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投稿ミラー/「醜悪国会」国民も責任 島根勝利

ミラー/「醜悪国会」国民も責任 島根勝利 71(埼玉県草加市/5面

 憲法第41条は国会を「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と規定している。しかし、22日に開会した通常国会は、その名に値しない実に最悪の国会であった定年退職後、国会中継を視聴していてこれほど醜悪な国会は記憶にない。
 公文書が改ざんされ、廃棄される。「ない」とされた文書が見つかる。答弁の嘘(うそ)が明らかになる。安倍首相はその都度「責任は行政の最高責任者である私にある」と繰り返すが、一度としてトップとしての責任を取ったことがない。むしろ、閣僚や官僚を擁護する姿勢が目立った。
 「働き方」関連法、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法、参院の定数を6増やす改正公職選挙法は十分な審議も行わずに強行採決して成立させた。いずれも世論の過半数が反対をしているにもかかわらず、数の力で押し切った。
 国会は政府の提出した法案を通過させるだけの下請け機関と化している。政府の身勝手や暴走を阻止する行政監視機能はどこへ行ってしまったのか。とりわけ森友、加計問題に関しては国政調査権を発揮するどころか、政権与党と一体となってその役割を放棄したに等しい。
 行政府に従属している立法府の姿は、三権分立を規定する憲法、国民に対する背信行為である。
 しかし、このような行為を政権が平然とできるのも、6年で5回の国政選挙に圧勝した安倍政権の危機感の緩みにあると私には思える。突き詰めれば、有権者、国民にもその責任の一端があると思わざるを得ない。

オウム6人死刑執行 サリン・弁護士一家 13人全員執行

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オウム6人死刑執行 サリン・弁護士一家 13人全員執行/1面

 法務省は26日、オウム真理教による一連の事件で殺人罪などに問われた教団元幹部6人の死刑を、東京と名古屋、仙台の各拘置所で執行した。6日に元代表麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫(ちづお)=ら元幹部7人が執行されており、死刑が確定した13人全員の執行が終わった。
 <略>

www.tokyo-np.co.jp

「恒久的対策もう取れない」 松本サリン被害 河野さん/1面

 オウム真理教による1994年の松本サリン事件の被害者で、一時、警察やマスコミから犯人視された河野義行さん(68)が26日、愛知県豊橋市で本紙の取材に応じた。麻原彰晃元死刑囚ら13人の死刑執行で事件の真相を深く知る当事者がいなくなり、「事件の再発を防ぐ恒久的な対策を取れなくなった」と指摘した。
 一連の事件の背景解明を求めていた河野さんは「真相は本人たちしか分からない。『なぜ』が分からなければ歯止めのかけようがない」と死刑執行を疑問視。死刑囚以外のオウム関係者に「捜査関係者が粘り強く接し、本音を語ってもらうことが必要」とも訴えた。
 河野さんは新実智光元死刑囚=執行時(54)=ら4人の死刑囚と面会している。死刑制度に反対の立場だが、「死ぬことを許され、自由になれて良かったね」と声を掛けたい気持ちになったという。松本サリン事件で意識不明となった妻澄子さん=享年(60)=が10年前に亡くなったときも同じことを思ったといい、「意識不明も拘置所も『不自由』の最たるもの」と述べた。
 事件の被害者の心情にも触れ、「加害者を恨むことで心のバランスを取っていた被害者は(死刑執行で)生きる支えがなくなるのでは」と懸念した。河野さんは病気の兄を看病するため2016年、豊橋市に転居した。(高橋雪花)

 

<ブログコメント>東京新聞の取材に応じた河野さん。鶴見俊輔著『思い出袋』(岩波新書を読んだとき、河野さんについて触れる数行があり、「あー、そうだ。私もこの人に対して同じ思いを抱いている」と強く共感した覚えがあります。以下に紹介します。

