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公文書を操作する政府

  f:id:a-tabikarasu:20170716111527j:plain 2017.7.16/1面

新聞を読んで「公文書を操作する政府」森健/5面

 今月2日の都知事選。自民党が大敗すると、翌3日の3面は「『安倍一強に激震』『加計』『共謀罪』など影響」など見出しを立てた。
 加計や森友、共謀罪も問題だが、安倍政権の本質的な問題はそれら疑惑への対応の仕方にあると言うべきだろう。疑惑への説明を避け、公文書をないがしろにし、虚偽を押し通し続けている姿勢だ。
 東京新聞は公文書問題を繰り返し報道してきた。先月23日、内閣府萩生田光一官房副長官文科省文書を否定し続けることから、2面で「記録文書を軽視する姿勢が目立つ」と指摘。1週間前、加計文書は「存在する」と発表されたが、その調査はわずか1日だった(17日)。
 その発表直前には信じがたいことも起きた。義家弘介文部科学副大臣国家公務員法違反と処分の可能性に言及したのだ。16日の特報部はこの発言を問題視。浅岡美恵弁護士の「明確な犯罪行為でなくとも『公益』に関わる通報」なら保護するように公益通報者保護法を改正せよという提言を紹介した。
 政府の姿勢を、吉見俊哉東京大教授も「社会時評」で批判。「会談の記録を文書に残すのは行政の基本」「保管され、適切なタイミングで公開される」ために「行政の公正性を担保するのだ」とその必要性を論じた(22日夕刊)。
 実際、公文書問題は他でも起きている。2月、南スーダン国連平和維持活動に参加する自衛隊の部隊が作成した文書が防衛省で公開されたが、それも昨秋時点では「破棄」したと公表されていた。26日の特報面はそうしたずさんな管理の根拠が2011年4月1日付の内閣総理大臣決定にあると報じた。「1年未満」文書は廃棄にあたって個別の審査手続きなしで廃棄していいという内容。軽微な文書を想定していたが、「重要文書」まで廃棄されている疑いがある。
 東京新間では読者も問題の重要性を理解している。今月3日の発言欄では、45歳の公務員が公務に就く身としてその重要性を指摘し、53歳の研究者は説明責任を放棄した現政権の背景に、現行の情報開示制度の欠陥があると批判。公文書管理法と情報公開法の改正が必要だと迫った(5面)。
 そんな読者の懸念を裏付けたのが6日の1面。全省庁を対象にした国立公文書館の研修受講率がわずか2%強しかないことを報じた。低い受講率について内閣府公文書管理課は「講師、受講者ともに通常業務があり、研修の日程に制約がある」「職員の受講は法律で義務化されていないことも影響」と答えたという。
 公文書も管理できず、その存在認定や公開に関し恣意(しい)的な操作がまかり通るなら、法治国家とは言えない。どの記事にも記者の焦りと憤りが滲(にじ)んでいる。(ジャーナリスト) 
 ※この批評は最終版を基にしています。

 

<ブログコメント>「新聞を読んで」は、日曜日に掲載される識者の紙面批評です。最終版が基になっているので、紹介される記事の日付が異なる場合があります。例えば上で紹介される22日夕刊記事の「社会時評」は、夕刊のない早版では翌23日の5面に掲載されていました。