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女性へ本音の助言 西原理恵子さんに聞く

 f:id:a-tabikarasu:20170928152228j:plain 6面/2017.9.28

女性へ本音の助言、エッセー大反響 西原理恵子さんに聞く/6面

 漫画家の西原(さいばら)理恵子さん(52)のエッセー『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(KADOKAWA)が、今年6月の刊行以来、発行16万部と支持を広げている。女性が生き抜く上で大切な助言がきれいごと抜きにつづられ、首肯せずにいられない。西原さんに、本に込めた思いを聞いた。(岩岡千景)

貧困に備え危機回避を 過酷な半生から体得
 〈若さや美貌は、あっという間に資産価値がゼロになってしまう。仕事のスキルや人としての優しさ、正しい経済観念。ゼロになる前にやっておかなければならないことはたくさんあります〉〈つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しません〉―。のっけから並ぶ本音の助言に引き込まれる。
 「娘のために、きちんと書いておいた方がいいだろうと思って」。西原さんは、東京都内の事務所で語った。西原さんには、カメラマンの故鴨志田穣(ゆたか)さんとの間に1男1女がいる。今年17歳の娘さんは反抗期でお互い口もきかない状態だが、その娘さんヘのメッセージを、19歳での上京や父親の自殺、若いころのエロ本のカット描き経験や結婚、離婚…と、自身の半生をふり返りつつしたためた。
 「女の子だからこそ、知っておかなきゃいけないことがある。子どもは産んでも産まなくてもいいけど、産んだら無職になるから貧困になる可能性が高い。子どもがいる=働けない=貧困なんですよ。赤ちゃんがいる女性は簡単に貧困層に落ちていく。そしたらめったなことでは、はい上がれない。そのために必ず何か資格とかキャリア(仕事経験)とか備えておいて。これならできるってことを探してね、と」
 元夫のアルコール依存症やDVを受けた経験など、つらい過去もさらけだした。「DVのほとんどは結婚や出産をしたとたんに始まります。赤ちゃんを抱えて逃げられない、動けない。壮絶な寝不足で判断力は鈍る。そこを相手は狙ってくる。でも逃げ遅れたら大変なことになりますから、初動を間違えないために先に知識を、と。一回離れて人としての体裁を整える。暴力は病気と一緒なので専門家しか介入しちゃいけない。無駄な文化や伝統は全部捨ててサイエンス(科学)でものを見る。『危機回避』っていうことを教えておきたかったんですね」
 〈いい子にならなくていいんですよ。いい子は、幸せを人に譲っちゃうから〉。親は「優しくていい子に」と教えがちだが、既存の価値観を覆し「幸せ」について書いた終盤は胸に迫る。「女の子だけでなく、日本人はまじめすぎ。人に迷惑をかけちゃいけない、人より多く働いて人より少なく寝て…。『もうやめない? そういうの』って思う。簡単に変わると思うんですよ」
 困難に直面しても再び立ち上がることを繰り返し説くのは、50歳を超えた今「生きてきて、今がいちばん幸せ」と言える場所にたどりついたから。「みんな『おばさんになったらおしまい』って言うけど『おばさん、楽しいよ』ってことも伝えたい。なくしたのはウェストだけ。若い時、いろんなことですごい気に病んでたけど、だいたいどんな失敗でも50になったら笑えるから。何かが吹っ切れる。だから楽しくなるよって」
 <略>