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大江健三郎さん「全小説」刊行へ

   f:id:a-tabikarasu:20170525184633j:plain 2017.5.25

大江健三郎さん「全小説」刊行へ  右翼抗議「政治少年死す」収録

 講談社は24日、今年でデビュー60周年となるノーベル賞作家、大江健三郎さん(82)の小説作品をほぼ網羅した「大江健三郎全小説」全15巻の刊行を、来年7月から始めると発表した。1961年の雑誌発表時に右翼団体から抗議を受け、これまで書籍化されていなかった中編小説「政治少年死す」を初めて収録する。(樋口薫)

 戦後日本の言論の自由を考える上でも重要な作品が、57年ぶりに「復活」する。
 「政治少年死す」は1960年の浅沼稲次郎・旧社会党委員長の刺殺事件を受け、拘留中に自殺した被疑者の少年をモデルにした小説「セヴンティーン」の続編。文芸誌「文学界」(文藝春秋)の61年2月号に掲載された。右翼に傾倒することで劣等感を全能感に転化させた17歳の「おれ」が、自己の内部で純化させた「天皇」からの啓示を受け、テロ行為に走る姿を描いた。しかし、性的な表現を含む少年の描き方を巡って右翼から強い抗議を受け、編集部が翌月号で謝罪した。
 これまで単行本化されずに「封印」されてきた。出版関係者によると、大江さんには「版元に迷惑を掛けたくない」との意向があったという。
 全集は2019年9月に完結予定。東京大在学中の22歳で発表した「奇妙な仕事」から、2013年刊行の最新長編「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」までを収める。

 

<ブログコメント> 学生のころ、「政治少年死す」を読んだ記憶があります。文学部の友人からコピーのコピーのコピーくらいのものがまわってきて、「本物かどうか分からないけど」といって渡されたコピーの束には文字がかすれて読めない部分もありました。これがあの「発禁」となった大江健三郎の小説かと強い関心をもって目をとおしたのをおぼえています。