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GPIF 年金運用 軍事上位10社の株保有

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GPIF 年金運用 軍事上位10社の株保有/1面

 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、軍事部門の売上高が世界で10位以内に入るすべての企業の株式を保有していることが、本紙の調べで分かった。国民が支払う国民年金や厚生年金の保険料の一部が、武器の製造で収益を上げる世界の主要な軍事関連企業を支えていることになる。(中根政人)

 軍事部門の売上高は、スウェーデンストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が上位100社分(中国を除く)を公表している。GPIFが今年2月末現在で保有する国内外の株式を見ると、SIPRIの調査(2015年時点)で上位10社に入った欧米企業の株式をすべて保有していた。上位100社中34社の株式を保有し、国内では三菱重工業三菱電機川崎重工業の3社が含まれる。
 保有する株式の時価総額(非軍事部門を含む)の合計は10社で約4651億円、34社では約1兆3374億円に上る。
 上位10社のうち米国企業は七社。1位のロッキード・マーチンミサイル防衛システムやステルス戦闘機F35を製造。2位のボーイングは垂直離着陸輸送機オスプレイの開発を担った。4位のレイセオンは、米軍がシリア攻撃に使用した巡航ミサイル・トマホークの製造元。
 諸外国では、スウェーデンノルウェーの年金基金は、非人道兵器の製造や環境破壊、人権侵害で問題が指摘される企業への投資を排除できるルールがある。
 これに対しGPIFは、委託を受けた運用会社が、代表的な株式指数を基に、各国の企業の株を機械的に購入する仕組み。GPIF法など関連3法が、購入先を恣意的に選ぶことを禁じているためだ。
 GPIFの担当者は「年金財政上、必要な利益の確保に専念するよう法令で定められている」と説明。厚生労働省の担当者は「特定業種への投資を禁止するには法改正が必要だが、法改正すべきだとの議論は起きていない」と指摘する。
 金融機関などの投資活動を調査するNPO法人「環境・持続社会」研究センター理事の田辺有輝さんは「株式保有が判明した軍事関連企業には、核兵器など非人道兵器の製造に関係する企業も含まれる。こうした企業の株式保有を排除できる法的なルールづくりが必要だ」と訴える。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)
 国民年金や厚生年金の保険料収入の余剰分の積み立てを、国内外の株式や債券に投資して管理運用する厚生労働省所管の組織。2006年設立。運用資産額は140兆円超で、世界最大規模の機関投資家でもある。