる若い女性に、同僚はこのように言葉をかけた。
 「人生をやり直すのは無理。でも、仕切り直しはできるのよ。なんとかなるから大丈夫」
 うまいいい方だなあ、と思った。そしてやさしい言葉だな、とも。
 私たちが今抱えている問題は、どんなに嫌でもやはり自分の人生の一部である。全部を無にはできないが、抱え方、向き合い方を変えることはできる。こうした思索の所作を身につけることが、私たちを真にたくましくすると思う。
 国の仕組みやあり方も同様。「日本をリセット」は実際にはある問題をなかったことに見せるごまかしにすぎない。
 リセット願望は誰の頭にもあって、ふととりつかれる。だが、この世にはそうそううまい話はないのである。甘い言葉にだまされるのは、もうよそう。 (みやこあずさ/看護師)

 

飢饉じゃない。大量殺人だ。

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本音のコラム/ジャガイモ飢饉 師岡カリーマ/29面

 19世紀半ば、アイルランド農民の主要食物だったジャガイモの疫病が大発生した。食糧難による死者は100万人を超え、さらに多くの市民が移住。いわゆるジャガイモ飢饉だ。アイルランドの人口は、今も飢饉前の水準を回復していない。
 「飢饉じゃない。大量殺人だ」。教師兼ガイドが言う。当時はアイルランド全土が英国の一部だった。世界一富める国で100万人が飢えて死んだのだ。その間も作物は金になる所へ輸出されていた。ロンドンの政治家は、食料を恵むより働かせよと主張。だが価格高騰する食料を賃金では買えず、集団労働は飢えた体を伝染病にさらす。英国政府の責任については今も議論があるが、 1997年には当時のブレア首相が謝罪した。
 国連は先日、紛争や気候変動の影響で飢えや栄養失調に苦しむ人はここ2年で急増し、8億を超えたと発表。世界人口の11%だ。紛争地域に食糧を届けるのは困難だが、それ以上に国連は資金不足を訴える。軍備に費やす金は年に160兆円ある世界で、だ。
 食糧も運搬手段もあるなら、飢餓は人災だ。私たちはその現状に麻痺(まひ)し、我知らず加担していないだろうか。そういう私も、腐った残飯を今日も捨て、労働条件が疑わしい激安商品を買い、預金は兵器に投資される懸念があるという。「大量殺人だ」という言葉が、突き刺さる。
(もろおかカリーマ/文筆家)

衆院解散 民進、希望へ合流了承

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衆院解散 民進、希望へ合流了承/1面

 衆院は28日解散され、与野党は10月10日公示―22日投開票の衆院選に向け、事実上の選挙戦に突入した。民進党前原誠司代表は28日の両院議員総会で、同党候補は小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」から立候補させる事実上の合流方針を説明し、了承された。 一方、小池氏は記者会見で、民進党から公認申請があれば一人一人検討するとし、二人で協議することになった。民進党候補が相当数「希望の党」から立候補する見通しとなったことで、政権選択の選挙の枠組みとなる可能性が強まった。

前原氏「名捨て実取る」 小池氏「1人1人検討」
 前原氏は両院議員総会で合流する理由について「自己責任型社会を変え、安心できる支え合いの社会をつくるため、名を捨てて実を取る。好き勝手な安倍政権を終わらせるため、二大政党をつくるためだ」と理解を求めた。「『希望の党』との交渉および当分の間の党籍は代表に一任する」などとした衆院選の対応方針を説明した。
 小池氏が民進党まるごとの合流に否定的な考えを示し、新党が掲げる基本政策に合意した個人ごとに合流を判断するとしていることを念頭に「誰かを排除するわけでなく、皆さんと一緒に進み、政権交代したい」と訴え、希望する候補者は全員新党から立候補できるよう努力する考えを示した。
 両院議員総会後の記者会見ではこの10日間ほど、小池氏と二人で極秘協議を続け、新党への合流で合意したと明らかにした。
 改憲に否定的なリベラル系議員についても「一緒にやってきた仲間で公認を目指す。これからも調整する」と強調した。
 小池氏は「リアルな安全保障政策」を掲げているが、前原氏は安全保障法制について憲法違反との考えを重ねて示した。同時に「日米安保はだめとは言っていない。新たなものを米国との交渉で模索することで合意できるのではないか」として、希望側との接点を探る方針。
 小池氏との合流協議については「対等だ。お願いするわけではなく調整だ」と強調。政策でも「われわれの理念、政策の旗、社会像を下ろすつもりはない。(水面下での協議でも)かなりの一致点があった」語った。
 前原氏自身は党代表を続け、衆院選では希望の党公認もしくは無所属で出馬する考えを示した。
 一方、小池氏は同日の記者会見で、民進党からの合流について「希望の党で戦いたいと申し込みがあって初めて候補者として選ぶ。一人一人話を聞く」り説明した。その上で「安保法制に賛成しないという方は、申し込みをしてこないと思う」と語った。前原、小池両氏は28日夜、合流を巡り協議する予定になっていたが、急きょ、中止になった。 (金杉貴雄)

