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再審請求中 異例の「死刑執行」

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再審請求中 死刑執行 91年の女性4人殺害/26面

 法務省は13日、 1991年に兵庫や京都など3府県でスナックの女性経営者計4人を殺害した西川正勝死刑囚(61)=大阪拘置所=と、2011年に岡山市で元同僚の女性を殺害した住田紘一死刑囚(34)=広島拘置所=の刑を同日に執行したと公表した。西川死刑囚は再審請求中だった。再審請求中の死刑執行は異例で、99年12月以来。

11年岡山の元同僚殺害も
 死刑執行は金田勝年法相が就任後初めて執行した昨年11月以来で、第二次安倍政権では計19人。
 未執行の確定死刑囚は静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌(はかまだいわお)さん(81)を除き124人となった。このうち再審請求中は7割超の91人。
 金田法相は「再審請求しているから、執行しないという考えは採っていない」と述べた。

 

法務省の説明不足、情報開示を」 死刑存廃議論に波紋/26面

 13日に死刑が執行された2人のうち1人は再審請求中だった。異例の執行に、金田勝年法相は「慎重な検討を経て執行命令を出した」と強調したが、再審請求中だったかすら明らかにしなかった。死刑制度の存廃論議を深めるには、執行に関する法務省の情報開示が不可欠との声が上がる。
 「請求を繰り返して最終的に認められたケースもある。今回の執行は無実の人でも死刑を執行してよいというのと同じで、恐ろしい展開だ」
 NPO法人「監獄人権センター」代表の海渡雄一弁護士は、東京都内で開かれた記者会見で、再審請求中だった西川正勝死刑囚の刑執行に危機感を口にした。弁護士や人権家らでつくる「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」の深田卓さん(68)も「今後、再審請求中でも死刑を執行されかねない」と訴えた。
 西川死刑囚は、2011年にフォーラム90のアンケートで「いいかげんな鑑定をし、私を死刑囚とした裁判官を絶対許すわけにはいかない」などと回答していたという。
 金田法相は同日午後の会見で、西川死刑囚が再審請求中だったことを指摘する記者の質問などに、「個々の死刑執行の判断に関わる部分についてはお答えを差し控える」と繰り返した。
 一方で、「一般論として、再審請求中に死刑を執行しないとすると、請求を繰り返す限り、永久に執行できない」と、用意していた文書を淡々と読み上げた。
 法務省は、なぜ西川死刑囚を選んだのかも明らかにしていない。白鴎大法学部の村岡啓一教授(刑事法)は「死刑制度の存廃に議論がある中で、法務省の情報開示は極めて不十分。少なくともなぜ再審請求に理由がないと考えたのか説明が必要だ」と指摘する。 (岡本太、山田祐一郎)