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日本の岐路 7月 「すべては2日、始まった」

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コラム日本の岐路/7月「すべては2日、始まった」政治部長金井辰樹/2面

 7月2日を境に、日本の政治は景色が一変した。東京都議選で、小池百合子都知事が率いる「都民ファーストの会」が圧勝、自民党は歴史的大敗を喫した。当欄でも以前書いたように、都議選は国政の影響を受け、その結果は国政を直撃する。それは分かっていたが、都議選の結果がここまで衝撃的で、その後の国政をこれほど変えることになるとは想像できなかった。
 今月は、報道各社が行った世論調査の結果が話題になることが多かった。どの調査からも、内閣と自民党の支持が暴落。安倍晋三首相への信頼が下がっているという傾向がはっきり出た。そして、多くの調査では、都議選の結果を「良かった」という回答が多数を占めた。都民が出した結果を、全国民が好意的に評価し、追随している。そういえば、2日以降、「安倍一強」という言葉は聞こえなくなった。

 都議選の結果が、どれだけ国政に影響したか、振り返ってみる。10日、国会の閉会中審査で前川喜平前文部科学事務次官参考人として出席。学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設について「はじめから加計に決まるようなプロセス」があったと語った。前川氏招致は、長い問野党が求め、前川氏も応じると言っていたが、与党が難色を示してきた。もし、都議選で自民党が勝っていたら前川氏の国会出席は、なかっただろう。説明責任を果たすことに消極的な自民党に、都民が示した怒りの一票が、国会を動かしたことになる。
 24、25の両日、安倍首相が出席して衆参の予算委員会が開かれた。首相は2日間「私の不徳の致すところ」などと低姿勢の答弁を続け、野党を挑発するようないつもの口調は消えていた。都議選敗北の「反省」による変化だ。
 23日の仙台市長選では、自民党の地方組織が推す候補が野党系に敗れた。これも都議選の延長線として考えていい。
 28日、稲田朋美防衛相が辞任した。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽問題で特別防衛監察が公表されたのを機に引責辞任した形だ。ただし稲田氏は都議選の応援演説で「防衛省自衛隊防衛大臣自民党としてもお願いしたい」と問題発言をし、敗北の一因となったと批判された。もし都議選で惨敗しなければ、8月3日の内閣改造を待たず辞任に追い込まれることは、なかったかもしれない。

 一方、民進党も都議選で敗北し、その影響に悩まされている。安倍内閣の支持率が急落しているのに、お付き合いして低迷を続ける。27日、蓮肪代表が辞任を表明した。前身の民主党は、2012年末の衆院選で負け、政権から転落することが決まった時の代表は野田佳彦氏だった。その後、海江田万里氏、岡田克也氏、蓮肪氏と代わった。毎年のように代表が交代しながら党勢回復には失敗している。
 トップの安倍首相が信頼を失い迷走する自民党。その「受け皿」と認められない民進党自民党内閣改造と党役員人事で、民進党は代表選で、新しく生まれ変わった姿を競い合うことになる。