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バリアフリーの心とは

  f:id:a-tabikarasu:20170605081019j:plain 2017.6.5 

私説/論説室から 「思いやりより人権意識を」

 障害者差別解消法の施行から一年あまり。障害者が暮らしやすい社会に近づいたか。
 この春、東京に住んでいるか活動している障害者約120人に東京新聞が尋ねたら、社会は良くなったと答えた人は22%にとどまり、70%は変わらないと答えた。大方の人は相変わらず生きづらいと感じているらしい。
 「ナマケモノ」呼ばわりされた知的障害者、飲食店に入れなかった盲導犬使用者、電車に乗るのに長時間待たされた車いす利用者、差別的扱いをされた人は35%に上った。
 障害者の生活を妨げるバリアーをできる限り取り除くよう健常者に求めた法律だが、なかなか効果が表れないのはなぜか。
 実はちまたで多用される「心のバリアフリー」というスローガンが、かねて気にかかっている。差別の解消には施設や設備のバリアーだけではなく、障害者と向き合う健常者の心のバリアーの除去が肝心といった意味だ。
 では、バリアフリーの心とは。もしかすると障害者への思いやりや優しさ、いたわりの気持ちと誤解されてはいないか。現にそういう論調で報じるメディアも目につく。
 もちろん、他者を思いやる心情はとても大切だ。でも、むしろ善意や厚意に頼らないと暮らせない社会は不平等だと、障害者は訴えているのだ。弱者の立場を強いる社会は不公平だと。道徳心ではなく、人権を尊ぶ精神。それがバリアフリーの心だろう。(大西隆


<ブログコメント> 「私説/論説室から」は5面社説のページにあるコラムです。