今日の東京新聞

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安倍首相 改憲論議「今年こそ」

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改憲論議「今年こそ」 首相「あるべき姿提示」/1面

 安倍首相は4日、三重県伊勢市で年頭の記者会見を行い、「今年こそ、憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示し、憲法改正に向けた国民的な議論を一層深めていく。自民党総裁として、そのような一年にしたい」と話した。自民党が今年中の改憲案の国会発議を目指していることを踏まえ、与野党に議論加速を促した発言だ。

 首相は「国のかたち、理想の姿を示すものが憲法。時代の変化に応じ、国のかたちを考えていく議論をするのは当然のことだ」と指摘。各党がそれぞれ「建設的な議論」を行った上で具体案を持ち寄り、「与党、野党にかかわらず広い合意が形づくられること」に期待感を示した。
 2020年の新憲法施行を目指すとした昨年5月の自らの発言に触れ「議論の活性化を図るために一石を投じた。事実(自民)党内の議論は活発になった」とも語った。
 今月22日召集予定の通常国会を「働き方改革国会」と位置づけた。「長時間労働の上限規制を導入し、長時間労働の慣行を断ち切る」と決意を示した。政府は関連法案を提出し、成立を期す。
 首相は、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の脅威に関しては「従来の延長線上でなく、真に必要な防衛力の強化に取り組んでいく」と強調した。今春の開催を目指す日中韓首脳会談については「お互い都合の良い時期に、できるだけ早期に開催したい」と話した。
 今年9月の自民党総裁選で3選を目指すかどうかについては「通常国会で結果を出すことに集中したい。その先のことはその上で考えたい」と明言を避けた。
 首相は記者会見に先立ち伊勢神宮を参拝した。

具体的スケジュール 意識の表れ
 安倍晋三首相が年頭記者会見で掲げた「今年こそ、憲法のあるべき姿を国民にしっかりと提示する」との言葉には、改憲についてただ議論するのではなく、発議に向け具体的な手順を進める決意がにじんでいる。
 改憲手続きは、まず国会議員が「改憲原案」を提出する。衆参両院の憲法審査会で過半数が賛成し、本会議でそれぞれ3分の2以上の賛成を得れば「改憲案」の発議となる。
 首相が国民に今年、提示すると表明したものが、何を意味するのかは明確ではない。最初に具体化する可能性があるのは、自民党が衆参の憲法審査会に示す案だ。その後、国会の手順に乗れば、改憲原案、改憲案となる。
 首相は記者会見で、検討の具体的な段取りは「党にすべてお任せしたい」と強調した。どの段階まで年内に実現したいのかはあえて曖昧にしながら、法律上の改憲手続きとして定められた手順を1歩でも2歩でも進めたい思いがあるのは確かだ。
 「今年こそ」という表現も注目される。期限を区切るような表現は、昨年5月、2020年の新たな憲法施行を目標に掲げたことに重なる。首相の「スケジュールありきではない」との言葉と裏腹に、日程を意識している表れだ。首相に近い政府高官は4日、改憲発議の時期について「秋の臨時国会がヤマ場となる」と記者団に話した。
 改憲案は、発議から60~180日後の国民投票で成否が決まる。首相が「国民的な議論、理解」を深めると繰り返したのもそのためだ。首相が日程ありきで進めても、最後に決めるのは国民だ。(柚本まり)


性急な改憲議論「首相の趣味」/2面
 立憲民主党枝野幸男代表は4日、安倍晋三首相が年内の改憲発議に向けて論議を促したことについて「安倍さんの趣味だ。国民の多くが望む改憲なら積極的に対応したいが、現時点でそうは感じない」と性急な議論をけん制した。国会内で記者団に語った。
 その上で、改憲の手続きを定めた国民投票法に関し「欠陥がある。宣伝、広告に規制がない」と述べ、改正案の提出を検討する考えを示した。国民投票は国会が改憲案を発議した後、60~180日の間に実施される。枝野氏は、その間に資金力のある政党が多額の広告宣伝費を使った場合は「弊害は相当深刻だ」と世論誘導の懸念を指摘した。
 一方、民進党が呼び掛ける希望の党との3党統一会派結成に対しては「われわれとしては終わった話なので、巻き込まないでもらいたい」と語った。

