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「行政ゆがめられた」

  f:id:a-tabikarasu:20170526201512j:plain 2017.5.26

「筆洗」

 高度経済成長を支えた官僚らの姿を活写した城山三郎さんの小説『官僚たちの夏』の主人公・風越(かざごし)信吾は、巧みに天下り先まで見つけて人心を握り、「ミスター通産省」とよばれた男だ。
 「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」と公言し、官邸の意向に歯向かい左遷されたこともある。
 国会運営に行き詰まり解散総選挙に出ようとした首相に、紙の供給を担当する課長として「総選挙をやられるとしても、そのため必要な紙の割当は、一切いたしません」と直言した。総選挙には膨大な紙が必要だが、一内閣の延命のために学用品などに回す紙を犠牲にしてはスジが通らぬと信念を貫いたからだ。
 文部科学省前次官の前川喜平氏も、今は禁じ手の天下り問題で処分されたくらい部下の面倒見がよく、「ミスター文科省」と評されたという。ただ小説の主人公とは違い、役人としてのスジを通せなかったと悔いておられる。
 安倍首相の友人が理事長を務める学校法人の獣医学部新設をめぐり、「総理のご意向」に沿う形で、「行政が歪(ゆが)められた」と衝撃の告白をしたのだ。
 自身の力不足のために「まっとうな行政に戻すことがができなかった」とも言っている。ぜひ、国会で真相を語っていただきたいが、自民党は国会への参考人招致を拒んでいるという。それが「まっとうな政治」なのか。 2017.5.26

<ブログコメント>「筆洗」は、東京新聞の一面にある時事コラム。有名な朝日新聞の「天声人語」と同じです。昨日(5月25日)、安倍首相の友人が理事長を務める加計学園獣医学部新設問題をめぐり、文科省事務次官の前川氏が記者会見をしました。前川氏は「総理のご意向」などと書かれた文書があったことを証言し「行政がゆがめられた」と発言しました。国会の証人喚問にも「応じる」意向を表明しましたが、政府はあいかわらず一切を無視する構えです。