今日の東京新聞

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筆洗 「懐かしい日々」 2020・4・20

筆洗 「懐かしい日々」 2020・4・20/1面

 小津安二郎監督の映画「彼岸花」(1958年)は娘の婚期をめぐる家族ドラマで、こんな場面がある。夫婦と娘二人で遊びに出かけた箱根。妻(田中絹代(たなかきぬよ))が夫(佐分利信(さぶりしん))に苦しかった戦争だが、今は懐かしいと語る▼「戦争は厭(いや)だったけれど、時々あの時のことがふっと懐かしくなることがあるの。あなた、ない?」「私はよかった。あんなに親子4人でひとつになれたことなかったもの」▼戦争が終わり、生活も豊かになったが、家族そろって夕飯を食べることもなくなった。それが寂しくて、戦争が懐かしいと言うのである▼このせりふが最近、よく分かる。新型コロナウイルスの感染拡大という試練の中にあるが、見方を変えれば、日本の家族がここまで「ひとつになれた」のは戦後75年の歴史の中で初めてではないだろうか。そんなことを考える▼外出も出勤も自粛で学校は休校。それはつらいことだが、間違いなく、家族が家で同じ時間を共有する機会を増やした。日に3度、顔を合わせて食事をするという家もあるだろう。それはややもすれば、家族よりも仕事を優先しがちな日本人が忘れていた幸せとも言えよう。気のせいか買い出しに向かう家族はこの状況にも穏やかで朗らかにみえる▼憎いコロナである。早く普通の日々を取り戻したいが、この重苦しい日々がいつか、懐かしいと思えるのかもしれない。

東京新聞:小津安二郎監督の映画「彼岸花」(一九五八年)は娘の婚期をめ…:社説・コラム(TOKYO Web)

院内感染防ぐには徹底検査しかない

相次ぐ院内感染防ぐには徹底検査しかない/23面

 医師や看護師ら医療従事者の新型コロナウイルス感染が頻発している。東京都中野区の病院では新たに92人の感染が判明した。医療従事者が感染に気付かないまま出勤したり、患者から広がったりするケースが多く、診療停止や医療崩壊につながりかねない。ウイルス侵入を防ぐため、オンライン診療など普及が進んでいなかった対策の強化も求められる。 (井上靖史、原田遼)

 「病院で感染しないか少し心配はあるけど、信頼している先生がいるから」。中央区国立がん研究センター中央病院。50代妻の通院治療に付き添っていた都内の60代男性は取材に悩ましげに答えた。
 同病院は先月下旬以降、医師や看護師計6人の感染が判明した。免疫抑制剤を使うこともあるがん患者が感染すれば重症化するリスクは高く、13日まで新規の患者受け入れを停止せざるを得なくなった。
 最初に感染が分かった看護師の1人は嗅覚がなくなる異変を感じたが、出勤。当時は嗅覚の異常が感染の兆候と認識されず、岩田敏・感染症部長は「チェックに引っ掛からなかった」と申し訳なさそうだった。
 厚生労働省によると、3月末までに5人以上の感染者集団(クラスター)が発生した医療機関は全国に9カ所。以降も各地で感染が相次ぎ、中野江古田病院は計92人が感染。病院は取材に「ホームページに載せたこと以外お話しできない」とした。
 気を付けてもウイルスは紛れ込む。東京慈恵会医大病院では入院患者の感染がまず判明し、接触した医師らも感染していた。北九州市の新小文字病院は外傷で救急搬送された患者に治療後も発熱が続き、検査で感染が判明。院内に広がっていた。
 医療の現場は困惑している。病院勤務者らでつくる日本医療労働組合連合会の三浦宜子中央副執行委員長は「国は患者の受け入れを求めるなら、しっかり感染を防ぐ仕組みを構築してほしい。マスクなど資材の供給も足りない」と訴える。
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東京新聞:<新型コロナ>相次ぐ院内感染防ぐには 検査徹底しかない 接触リスク減らす工夫を:社会(TOKYO Web)

「何様か!」優雅にくつろぐ安倍首相 炎上動画を見てみたら

「何様か!」優雅にくつろぐ安倍首相 炎上動画を見てみたら/20面

 シンガー・ソングライター星野源さんが公開した弾き語り動画に合わせ、ソファでくつろぐ安倍晋三首相の動画に批判が殺到している。外出自粛の呼び掛けが動画の趣旨で、菅義偉官房長官は「35万を超える『いいね』をいただいた」と会見で強調したが、怒りのコメントはそれを上回る勢い。いったい何が人々の気持ちを逆なでしたのか。 (稲垣太郎)
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www.tokyo-np.co.jp

www.youtube.com

動画は次のURLにありました。
20200412 安倍総理星野源の動画に勝手にコラボ→https://www.youtube.com/watch?v=jbH1MLl_6B0

東京144人感染 1日最多 7割経路不明

<新型コロナ>東京144人感染 1日最多 7割経路不明

 東京都は8日、新型コロナウイルスの感染が新たに144人確認され、70~90代の男女4人が死亡したと発表した。都内の1日あたりの感染者数は5日の143人を超え、最多を更新した。感染者の累計は1338人で、死者は35人になった。新たな感染判明者は10~90代で、うち感染経路不明・調査中が7割近い95人に上った。重症者は2人。 (小倉貞俊)
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 この日までの退院者・死者を除く入院対象者は1251人で、重症者は29人。都は病床確保のため、7日から中央区のビジネスホテルへ軽症者らの移送を開始。8日までに計20人が病院から移った。
 都は政府の緊急事態宣言を受け、8日から都民に外出自粛要請。10日に民間事業所への休業要請の対象業種・施設を公表する予定。



