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本音のコラム / 武器商人外交

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本音のコラム/武器商人外交 佐藤優/25面

 トランプ米大統領の訪日で日米両国首脳の信頼関係が一層強化され、日米同盟が進化したとの印象を醸し出そうと、首相官邸と外務省は腐心している。だが、トランプ氏は日本側のシナリオに乗るふりをして、米国の経済利権を確保している。
 〈米国製の武器購入を巡り、トランプ氏は「(安倍)首相は米国からさまざまな防衛装備を購入することになる。そうすれば(北朝鮮の)ミサイルを撃ち落とすことができる。日本は大量に買うべきだ。(日本が買えば)多くの雇用が私たちのために生まれるし、日本がもっと安全になる」と首相に求めた。/首相は「日本は防衛装備品の多くを米国から購入している。北朝鮮情勢が厳しくなる中、日本の防衛力を質的に、量的に拡充しないといけない」と明言。既に購入予定のステルス戦闘機や弾道ミサイルを迎撃するミサイルに加え、イージス艦も「米国からさらに購入するだろう」と応じた〉(7日、本紙電子版)
 武器商人のやりとりのようだ。しかし、米国の迎撃ミサイルで北朝鮮弾道ミサイルをすべて落とすことは不可能だ。兵器に定価はないので、キックバックなどの裏金が動きやすい。技術が陳腐化すれば、新たな兵器を米国の言い値で購入しなくてはならなくなる。米国製武器の購入は新たな聖域となり、財政再建が一層遅れる。(さとうまさる/作家・元外務省主任分析官)