誇りという言葉 (p.99-100)
 <略>
 17歳から19歳まで、私は米国マサチューセッツ州ケムブリッジ市のヤングさん一家の下宿人だった。女主人は離婚していて、3人の子ども、実母、それに下宿人の私をいれると6人世帯で、3室のアパートに暮らした。
 女主人のマリアンは、「あなたを誇りに思う」( I am proud of you. ) と私に言うことがよくあった。私は子どものときから、そういう言いまわしに会ったことがない。おどろいた。生まれた家から遠く離れて、日常生活を共にしている年長者から、誇りに思うと言われて、その言葉を裏切りたくなかった。
 20歳以後、日本に帰ってからの長い年月、「あなたを誇りに思う」などと私に向かって言う人はいなかったし、私から他人に向かって言ったこともない。記憶にない。でも、そう言いたいと思うことはあった。
 小学校1年生のときからつきあいの絶えることのなかった永井道雄が、三木内閣の閣僚になり、やがて、三木おろしにあって三木武夫が総理の座から降りると、永井道雄はただちに辞職してもとの朝日新聞に戻った。そのとき、君を誇りとする、という言葉が私の心に浮かんだ。しかし、それを彼に伝えることはなかった。私の日本語には、その言いまわしはない。
 もう一度は、松本サリン事件で最初に容疑者とされた河野義行が、自分の無実を警察に対して主張し、自分の妻がサリンのために昏睡状態となり、その状態の続く中で、オウム真理教団に対して破防法が適用されることに反対したとき。こういう人が日本人の中にいることを、おなじ日本人として誇りに思った。河野義行には会ったこともなく、この言葉を伝えることもなく過ぎた(その後会ったことがある――追記)。
 <略>

 鶴見俊輔『思い出袋』(岩波新書)から

低調な死刑存廃議論 廃止が世界の潮流

低調な死刑存廃議論 廃止が世界の潮流/2面
 今回の死刑執行は、死刑廃止が主流の国際社会から批判が強まるのは必至だ。死刑制度の在り方も改めて問われる。
 「松本(智津夫)元死刑囚の死刑だけで十分。他の12人は手足。手足を死刑にしてどうするんだ。時を経過させ、12人がどう話していくか知りたかった」。教団脱会者の支援に取り組んだ滝本太郎弁護士は、自身のブログで思いを吐露した。
 遺族らも、教祖を名乗った松本元死刑囚の執行は当然と受け止めつつも、他の死刑囚については異論がある。公証役場事務長監禁致死事件では、仮谷清志さん=当時(68)=が、元幹部で医師だった中川智正元死刑囚らに麻酔薬を投与され、副作用で翌日死亡した。長男実さん(58)は「父の最期を知る中川元死刑囚から本当のことを聞きたかった」と残念がった。
 一方、死刑制度存廃を巡る議論は低調だ。廃止を目指す超党派議員連盟は10年ほど前まで活発な動きを見せていたが、近年は議員数も減り存在感を示せていない。日弁連も2016年に死刑廃止目標を組織として初めて打ち出したが、支持は浸透していない。
 視線を国外に広げると情勢は対照的だ。
 フランスでは、死刑廃止を公約に掲げて当選したミッテラン大統領が1981年、世論の3分の2が死刑制度を支持する中で、誤判の危険性といった理由を挙げて廃止にこぎつけた。
 韓国では、98年就任の金大中大統領が、自身の信条などを理由に執行を認めない姿勢を貫き、その後も執行はなく、「事実上の廃止国」とされている。

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「前代未聞の事態」死刑廃止団体
 オウム真理教の元幹部ら6人の死刑執行を受け、死刑に反対するNPO法人や人権団体が26日、国会内で記者会見し、「 6日の7人も含め、1カ月で13人もの執行は前代未聞の異常事態だ」と訴えた。
 NPO法人「監獄人権センター」事務局長の田鎖(たぐさり)麻衣子弁護士は、6人中4人が再審請求中だったことを問題視。「民主国家の司法の在り方として本当に恥ずべきことだ」と批判し「執行への感覚がまひしてしまう危険がある」と懸念した。
 人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」の中川英明事務局長は死刑廃止は世界の大きな流れで、国際社会の常識だ」と指摘。上川陽子法相が26日の会見で回答を控えることが多かったとして「国民に死刑に関する情報を開示するべきだ」と話した。