筆洗 笑い多き年に

筆洗 2018・1・3/1面

 戌(いぬ)年でもあり、おめでたき、江戸伝統の「笊(ざる)かぶり犬」を買い求めた方も、いるのではないか。犬が笊をかぶせられ、キョトンとする姿がかわいらしい。この「笊犬」、笑いとおおいに関係がある▼犬が竹笊をかぶっている。その様子を漢字で書けば竹カンムリに犬。「笑」という字に似ているのでそれをかたどって縁起物にしている。漢字学者の自川静さんによれば、その字解きは全くの俗説だそうだが、犬と「笑」を重ねた、いにしえのしゃれっ気がなんともいえず、楽しい▼笑う門には福きたる。笑いの効用について、あらためて説明するまでもあるまい。ストレス軽減や免疫力向上。特段おもしろいことがなくとも、作り笑いでも心身に良い効果があると聞く▼井上ひさしさんの笑いについての説を思い出す。人間には生まれながらにして悲しみや苦しみ、恐怖が備わっているそうだ。なるほど悲しいことはほうっておいても起きる▼笑いはどうか。井上さんの説によれば人間の内側にもともと存在しない。人間が作りだし、外から与えられることによってはじめて、笑いとなる。「笑いとは人間が作るしかないもの」―。悲しさや苦しさを忘れよう、あるいは、忘れさせたいと人が考え、こしらえる笑いが、ありがたく思えてくる▼この「笊犬」もどなたかが、誰かをおもしろがらせたいと知恵を絞ったか。笑い多き年に。 2018・1・3

 

福島除染「手抜き」 汚染土の二重袋 内袋を閉めず

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福島除染「手抜き」 汚染土詰めた二重袋 内袋を閉めず/1面

 東京電力福島第一原発事故以降、福島県飯舘村で実施された除染事業で2015年10月、汚染土壌を詰めた二重構造の除染袋(フレコンバッグ)のうち、防水機能のある内袋が閉められていないものが1000袋見つかっていた。雨水などが浸入し、汚染水として漏れる恐れがある状態。扱った特定業者のみの手抜きとされ、1000袋を詰め直したが、当時の作業員は手抜きは他業者もやっていたと証言した。未発見の手抜きフレコンが今も大量に放置されている可能性がある。(坪井千隼、小沢慧一)

 問題の除染事業は環境省が発注し、大手ゼネコン大成建設などの共同事業体(JV)が受注。15年1月から17年3月まで飯舘村で行われた。関係者の内部資料によると、15年10月、飯舘村比曽地区の除染現場で出たフレコンを地区内の仮置き場に搬送中、 一部のフレコンから水がにじみ出ているのが見つかった。
 調べたところ、内袋が閉まっていなかった。黒い外袋は水を通すため、内袋が閉まっていないと雨水などが入る。施工は名古屋市の二次下請け業者だった。大成建設の指示で、この業者が担当した計2984袋を調査したところ、1047袋(35%)で内袋が閉まっていなかった。
 大成建設の担当者によると当時、問題の業者以外に不良フレコンが見つかった例はなく、仮置き場にある他の業者の施工分は調べなかった。この問題を環境省に報告。内袋を閉めるよう各業者に周知したという。
 一方、問題とされた業者関係者は本紙に「不良施行は申し訳ないが、同様の不良は他の業者にもあり、うちだけが問題とされたのは納得できない」と主張する。現場では、複数の業者が同時に作業を行っていた。問題が発覚した業者とは別の会社の作業員は「手抜きは他社もやった。目の前で見た」と証言した。作業迅速化の優先などが理由とみられる。問題の業者の施工分を除き、比曽地区の仮置き場には今も2万袋以上のフレコンが置かれている。
 環境省福島地方環境事務所によると、比曽地区の仮置き場の保管分は今後、中間貯蔵施設(大熊町双葉町)へ搬出される。現在は全体を遮水シートで覆っており「仮に手抜きフレコンがあっても雨水が入る可能性は低い」とするが、輸送中などに雨が降れば作業員が汚染水に接触したり、路上に漏れたりする恐れがある。

