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またも「記録がない」 加計学園 閉会中審査

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視点/またも「記録がない」 加計学園 閉会中審査/4面

 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設を巡る衆参両院の閉会中審査が10日に開かれた。そこで見えたのは、政府側に都合のいいように公文書が破棄されている実態だ。公文書は国民の財産であり、適切な保存、公開は、国民が行政をチェツクする上で不可欠だ。
 審査で一番疑間に思ったのは、学園が進出する愛媛県今治市職員による2015年4月2日の首相官邸訪間に関するやりとり。
 今治市職員の首相官邸訪問は、市民の請求に応じて、市が昨年12月に情報公開した行政文書に記載されていた。「獣医師養成系大学の設置に関する協議場所首相官邸」と書かれているが、面会相手は黒塗りで非公開だ。
 訪問日は今治市が国家戦略特区の提案をする2ヵ月前。 そんな段階で、なぜ市職員が首相官邸を訪れ、誰と会った のか。森裕子参院議員(自由)が追及したが、政府側は「記録がなく確認できない。訪問者の記録は遅滞なく破棄する取り扱いになっている」と答弁。
 森氏が「参院議員会館でも訪問者の記録は3年間保存している。なぜすぐ破棄するのか。一体誰と会ったのか」と迫っても、菅義偉(よしひで)官房長官からは「それは今治市に聞かれたらいかがでしょうか」と人ごとのような回答しかなかった。
 記者も菅氏の会見で似たような言葉を何度も間かされてきた。「文科省に間かれたら良いのではないですか」「内閣府で決めることですから」。加計学園問題の核心は官邸の関与の有無なのに、説明責任から逃れようとしているかのようだ。
 10日の審査では、大阪府豊中市の国有地が森友学園に格安で払い下げられた問題を巡っても、文書の破棄が問題になった。
 財務省と学園の土地売買の交渉記録について佐川宣寿(のぶひさ)前理財局長は今年2月、「交渉記録の保存期間は1年未満なので、売買契約成立を受けて廃棄した」と国会答弁した。
 福島伸享衆院議員(民進)は、公文書管理法施行令では保存期間の起算点は文書を作成した日の翌年度の4月1日と指摘。つまり、森友学園との交渉記録が破棄できるのは今年4月1日以降だと主張。政府側は「それは原則」として、例外措置があると言い張った。森友案件がなぜ例外なのかは説明もないまま。
 森友学園問題で「記録がない」と具体的な説明を避け続けた佐川前局長は今月5日、国税庁長官に栄転した。国税庁の徴収官や税理士のもとには「長官が半年で記録を破棄していいのに、なせ、市民は1年間領収書を持っておかなきゃいけないんだ」という苦情が寄せられているという。
 24、25日に安倍晋三首相が出席する集中審議が開かれる。「記録がない」「記憶にない」は繰り返さないでほしい。(望月衣塑子)