今日の東京新聞

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改憲反対デモ「庁舎前庭に集合」 鎌倉市申請を不許可に

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関空孤立客の輸送開始 連絡橋破損で閉鎖長期化/1面

 台風21号の影響でタンカーが衝突して連絡橋が通行できず、利用客らが孤立した関西空港で5日、利用客らを空港外へ運ぶ高速船やバスの臨時輸送が行われた。関空の閉鎖は継続する見通しで、空港関係者によると、滑走路やターミナルビルの運用再開まで1週間程度かかる可能性があり、運行不能な状態がさらに長期化することも想定される。新たに4人の死亡が判明、各地での死者は11人となった。<略>


改憲反対デモ「庁舎前庭に集合」  鎌倉市申請を不許可に/28面

 神奈川県鎌倉市改憲に反対する市民グループ「鎌倉ピースパレード」が、デモの集合場所として市役所前庭の使用を申請したところ、市が「特定の政治的信条の普及を目的とする行為」に当たるとして不許可の決定をしていたことが分かった。グループは憲法を守ることが、なぜ特定の政治的信条なのか理解できない」と反発している。
 グループによると、17日に予定するデモの集合場所として、庁舎前庭の使用を8月23日に申請。市は、庁舎管理規則に基づく「庁舎内行為許可に係る審査基準」に照らし、「特定の政治的信条の普及を目的とする行為」に該当することを理由に、同31日付で不許可決定をした。
 市公的不動産活用課の鈴木康之課長は取材に「パレードのちらしの内容を見て判断した」と説明。ちらしには「民主主義を取り戻そう!九条改憲は戦争への道!」などと書かれ、「9条改憲の部分が一般的にどう受け止められるかなどを考慮した」と述べた。
 5日の定例市議会で斎藤和徳・行政経営部長は「一定の政治的信条を持った方々が集合場所とすることが公になり、反対の主張を持った方々が多数出入りをすることによる混乱も考えられる」などと答弁した。
 グループ代表の小堀諭さん(69)は「ピースパレードは市民運動であり、日常的に憲法を語るのと同じ次元のこと」と指摘。6月にデモを計画した際にも同様に不許可決定が出ており、審査請求を検討している。
 同課によると、前庭など庁舎使用の申請は本年度、4日までに17件あり、パレードの2件以外は許可されたという。(北爪三記)

 

橋にタンカー衝突 関空、滑走路水没 台風21号

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橋にタンカー衝突 関空、滑走路水没 台風21号/1面

 台風21号は4日午後に徳島市に上陸した後、神戸市付近に再上陸し、日本海へ抜けた。関西地方を中心に被害が相次ぎ、7人が死亡、約200人のけが人が出た。開港以来で最大の瞬間風速を記録した関西空港では、強風で流された大阪湾のタンカーが連絡橋に衝突、橋の破損で通行不能となり、約5000人が取り残された。関西空港は高潮で滑走路が水没、広範囲が浸水し閉鎖された。最大風速44メートル以上の「非常に強い台風」の日本上陸は1993年の台風13号以来、25年ぶり。<略>


わたしの転機 カンボジアの黒こしょう加工支援 五津利雄さん/11面

 埼玉県入間市の五津(ごつ)利雄さん(79)は退職後、カンボジアの黒こしょう生産を支援している。かつては世界的な産地だったカンボジアだが、内戦で技術も販路も失われた。研究開発をしていた会社員時代、カンボジア出身の人たちに支えられたことから、「今度は自分が恩返し」と決心。培つた経験や技術を生かしている。

「恩に報いたい」が原動力 会社員時代に開発した技術応用
 40代のころ、浄水場の水質測定器を開発していました。そのころ、大変お世話になったのが、試作や製造の一部を委託していた企業に勤めていたカンボジア出身の男性。内戦が続いていた1980年に、家族や親類とともに難民として日本に逃れてきたそうです。
 急ぎの仕事で徹夜の突貫作業があるたび、電気関係の知識がある親族2人を連れてきてくれました。冷暖房もない作業場で、黙々と働いてくれました。
 日本人よりもまじめで正確な仕事ぶりに、頭が下がる思いでした。大きな仕事を支えてもらい、退職したら、今度は私がカンボジアのために何かをしようと決心しました。
 2004年に65歳で会社を退く前から、会社で得た知識を生かして何かできないか考え、現地で生産されている黒こしょうに目を付けました。かつてカンボジアは世界有数の生産地でしたが、内戦によって、栽培・加工技術も流通経路も失われていました。競争力を取り戻すためにはどうしたらよいのか考えました。
 そこで、ひらめいたのが透析用機器の殺菌用に開発した薬剤の応用です。こしょうは、加熱殺菌すると本来の味や香りを失ってしまいます。ですが、この薬剤を使えば、常温で殺菌できて風味も損なわれないのではないかと。人体への影響がないことなどをあらためて確認し、導入することにしました。
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平成最後の夏(6~8月) 戦後最も熱かった