 

<ブログコメント>あけましておめでとうございます。今日の1面は福島の除染手抜き工事の記事でした。東京新聞、2018年も元旦から本領発揮、お屠蘇気分もどこ吹く風、「らしさ」満載です。

加計学園だけ2大学に補助金 16年度私大事業

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加計だけ2大学に補助金 直前、特区で獣医学部新設決定/1面

 2016年度に国が実施した私立大学への研究補助事業で、安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」だけが、運営する2校が選定されていたことが分かった。当時は、加計学園に有利な条件で国家戦略特区での獣医学部新設が決まったばかりの時期。所管する文部科学省は「加計学園を優遇したわけではない」と説明するが、識者は疑間を投げかけている。 (中根政人)

文科省「優遇ではない」
 補助事業は、文科省が16年度に始めた「私立大学研究ブランディング事業」。「独自性の高い研究や事業に取り組む私大」に対して補助金を新たに交付したり、増額したりする。
 16年度は計198校の応募(応募主体の学校法人数は非公表)があり、同年11月22日に40校が選定された。この中で、加計学園が運営する岡山理科大岡山市)が「恐竜研究の国際的な拠点形成」、同じく千葉科学大(千葉県銚子市)が「『大学発ブランド水産種』の生産」などの研究で、それぞれ選ばれた。同じ学校法人から複数選ばれたのはこの2校だけ。
 補助金の交付期間は少なくとも3年間で、中間評価の結果が良ければ最長5年間。16年度の2校への補助金は計約1億1600万円に上った。
 17年度(188校応募、60校選定)も、同じ学校法人から2校選ばれたケースが1例あった。加計学園ではない。
 16年度の補助金交付が決まる約2週間前の16年11月9日、国家戦略特区諮問会議は、「広域的に獣医学部のない地域」を条件に獣医学部新設を決定。加計学園と競合する京都産業大京都市)は関西圏に別の獣医学部があるため不利となり、今年1月に加計学園が事業者に選ばれた。
 補助金交付は学識経験者らの委員会が審査したが、委員名や議事内容は公表されていない。文科省の担当者は、加計学園だけ2校に補助金が決まったことについて「応募は大学単位なので意識していなかった。獣医学部の検討状況はまったく知らなかった」と説明。加計学園は「適切に申請した」とコメントしている。

決定理由、公表すべき
 市民団体「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐聡(だいご・さとし)東大名誉教授の話 加計学園が提案していた獣医学部新設の検討状況を知らなかったとの文部科学省の説明は、当時の政府内の作業を考えると通用しない。文科省補助金の決定理由を大学別に公表すべきだ。

2017 10大ニュース 国内・海外

2017 10大ニュース 国内・海外/10面・15面

 2017年は、天皇陛下退位を巡る特例法が成立し、陛下の退位や改元などに向けた道筋が明確になった。政界は衆院選で与党が勝利し、安倍晋三首相の政権が継続。一方で森友・加計問題が首相らの疑惑を呼んだ。神奈川県座間市の9人遺体遺棄事件は社会に衝撃を与え、九州北部の豪雨は福岡、大分両県に大きな傷痕をもたらした。藤井聡太4段らの活躍で将棋ブームが起こり、スポーツ界では、陸上の桐生祥秀(よしひで)選手が100メートルで10秒の壁を破った。横綱日馬富士が暴行で引退した大相撲は、激震が収まっていない。