杉田氏LGBT発言 波紋 撤回求める野党

杉田氏LGBT発言 波紋 撤回求める野党 二階氏静観/2面

 自民党杉田水脈(みお)衆院議員=比例中国ブロック=が今月発売の月刊誌に寄稿した文章が、性的少数者LGBT)への行政支援に疑問を示すものとして波紋を広げている。野党からは謝罪や撤回を求める声が出ている。
 杉田氏は寄稿で「LGBTだからといって、実際そんなに差別されているものでしょうか」と指摘。「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり『生産性』がないのです」と主張した。
 自民党二階俊博幹事長は24日の記者会見で「人それぞれ、政治的立場はもとより、人生観もいろいろある」として静観する考えを示した。
 これに対し、国民民主党玉木雄一郎共同代表は会見で「子どもを持ちたくても持てない人を傷付ける」と指摘。ナチスの優生思想にも通じるような問題で許すことはできない」と厳しく抗議した。二階氏の姿勢に関しても「杉田氏を擁護している」として「問題意識がずれている」と批判した。
 共産党小池晃書記局長も23日の記者会見で、杉田氏の寄稿について「無知、無理解、悪意に満ちた偏見で、悪質だ。謝罪、撤回しないなら議員辞職すべきだ」と強調した。(中根政人)

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ヤフー敗訴「責任重い 情報の質」 津田大介さん

ヤフー敗訴「責任重い 情報の質」 ジャーナリスト・津田大介さん/4面

 仙台市の元会社役員の男性がポータルサイト大手のヤフーの掲示板に虚偽の事実を書き込まれ精神的苦痛を受けたとして、同社に投稿記事の削除などを求めた訴訟の判決で、仙台地裁は9日、記事削除と慰謝料約15万円の支払いを命じた。
 問題の投稿があったのは、2016年2月のこと。何者かによって男性の実名や職歴とともに「在日朝鮮人である」という虚偽の内容が投稿された。ヤフーの掲示板やニュース記事に付けられるコメント欄には、ヘイトスピーチや個人の名誉毀損に当たる虚偽情報が多数書き込まれており、ここ数年来、利用者や外部の識者からその運営姿勢が批判されていた。
 17年6月には、ニュースのコメント機能について「複数のアカウントを取得し、多くの意見として印象を扇動する行為」を禁止する対応を行ったが、依然としてヘイトスピーチや虚偽情報への対策は徹底されておらず、事実上の放置状態が続いている。
 今回の訴訟で原告の男性は自身の主張の証明と投稿の削除を求めて17年6月22日にヤフー側に書面を送付。その際に自身が所属する会社の履歴事項全部証明書と個人事項証明書、免許証のコピーなどを添付したが、ヤフー側は投稿の削除は行わなかった。
 なぜヤフーは投稿を削除しなかったのか、理由が弁論で述べられている。彼らの主張を要約すると、①同姓同名の他人である可能性がある②投稿内容は所属会社にとって必要な人材であると捉えることができ、社会的評価を低下させたとは言えない③人格権に基づく削除請求権は過去の判例にないため、認められるのか疑義がある④精神的苦痛は生じていないのではないか―ということになる。これらの主張を一言でまとめれば「ヤフー上に掲載される情報の質について、責任は負いかねる」ということであろう。
 しかし、現実として日本最大のポータルサイトが差別扇動や虚偽情報の対策を取らないのは、社会通念上問題があると言わざるを得ない。ヤフーは単なるプラットフォーム事業者ではなく、ニュース配信事業を行う国内最大のメディア事業者でもあるからだ。情報の質について一定の信頼を担保する必要があるのは論をまたない。
 今回の判決で仙台地裁の村主隆行裁判官は「虚偽の事実が記載されていると知った時点で投稿を削除する義務があった」と、プラットフォーム事業者のヤフーの責任を明確に認めた。ヤフーの主張④についても、「人格的利益より、虚偽の事実を示した表現の自由を保護する理由は全くない」と、同社に対して厳しい判断を示した。
 韓国では昨年10月に大手ポータルサイト「ネイバー」のニュースコメント欄での世論工作疑惑が浮上し、現在も政府から独立して活動する特別検察官が捜査に当たっている。この騒動を受け、同社はこの7月からニュースのコメント欄を廃止した。
 日本のヤフーも、掲載される情報の質に責任が取れないのならば、一刻も早くニュースのコメント欄や掲示板サービスを廃止するべきだ。
(「見張り塔から/メディアの今」 毎月の第4火曜日掲載)

