今日の東京新聞

購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

「被爆者への裏切り」 国連核兵器廃絶決議

 f:id:a-tabikarasu:20171029080410j:plain 31面/2017.10.29

被爆者への裏切り」核禁止条約に触れぬ決議/31面

トロント=共同】カナダ・トロント在住の被爆者、サーロー節子さん(85)は27日、地元で記者会見し、国連の委員会で採択された日本政府主導の核兵器廃絶決議が核兵器禁止条約に言及していないことを「被爆者への裏切りだ。失望を超え、腹立たしい」と強く批判した。

「日本は矛盾」サーローさんが批判
 サーローさんはノルウェーオスロで12月10日に開かれるノーベル平和賞授賞式で被爆者として初めて演説する。賞が決まった非政府組織(NGO核兵器廃絶国際キャンペーンICAN)の「顔」として核禁止条約制定交渉でも被爆体験を英語で語り、重要な役割を果たした。
 核廃絶決議に盛られた核兵器使用の非人道性を巡る表現が大幅に後退したことを「(核保有国の)米国に完全に従属している」と言い切り「日本政府は核兵器の廃絶を目指すと言っておきながら、主張と行動が大きく矛盾している」と非難した。
 核禁止条約に背を向け続ける日本の核軍縮政策に関し「各国が懐疑的になり、信頼を低下させていると感じている」と懸念を示し、被爆国の日本こそが条約に批准し反核運動の先頭に立つべきだと訴えた。
 授賞式での演説は「とても誇りに思うと同時に恐れ多い」と話し「私のメッセージはシンプルで、はっきりしている。(核兵器の被害を)二度と繰り返さないことだ」と強調した。
 サーローさんは13歳の時に広島で被爆。米国留学を経て1955年、カナダ人男性と結婚してトロントヘ移住。原爆の惨禍を英語で訴え続けている。

核廃絶、日先だけ」被爆地広島・長崎落胆の声
 核兵器禁止条約に触れていない日本政府主導の核廃絶決議案が国連総会の委員会で採択されたことを受け、被爆地・広島、長崎から28日、「残念」「核廃絶は口先だけなのか」と落胆の声が漏れた。
 15歳の時に爆心地から約2.7キロの工場で被爆した広島県呉市の中西巌さん(87)は「条約だけでなくノーベル平和賞に決まった核兵器廃絶国際キャンペーンICAN)にも一切触れていないのが実に残念」と政府の姿勢を批判。「世界的な核廃絶の流れの中で、日本の立場は弱くなるのではないか」と危ぶんだ。
 広島市中区平和記念公園を訪れていた同市西区のパート従業員松田清美さん(60)は「日本が及び腰ではいけない。市民レベルからも声を上げなくては」と話した。
 6月に国連核兵器禁止条約の交渉会合を傍聴した長崎市被爆者で元教師の川副忠子さん(73)は「核を一部容認するかのような提案で、禁止条約の理念とかけ離れている。核廃絶のために頑張っているというのは口先だけなのか」と憤る。
 長崎県被爆者手帳友愛会の中島正徳会長(87)も「クリーンな核兵器なんてない。そんなことも分からない日本の政治家は信用ならない」と切り捨てた。