「森友」「加計」も争点
 衆院は28日の本会議で、大島理森議長が解散詔書を読み上げ、解散された。民進党など野党4党は「冒頭解散」に抗議し、本会議を欠席した。
 衆院選は2014年12月以来、2年10力月ぶり。投票日段階でほぼ4年10ヵ月となる第2次安倍政権の歩みや、 「森友学園」「加計(かけ)学園」問題などに表れた安倍晋三首相の政治姿勢も争点となる。
 首相は憲法9条に自衛隊を明記する改憲を提案。集団的自衛権行使を認める安全保障関連法や、人権制約の恐れがある特定秘密保護法などを成立させてきた。戦後の平和主義や安全保障政策の変質が問われる。
 原発は再稼働を進めるのか、将来的に「原発ゼロ」を目指すのか。景気回復の実感や、くらしの安心の確保策も関心が高い。
 衆院定数は7月施行の改正公職選挙法で、選挙区6、比例代表4の計10減り、戦後最少の465。19都道府県97選挙区で区割りも変更された。昨年、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めての解散に伴う衆院選となる。
 首相は勝敗ラインを「与党で過半数」となる233議席に設定。獲得できなければ退陣すると明言している。

原発再稼働へ 国が批判封じ?

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こちら特報部経産省前「無届けデモ」男性逮捕で波紋/26・27面

 経済産業省前の抗議行動中に逮捕された男性が釈放され、再び路上で脱原発を訴えている。デモの届けがなかったという理由の逮捕は異例で、「批判封じ」との反発も広がる。抗議活動への締め付けと足並みをそろえるように、国は東京電力原発再稼働に事実上のゴーサインを出した。福島原発事故から6年半、「経産省前」から眺めた民主主義の姿は一。(大村歩、池田悌―)

 「お金のために原発を続けるのはやめましょう」
 パイプいすに座った高齢の女性が、ひたすら訴えかける。東京・霞が関経済産業省の正門前。いすは8つほどあり、脱原発を訴えるのぼりがくくりつけられて立っている。座っているのは多くが高齢者だ。
 経産省国会通り側の角地にあった脱原発テントが強制撤去されたのは昨年8月だった。脱原発を願う人々が全国から集うよりどころがなくなった後も、テントの人々はあきらめずに座り続けている。現在は毎日正午から午後6時まで交代で座り込む。
 市民団体「経産省前テントひろば」共同代表の淵上太郎さん(75)は「テントはないが、抗議を続けることには変わりない。だって国が原発をあきらめてくれないから」と笑う。そんな淵上さんは今月11日夜、逮捕された。容疑は都の公安条例違反。いわゆる「無届けデモ」を指揮したからだという。
 東日本大震災から半年後の2011年9月11日にテントが設置されたことから、毎年この日に記念集会が開かれてきた。逮捕された日も、午後6時から経産省正門前に約200人が集まった。
 集会後に経産省の周囲の歩道を1周するウオーキングが行われた。「ただ歩くだけで、のぼりを立てたりシュプレヒコールはなしだよ、と注意はしていた」(淵上さん)。車道に出るつもりはなく、道路使用許可申請はしていない。
 集会の後片付けなどで最後尾にいた淵上さんは、ウオーキングが渋滞したため調整しようと最前列に向かった。そのとき、後ろにいた参加者が「原発反対!」とコールした。思わず淵上さんも手を挙げた。それが「無届けデモを指揮した」という容疑になったという。
 「すっと二人の警察官が淵上さんの両脇をつかみ、あっという間に警察車両に連れ込んだ。逮捕というより拉致という感じ」と、状況を見ていた山本礼治さん(72)は語る。
 淵上さんは逮捕後、警視庁の取り調べに完全黙秘。逮捕を知った多くの市民団体関係者らが、毎日30~80人警視庁本庁舎の前に集まり、逮捕への抗議と即時釈放を訴えた。座り込みに加わる木村雅英さん(69)は「東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を許す動きも含め、脱原発運動を締め付けたい意図を感じる。逮捕もその一環だ」と憤る。警視庁公安部は取材に「法と証拠に基づいて逮捕した」とする。
 逮捕から11日目の22日、淵上さんはやっと釈放された。担当検事は理由を「諸般の事情」とだけ話したという。釈放されたその足で、再び「経産省前」の路上に戻った。「われわれはここに居続けて脱原発の意思を訴え続けることしかできない。テントはなくなったけど心のテント広場は今でも多くの人の中にあるんだから」
 淵上さんの逮捕に強い違和感を抱く関係者は多い。
 福島原発告訴団団長の武藤類子さんは「あまりにもひどい。警察官はまず注意をするべきだった。コールされた言葉が『原発反対』だったからでしょうか。いきなり逮捕して10日以上も身柄を拘束するなんて、明らかに行きすぎだ」と憤る。その上で「原発に反対する活動を何とか抑え込もうという意図を感じるこんな脅しめいた逮捕が正当化されれば、私たちの言論は封殺されてしまう。政府が原発再稼働を推進する大きな流れの中で、今回の事件が起きたように思えてならない」といぶかる。
 都公安条例は「道路その他公共の場所」でデモを行うときは、都公安委員会の許可を受けなければいけないと定めているが、「共謀罪対策弁護団」共同代表の海渡雄一弁護士は「ここまでの微罪で逮捕・勾留とは…」と驚く。「警察は市民運動の中心人物を簡単に逮捕し、『一般市民であっても同じようなことをすれば逮捕する』というメッセージを発した。特定秘密保護法共謀罪が相次いで成立する中で、治安維持態勢が強まっているように感じる」と危ぶむ。
 <略>