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貧困、虐待被害の少女ら支援 NPO法人シェルター開設

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夜の街には返さない 「自立まで」シェルター開設/1面

 貧困や虐待、性被害などに直面した10~20代の女性を中長期的に受け入れ、自立できるまで後押しする全国でも珍しい民間のシェルターが東京都練馬区に開設された。困難を抱えた少女らを支援してきたNPO法人「BOND(ボンド)プロジェクト」(東京)が運営。空き家を活用してスタッフが共に暮らし、 一時的な保護にとどまらず、少女らを支える。(神田要一)

 シェルターは3階建ての住宅で「ボンドのイエ」と名付けられ27日にオープン。3階には個室が2つ。常に2人が最長1年程度、生活できる。 1階の部屋は短期間の入所者向けだ。
 面談で保護が必要と判断されれば全国から少女らを受け入れ、スタツフが泊まり込みで食事を作る。入居時に「3ヵ月間」「20歳になるまで」などと期間を相談し、少女らは月3万円の生活費を負担する。臨床心理士のカウンセリングも予定している。
 BONDは渋谷の繁華街で少女らに声を掛け、相談に乗ってきた。 一夜を明かす場所を求めて援助交際に走る少女らを前に「今日家に帰れない子が、ほっとできる場所をつくりたい」と、2010年に女性専用のインターネットカフェを渋谷に開設した。
 資金の都合でネットカフェを開じた後も、事務所に借りたマンションの一角にマットを敷き、少女らを泊めた。「初めは一時保護が目的だった。でも、夜中に電話で相談を受けながら、この子たちを帰せる安全な場所がないことに気づいた」。代表の橘ジュンさん(46)が打ち明ける。
 BONDには、虐待や暴力を受けた少女らのSOSが毎月1000件超も寄せられる。橘さんは児童相談所などに行くたび、淡々とした職員の対応に違和感があった。公的施設で年齢差のある女性との共同生活を嫌がる少女や、「親を悪者にしたくない」と事実を明かせず、家に戻される少女も珍しくない。
 対応に時間がかかると、「少女らは『結局、大人は役に立たない』と思い、夜の街に戻ってしまう」と橘さん。中長期の支援が必要と感じていたところ、社会福社法人「ベテスダ奉仕女(ほうしじょ)母の家」(練馬区)から、空き家を無償で借りられることになった。
 今月に入ってインターネットで支援を呼びかけると、2週間で全国から生活用品が寄せられた。橘さんは「周囲の支えが必要なのに公的な支援につながらない子を、時間がかかっても自立できるまで応援したい。あの子たちの実情に制度が合っていくように、声も上げていく」と話している。