本音のコラム「破廉恥な政治」 山口二郎

本音のコラム「破廉恥な政治」  山口二郎/25面

 通常国会が終わった。この国会は、野党が言うように憲政史上最悪のものだった。憲法41条の「国権の最高機関」という国会の本質を、政府と与党が踏みにじった。
 しかし、為政者は国民からどんな批判を浴びても、蛙(かえる)の面に水である。政府は公文書改ざんの再発防止策として、文書管理の改革案を決めた。文書改ざんに対しては懲戒免職も含む厳しい処分を科すとのこと。これでは泥縄にもなっていない。しつこいようだが、再発防止のためには、森友、加計問題を究明し、誰がどのように文書を改ざんしたか明らかにすることこそ必要である。首相以下、官僚の虚偽、捏造(ねつぞう)はすべて人ごとと思っている。
 自民党の人気者、小泉進次郎氏は国会がスキャンダル追及に躍起になって、重要な政策課題について議論ができないとして、独自の国会改革案を発表した。政府首脳が野党を見下した態度を取り、国会での論議がすべて崩壊していることはすべて人ごとのようだ。小泉氏も自民党の次代のホープとして、為政者をいさめる義務を負うはずだが、それを棚上げにしていい格好をするばかりである。
 日本の議会制民主主義を崩壊させた張本人が自らの責任を逃れて、平然と改革を主張する。為政者の責任を問う機会が来るまで、この破廉恥な開き直りを記憶するしかない。(やまぐち・じろう/法政大教授)

依存症 懸念残し カジノ法 成立

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依存症 懸念残し カジノ法 成立/1面

331項目 詳細 政省令任せ
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は20日参院本会議で、自民、公明の与党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。ギャンブル依存症が拡大するとして野党が反対する中、自公が採決を押し切った。立憲民主党などは内閣不信任決議案を提出したが衆院本会議で否決された。通常国会は22日の会期末を前に事実上閉幕した。=核心・疑問だらけ2面、首都圏どうなる27面、社説5面
 <略>

森友・加計 解明なく実質閉会
 「森友学園」への国有地売却などに関する財務省の決裁文書改ざんを巡り、自民党20日、衆参両院の予算委員会理事会で、野党が求める佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官を議院証言法違反(偽証)で告発することについて「慎重であるべきだ」との見解を示し、事実上、拒否した。森友問題では、なぜ改ざんが行われたのか、安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与や官僚の忖度(そんたく)はあったのかなど、多くの疑問が残されている。加計(かけ)問題を巡る疑惑も解明されないまま、今国会は幕を閉じる。
<略>
 衆院予算委の野党筆頭理事で、立憲民主党逢坂誠二氏は本紙の取材に「与党の言い分では、『記憶の限り』という枕ことばをつければ、国会でいくらでもうそを言っても良いことになってしまう。真実を明らかにするため、どう対応するか考えるべきだ」と批判した。(生島章弘)

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