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企業内部留保  最高446兆円 人件費分配率  下降続く/1面

 財務省が3日発表した2017年度の法人企業統計によると、企業の内部留保と呼ばれる「利益剰余金」は、金融・保険業を除く全産業で前年度比9. 9%増の446兆4844億円となり、過去最高となった。一方で企業が稼いだお金のうち、従業員の給与・ボーナス、福利厚生に充てられた割合を示す「労働分配率」は66. 2%と前年度の67. 5%から下落。企業の利益の伸びとは対照的に、賃上げが進んでいない実態をあらためて浮き彫りにした。


平成最後の夏(6~8月)  戦後最も熱かった/1面

 猛暑に見舞われた今夏(6~8月)の関東甲信地方は、平均気温が平年を1. 8度上回り、1946年の統計開始以降、最も高かったことが3日、気象庁のまとめで分かった。これまでの最高は、平年を1. 7度上回った2010年。文字通り、記録的な暑さだったことを裏付けた。<略>
 地点別では、水戸市で平年を2. 3度、埼玉県熊谷市で2. 2度、前橋市で2. 1度上回るなど、計48地点で観測史上1位(タイを含む)を記録。宇都宮市では2度上回り観測史上2位となった。
 最高気温35度以上の猛暑日は、熊谷市で計37日と平年(13日弱)の3倍に迫り、東京都心は計12日と平年(2日強)の5倍超。名古屋市も計36日で熊谷市に匹敵する多さとなり、大分県日田市では計43日に上った。
 連続猛暑日の記録は、前橋市と埼玉県秩父市で7月に12日連続となり、過去最長を塗り替えた。<略>

微小プラスチック 世界の水道水汚染

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MOX燃料 再処理困難 電力10社費用計上せず/1面

 通常の原発プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を燃やすプルサーマルを巡り、原発を持つ電力会社十社が、一度使ったMOX燃料を再処理して再び燃料として利用するための費用の計上を、二〇一六年度以降中止していたことが二日、分かった。政府は核燃料サイクル政策の一環としてMOX燃料を再利用する方針を掲げていたが、電力各社が費用計上をやめたことで資金面での根拠を失い、事実上、MOX再処理の断念となる。<略>


微小プラスチック、世界の水道水汚染 世界13カ国で検出率81%/3面

 世界13カ国の水道水のほか欧米やアジア産の食塩、米国産のビールに、地球規模の汚染が問題になっている微小な「マイクロプラスチック」が広く含まれていることを、米ミネソタ大などの研究グループが2日までに突き止めた。水道水の検出率は81%と高く、ほとんどは繊維状で繊維製品由来とみられる。日本の水道水は調査していない。

 マイクロプラスチックが人間の健康に与える影響は分かっていないが、研究グループは「日常生活で避けられない水道水の汚染が世界に広がっていることは大きな懸念材料だ」と警告している。
 米国や英国、キューバ、インドなど14カ国で集めた水道水159サンプルを分析した。イタリアを除く13カ国でマイクロプラスチックが見つかった。米国のサンプルからは最多となる1リットル中約60個を検出。インドやレバノンも多かった。形状は98%が繊維状で平均の長さは0.96ミリ。0.10ミリのものもあり、フィルターで完全に除去するのは難しいとみられる。ほかに小さな破片やフィルム状のものもあった。
 欧州、アジア、米国などの産地表示がある市販の食塩12種と、米国で醸造されたビール12種の全てからもマイクロプラスチックを検出。米国のボトル入りの水3サンプルにも含まれていた。
 米国人の標準的な消費量に基づくと、水道水と食塩、ビールから年間5800個のマイクロプラスチックを摂取する計算になる。水道水由来が全体の88%を占めた。
 汚染がどう広がったかは明確ではないが、繊維状のものは化学繊維製の衣服から洗濯などを通じて大気中に飛散した可能性も指摘されている。<略>