国内
1 天皇陛下 2019年4月末の退位 決定
2 国会「森友・加計」学園疑惑 忖度(そんたく)追及 
3 10月 衆院選 与党が勝利 民進党は分裂
4 神奈川県座間市 9人切断遺体事件
5 6月「共謀罪」法(改正組織犯罪処罰法)が成立
6 南スーダンPKO日報問題 稲田防衛相が辞任
7 大相撲 横綱日馬富士 暴行事件で引退
8 日産、神戸製鋼など製造業の不正相次ぐ
9 将棋人気 中学生の最年少プロ藤井4段 29連勝
10 陸上男子100メートル 桐生 日本人初9秒台
次点 7月 九州北部で豪雨 死者行方不明者41人

国外
1 トランプ新大統領 俺流 米国第一主義
2 北朝鮮 核実験とミサイル発射実験 挑発やまず
3 ICAN核兵器廃絶国際キャンペーンノーベル平和賞受賞
4 イギリス、スペイン、アメリカ 欧米でテロ相次ぐ
5 マレーシア 北朝鮮の金正夫氏 毒殺される
6 過激派組織IS(イスラム国)の「首都」ラッカ 解放される
7 韓国 朴槿恵(パク・クネ)大統領 罷免
8 スペイン・カタルーニャ自治州 独立を宣言
9 中国 習近平(しゅうきんぺい)政権 2期目始動
10 ミャンマー イスラム少数民族ロヒンギャ 難民流出
次点 カズオ・イシグロ氏 ノーベル文学賞受賞

 

<ブログコメント>今日の紙面には今年の10大ニュースが載っていました。東京新聞の選んだ10大ニュースです。それぞれの説明は省略して、リードとニュースのタイトルを、見出しを参考に箇条書きにしてみました。

 

貴乃花親方の理事解任提案 相撲協会

貴乃花親方の理事解任提案 相撲協会決議 事件報告怠る/1面

 日本相撲協会は28日、東京都墨田区両国国技館で臨時理事会を開き、元横綱日馬富士が秋巡業中に起こした暴行事件で、巡業部長でありながら協会への報告を怠ったなどとして、貴乃花親方(元横綱)の理事解任を評議員会(池坊保子議長=元文部科学副大臣)に提案することを、全会一致で決議した。

次の理事選立候補可能
 公益財団法人の協会では、理事解任の権限は評議員会にある。処分は来年1月4日の臨時評議員会で審議される。理事解任が承認された場合、役員待遇委員に2階級降格となるが、同2月の理事候補選挙への立候補は可能で、部屋の師匠として力士の指導もできる。過去に協会の理事が解任された例はない。
 協会の危機管理委員会は貴乃花親方が被害者側の立場にあることを勘案しても、速やかな報告を怠ったほか、十両貴ノ岩と自身に対する再三の聴取要請を拒否した責任は重いとした。
 会見で八角理事長(元横綱北勝海)は「貴乃花理事の行為は、理事の忠実義務に著しく反するものと言わざるを得ない」と理由を説明。貴乃花親方から弁明を聞いた上で結論に至ったことも明らかにした。
 協会の懲戒は七段階に分かれ、軽い順からけん責、報酬減額、出場停止、業務停止、降格、引退勧告、解雇がある。 <略>


協力姿勢なく、処分やむを得ず/27面

 NHKアナウンサーで東京相撲記者クラブ会友杉山邦博さんの話 貴乃花親方がこれまで口を閉ざし続けたために、結論が出るのが長引いたのは否めない。理事は組織を引っ張るべき立場にあることを考えれば、組織への協力姿勢を欠いていたのだから、処分はやむを得ない。初場所も間近に迫っている。相撲ファンが楽しみにしているのは理事のごたごたではなく、土俵上の取組だ。協会は一から出直す覚悟で、暴力の根絶やファンサービスに努めてほしい。