<ブログ・コメント> ニュースによると、安倍首相は、3日前に「感染を調べるPCR検査の1日の実施数を現在の倍の2万件に増やす」と表明したそうです。では現在、1日1万件の検査が行われているのでしょうか。コロナウイルスの感染が確認されてからこれまでに検査した人数は何人でしょうか。厚労省のホームページを調べてみました。
 
結果は、4月8日12時現在で、PCR検査陽性者4257人、PCR検査実施人数61498人でした(いずれもクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の検査数を除く)。
 4月8日までのPCR検査総数が全国で6万人。少ない。新型コロナウイルス感染の疑いでクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が航海差し止めとなり、横浜港停泊となったのが2月4日。乗員乗客の検査で新型コロナウイルス感染が確認されてから2ヶ月が経ちます。この間、政府のやっていたことは「やっている感」の演出だけだった? 安倍首相が言うように、1日1万件の検査が行われていたら、直近4月の1週間だけで検査数は6万件になったはず。ちなみに厚労省の資料では、前日4月7日からの1日だけで検査数が総検査数の1割にあたる6187増となっているから、ここに来て、あわてて検査をふやしているようです。
 安倍首相の発言は、見栄っぱりのおおぼらふき(格好つけの無責任)で信用できません。そこで下に、今回参考にした厚労省の「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」という報道発表資料(令和2年4月8日版)をリンクしておきます。一つの資料として、ご参照ください。

知事会、休業補償を要請 政府は拒絶

 新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく緊急事態宣言を巡り、西村康稔経済再生担当相が対象地域となった7都府県知事に、休業要請を2週間程度見送るよう打診したことが8日、関係者への取材で分かった。感染者の多い東京都の小池百合子知事は異論を唱えた。地方が休業要請による損失補償を求めるのに対し国は拒否。双方の足並みの乱れが表面化しており、終息に向けて宣言が期待通りの効果を上げられるかどうか問われそうだ。
 全国知事会は8日午前、緊急事態宣言を受けた対策本部会合を開き、休業やイベント自粛の要請に応じた企業などに対する損失補償を国に求める緊急提言をまとめた。
 関係者によると、特措法を担当する西村氏は会合後、テレビ会議で東京、大阪、千葉、神奈川、福岡など7都府県知事と会談。休業要請に関し「外出自粛を第1段階として、その効果を見極めてから」として2週間程度の見送りを求めた。安倍晋三首相が7日の宣言に伴い「2週間後には感染者の増加をピークアウト(これ以上は上昇しないという段階に)させ、減少に転じさせることができる」と話したのを受けた対応とみられる。
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省庁「不適切」でも不開示 情報公開 審査会に従わず

省庁「不適切」でも不開示 情報公開 審査会に従わず/1面

 情報公開請求を不開示とした各省庁の決定などが妥当かを調べる第三者機関「情報公開・個人情報保護審査会」に「不適切」と指摘されながら、従わなかったケースが2001年4月の情報公開法施行以降、約20件あることが総務省への取材で分かった。専門家は「知識を持つ委員が十分な議論をして答申を出している。従わない例が増えれば制度が形骸化する」と懸念している。

 情報公開法によると、不服審査請求があった場合、各省庁は審査会に諮問する。情報公開法施行と同時に設置された審査会は、学者や弁護士ら15人の委員で構成。不開示が妥当か判断するため、各省庁から黒塗りされていない文書の提示を受け、1チーム3人の合議で答申を出している。
 総務省の「施行状況調査」では、01~18年度に各省庁が審査会の答申通りに裁決したのは計1万2252件。一方で、外務省や文化庁など8省庁の22件は答申と異なった。うち約1割は答申の求めより公開度を高めて裁決していたが、残りは不開示のままにするなどしていた。
 情報公開法では、事務の適正な遂行に支障を来したり、外交上不利益をこうむる恐れがあると省庁が判断したりした情報は不開示にできる。22件の中には、日米合同委員会に関連した外務省の文書や、宗教法人が文化庁に提出した財務諸表などが含まれる。
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東京新聞:省庁「不適切」でも不開示 情報公開 審査会に従わず:社会(TOKYO Web)

 

本音のコラム 「アベノマスクという愚策」 前川喜平

本音のコラム  「アベノマスクという愚策」  前川喜平/23面

 安倍首相は全国5000万世帯に布マスク2枚を配布すると表明した。恐るべき愚策だ。「マスク需要に対応する上できわめて有効」と首相は胸を張るが、3日本紙夕刊は「アベノマスク」と揶揄(やゆ)されていると報じた米メディアを紹介していた。総額数百億円。あまりにもったいない税金の使い方だ。医療体制の整備とか休業補償とかもっとましな使い道はいくらでもある。
 3日の朝日新聞によると、この策は「経済官庁出身の官邸官僚」が「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えます」と発案したのだという。首相にこんな「英断」をさせられるのは、今井尚哉首相秘書官しかいない。2月27日の突然の「全国一斉休校要請」も彼の発案だった。
 今井氏や首相の最大の関心事は国民の健康ではなく政権の支持率だ。耳目を引く策を打ち出し、手なずけたマスメディアやSNSを駆使して「世論」を作り出せば、愚策も「英断」となり、支持率は上がる。森友・加計問題、詩織さん事件、統計不正、桜を見る会、検察人事など数々の腐敗もそうやって糊塗(こと)してきた。「どうせ国民は愚かだ。いくらでもだませる」と見くびっているのだ。
 しかし、アベノマスクはあまりにもひどい。こんな子供だましでだませるほど国民は愚かだと思っているのなら、今井さん、安倍さん、それは考え違いというものだ。 (まえかわ・きへい/現代教育行政研究会代表)