わすれない ありがとう さくらももこさん

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模造「命のビザ」救いの証し 杉原千畝 退去後500通/1面

 第2次世界大戦中、駐リトアニアの領事代理としてナチス・ドイツの迫害を受けた多くのユダヤ系難民に「命のビザ(査証)」を発給した杉原千畝(ちうね)(1900~86年)が領事館を退去して以降も、他の人物が模造する形でビザが発給され続けたことはあまり知られていない。その「模造ビザ」が、リトアニアで保管されていることが分かり、記者が現地で確認した。ユダヤ人らの手による精巧な模造ビザは、杉原の知らないところで計500通近く作成されたとみられ、数百人が出国を果たした可能性があるという。 (リトアニアの首都ビリニュスで、栗田晃、写真も)

 

いつだって わすれない ありがとう  さくらももこさん/30面

 8月15日に53歳で亡くなった漫画家のさくらももこさんは、代表作「ちびまる子ちゃん」を本紙朝刊に連載しました。悲しいニュースも多い社会面に、ほのぼの感を添えてくれました。格差が広がり、大震災に襲われた平成の終盤、昭和40年代の雰囲気もある作品にほっとした読者も多かったはず。2007~11年に掲載した全1587回から、その一部を再びお届けします。

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沖縄県が承認撤回 辺野古埋め立て中断

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沖縄県が承認撤回 辺野古埋め立て中断/1面

 沖縄県は31日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移設先、名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立て承認を撤回した。移設工事は即時中断となり、防衛省沖縄防衛局は効力停止を求め、法的対抗措置を講じる方針。9月30日投開票の県知事選を前に、移設を巡り県と国が全面対立する事態となった。
 8月8日に死去した翁長雄志(おながたけし)知事が生前に「(辺野古に)新基地は造らせないとの公約実現に向け全力で取り組む」として、撤回の手続きに入る意向を表明。撤回権限を委任された謝花喜一郎(じゃはなきいちろう)副知事は、県庁で記者会見し「翁長知事の熱い思いを受け止め、法に基づき適正に判断した。新基地建設阻止に向け全力で対応する」と強調した。
 小野寺五典(いつのり)防衛相は記者団に「防衛局が理由を精査し必要な法的措置を取る」と述べ、時期は知事選日程には左右されないとの考えを示した。裁判所が防衛局側の主張を認めれば工事再開が可能で、既に県に通知済みの辺野古沿岸部での土砂投入にも着手できる。
 県はその場合、裁判所に判断を不服として、沖縄の過重な基地負担を訴え、工事停止などを求めることを検討する。
 謝花氏は撤回理由として、行政指導を重ねても国が是正せず、工事の違法状態を放置できないことや、移設先の軟弱地盤の発覚、サンゴを含む環境保全措置の不十分さなどを挙げた。<略>

 

 

「メールも破棄指示」公文書管理で経産省幹部/1面

 経済産業省幹部が省内外の打ち合わせ記録を残さないよう指示していた問題で、複数の同省職員が、電子メールについても「表に出るとまずいやりとりは、破棄するか、(公文書扱いとならない)個人のフォルダに移すよう指示された」と本紙に証言した。首相官邸や政治家、他省庁とのやりとりはメールで情報共有されることも多く、こうした運用では意思形成過程が十分に検証できない恐れがある。<略>

「政治家発言 記録残すな」 経産省 公文書管理で指示

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「政治家発言  記録残すな」 経産省  公文書管理で指示/1面

 政治家や首相官邸、各省庁とのやりとりについて、経済産業省の複数の職員が「3月に上司から『今後は発言を一切記録に残すな』と指示された」と本紙に証言した。本紙が入手した経産省の内部文書にも、省内外の打ち合わせの記録について「議事録のように、個別の発言まで記録する必要はない」と明記されていた。職員によると、4月以降、省内では公文書となる打ち合わせ記録には詳しい発言内容を残さなくなったという。 (望月衣塑子、藤川大樹、中沢誠)