被害者側なのに不当に重い/27面
 スポーツ評論家の玉木正之さんの話 秋巡業中に起きた暴行事件の報告義務は、巡業部長だけでなく、同席した横綱らにもあったはずなのに、貴乃花親方だけに責任を押し付けたという印象だ。不当に重い処分と感じる。被害者側の親方なのに、加害者側の伊勢ケ浜親方と同等の処分というのもおかしい。事態を混乱させた意味では、日本相撲協会にも責任がある。大相撲の長い歴史を考えた時、現在の協会の姿がふさわしいとは思えず、今後は組織の在り方を見直す必要がある。

 

新基準「適合」だが 柏崎刈羽原発「ない」づくし

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新基準「適合」だが 柏崎刈羽「ない」づくし/2面

 原子力規制委員会が、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)は対策工事を講じれば新規制基準に「適合」すると正式に決定した。東電は福島第一原発事故を起こした当事者。その事故収束もままならない中、もしも柏崎刈羽で新たな事故が起きれば、事故収束の要員確保、新たな賠償とも対応できる力はない。再稼働に不可欠の地元同意を得られる見通しもない。 (小川慎一、宮尾幹成)

■難作業
 福島第一原発では事故から7年近くなった今も、 1日約6000人が働く。タンク建設など大型の土木工事は見通しがついたが、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しなど、世界初の難作業が待ち構える。
 事故収束にとっては、原子炉に詳しい技術者や機械を自在に扱える作業員が不可欠。もし柏崎刈羽で事故が起きた場合、こうした限られた要員が二つの事故に対応できるのか。作業員には年間で被ばくできる放射線量に限度があり、貴重な要員が両原発で作業を掛け持ちすることはできない。
 福島事故の収束作業そのものは、人が近づけないほどの高い放射線量が壁となり、計画より遅れ気味。東電福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は「まだ登山口。山の高さが分からない」と話す。新たな事故が起きれば、東電が福島事故の収束を「やり遂げる」とした約束が宙に浮きかねない。

■負債
 資金面でも、東電の原発運転資格には疑問がある。既に福島第一原発事故で巨額の負債を抱え、柏崎刈羽で事故が起きた時に新たな負担に耐えられる余力はないからだ。
 福島第一事故に伴う損害賠償と除染の費用は8兆9000億円で、政府の試算では11兆9000億円まで増える見通しだ。東電だけではまかなえず、政府からの借金や他電力会社の支援にも頼っているのが実情だ。
 国の原子力委員会の専門部会は、原発事故に備えた保険の上限額を、現行の1300億円から引き上げる方向で検討している。とはいえ、ひとたび事故を起こせば賠償額は「兆円」規模に達する。多少の上積みでは気休めにしかならない。

■30キロ圏
 規制委が新基準「適合」と判断しようと、現実的には地元が同意しないと、原発は再稼働はできない。
 東電は2014年11月に原子力部門のトップだった姉川尚史(たかふみ)常務(当時)が国会で、「(柏崎刈羽の)30キロ圏内の自治体の理解がなければ、再稼働の条件が十分でない」と明言した。
 他の電力会社の中には、原発が立地する県と市町村だけの同意で再稼働しているところもあるが、東電の場合、国会での約束は現在も生きている。
 本紙が30キロ圏の9市町村に取材したところ、どの自治体も新潟県が独自に進めている①事故原因②健康被害③避難―の3つの検証を見守るとの回答だった。
 長岡市の担当者は「市民の不安が解消されない限り再稼働すべきではない。県の動きをしっかり見ていきたい」と話した。他の自治体からは「県の検証が終わらないと再稼働は議論できない」(燕市)、「再稼働の賛否は現段階で判断できない」(出雲崎町)といった答えだった。
 そもそも、立地県である新潟県米山隆一知事が慎重姿勢。県が進める検証もまだ2、3年かかる見通しだ。現時点で地元同意が得られる見通しは全く立っていない。