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日銀「出口のリスク」高める 「ハロウィーン緩和」3年検証

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日銀「出口のリスク」高める 「ハロウィーン緩和」3年検証/3面

 日銀は31日、金融政策決定会合で金融緩和策の維持を決めた。この日は、国債の買い入れ量を大幅に増やす「ハロウィーン緩和」を決めてから3年の節目。当時はバズーカ第2弾ともてはやされたが、今や緩和を終える「出口」に多くの不安を抱えるきっかけになったと多くの識者が指摘する。アベノミクスの柱となる金融緩和の「分かれ道」となった決定を検証する。(渥美龍太)

国債暴落 税金投入の恐れも
変わらぬ強気
「(国債買い入れ増などの)非伝統的な金融政策だから、出口が必然的に難しくなるわけではない」。黒田東彦総裁は31日の決定会合後の記者会見で、ハロウィーン緩和の出ロヘの悪影響について否定的な見方を示した。
 日銀の金融緩和は民間銀行から国債を大量に買い入れ、代わりにお金を渡して世の中のカネ回りを良くする政策だ。2013年の開始時に国債を年50兆円買い増す目標を、ハロウィーン緩和で年80兆円とした。政策委員会のメンバー9人のうち4人が反対した。
 3年後、日銀が保有する国債の比率は発行残高の4割を超えた。国債は政府の借金証書。日銀が爆買いしてくれることで、先進国で最悪の財政でも政府が財政再建目標を先送りできるほど、感覚をマヒさせた。
 当時反対をした日銀元審議委員の木内登英氏は「出口のリスクが大きく積み上がる分岐点だった」と振り返った。この日の現状維持の決定は大勢の委員が賛成し、ただ1人反対した片岡剛士氏は緩和強化を求めた。政策委で木内氏のような慎重論は消えている。

国民に説明を
 では、出口のリスクとは何か。割高に国債を買いすぎた影響で日銀に損失が発生する見通しで、損失の穴埋めに税金が投入される可能性がある。また、規律が緩んだ国の財政を「もたない」と市場が判断すれば、国債価格の暴落などの混乱が避けられない。
 市場の国債は徐々に枯渇し、国債金利を基準とする世の中の金利が乱高下する懸念もある。本内氏は「日本発で金融危機が起きるリスクを生んだ」と話す。
 日銀はこの日、物価上昇率の見通しについて、 17年度を従来の前年比1.1%から0.8%に引き下げた。最近の物価上昇の勢いが鈍いことを反映させた。目標とする物価上昇率は2%。これまで達成時期を6度も延長し、今の想定は19年度ごろだ。目標達成まで金融緩和を続ける方針で、国債買い入れが長引くほどリスクが高まる。
 黒田総裁はハロウィーン緩和時の会見で、「出口戦略を議論するのは時期尚早」と説明したが、3年後も「出口にさしかかったら議論する」と同じだった。リスクを語らぬ姿勢は変わっていない。
 日銀元理事の早川英男氏は「厳しい出口の現実を国民に説明し、政府には財政の再建を言及すべきだ」と提言している。