 森友学園加計学園などの問題を受け、改正された政府の公文書管理のガイドラインでは、行政の意思決定の過程を検証できるよう文書の作成を求めている。経産省の運用では十分な検証ができない恐れがある。
 文書を作成した情報システム厚生課の担当者は「(公文書管理を所管する)内閣府に確認して決めた。一言一句残しておく必要がないという趣旨で、『一切残すな』という意味ではない」と主張。内閣府公文書管理課の担当者は「経産省には、後付けの検証ができれば全ての詳細な記録はなくてもいいと回答したが、『記録を一切残すな』との指示が併せて出ていたらガイドラインの趣旨からも外れており、問題だ」と指摘する。
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 本紙が入手した文書には、「政策立案や事務・事業の方針等に影響を及ぼす打合せ等の記録」について、『記録』は『いつ、誰と、何の打合せ』かが分かればよく、議事録のように、個別の発言まで記録する必要はない」「議事録のように、発言の詳述は必要はない」と記載していた。
 加計学園の問題では、関係機関の協議が記録に残っていなかったため真相究明が阻まれている。
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<ブログコメント>森友・加計疑惑をうやむやにして逃げ切ったつもりの安倍内閣。次は「記録を残すな」ですか。もう、まるでジョージ・オーウェルの『1984年』の世界ですね。今日の紙面にはもう一つ、考えさせられる記事がありました。中島岳志の論壇時評で、杉田水脈LGBT問題を扱っています。


論壇時評 「弱くある自由」認めよ 中島岳志/6面

杉田水脈LGBT問題
 杉田水脈(みお)衆院議員が『新潮45』8月号に寄稿した論考(「『LGBT』支援の度が過ぎる」)に、厳しい批判が殺到している。杉田は、LGBT性的少数者)の人たちが「子供を作らない、つまり『生産性』がない」と述べた上で、「そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」と疑問を呈している。また、性的マイノリティーの生き方を肯定的に報道することが「普通に恋愛して結婚できる人まで、『これ(同性愛)でいいんだ』と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」と否定的な見解を述べている。
 言語道断の暴言である。子供をつくることを「生産性」という言葉で語ること自体、大変な問題であり、ましてや同性愛者を「不幸な人」と見なすに至っては差別以外の何ものでもない。
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 問題は、なぜ杉田がこのような思想を持つに至ったのかというプロセスと背景を解明することだろう。
 杉田が、著書や対談で繰り返すのが、「左翼嫌い」という心性である。大学時代に寮費の値上げをめぐって参加した反対運動の大会で、「しんぶん赤旗」学生版の購入を勧められたことに疑問を感じ、兵庫県の西宮市役所勤務時代に、共産党市議から同様の勧誘を受けたことから、その思いが決定的になったという。「地方公務員時代は、左翼と呼ばれる人達と ″やり合う″ 機会が多々あり、私の ″左翼嫌い″ は確固たるものになったのでした」(『なでしこ復活』青林堂、2014年)
 この心性は、左翼を既得権益と見なし、行政改革によって一新したいという思いにつながる。正規職の公務員は守られすぎていると考え、業務の民間へのアウトソーシングを進めたものの、厳しい批判にさらされ挫折したという。
 そんな中、彼女は同じく行革を志向する同僚と勉強会を立ち上げ、竹中平蔵らがサポートする「スーパー公務員塾」とつながった。以降、政党関係者と接点を持ち、12年の衆議院選挙に日本維新の会から立候補し当選。国会議員となった。
 杉田が一貫して主張するのは、自己責任を基調とするリスクの個人化である。人生のさまざまなリスクは、自分が全面的にとらなければならない。児童福祉が存在するのは、行政の世話にならない大人に育ってもらうためと主張する。一方、福島で東京電力からの補償金を受け取り、仮設住宅で暮らす人たちを「被害者利権」と非難する(河添恵子との共著『「歴史戦」はオンナの闘い』PHP研究所、16年)。
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 この主張の先に出てくるのがLGBTへの否定的発言であり、当事者の主張を「我がまま」な「特権」の要求と断罪する姿勢につながっている(『なぜ私は左翼と戦うのか』青林堂、17年)。
 杉田の論理は、父権的社会規範に順応する強者の論理である。しかし、時折、弱者ヘと反転し、自由を阻害される苦悩にさらされる。彼女は妊娠時のつわりがひどく、「生まれて初めて倒れ」てしまい、5キロも痩せたという。このとき体の自由がきかなくなる苦しみを味わい、「私は私の人生」「子供は子供の人生」という考えを持ったという。
 杉田は弱い立場に立たされたときの苦しみを知っている。差別を受けたときのつらい思いも味わってきている。ただ、その苦しみを父権社会への過剰適応によって乗り切ったことで、権利を要求する者を「特権」として断罪する立場にたっている。そうすることで自己の歩みを正当化し、承認を得ようとしているのだろう。
 <略>
(なかじま・たけし/東京工業大教授)