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米基地の環境調査中止 環境省、公表せず

 f:id:a-tabikarasu:20171117115845j:plain 1面/2017.11.17

米基地の環境調査中止 環境省、公表せず理由も不明/1面

14年度以降沖縄県、再開要求
 全国の在日米軍基地内で環境省が1978年度から毎年行っていた環境汚染調査が、2014年度以降中止されていることが分かった。環境省は中止を公表せず、本紙の取材に米側からの要請の有無も明らかにしていない。同省は「基地の外で周辺を調べた方が広範な影響を把握できると判断した」と説明するが、専門家や自治体は疑間視している。(辻渕智之、原昌志)=進むブラックボックス化 2面

 沖縄の環境調査団体「IPP」の河村雅美代表が沖縄県に情報公開請求し、6月に開示された関連資料から判明した。
 調査は水質と大気・ばい煙を対象に、各基地・施設で毎年か数年に一度、汚水処理施設や排水口から採水し、ボイラーや焼却炉の排出ガスなどを採っていた。 一部の基地を除き年1、2回定期的に立ち入りができる唯一の機会だった。
 11、 12年度には沖縄の施設内の排水から基準値超の大腸菌群数を計測し、米軍側が原因を調べ、下水処理の塩素投入装置の不具合が改善された。しかし環境省は14年度から、基地外で川の水や大気を採取する調査に変更した。
 基地の環境を巡っては、15年に日米地位協定の「環境補足協定」が締結され、環境に影響を及ぼす事故などが起きた場合、日本政府や自治体は立ち入りや水、土壌、大気の採取を申請できる。
 ただ、この協定には米側の受け入れ義務は明記されておらず、米軍専用施設の約70%を抱える沖縄県は「(環境省の調査中止で)基地内の状況を定期的に把握できなくなった。基地の中だけで有害物質がたまる場合も想定される」として、環境省に調査再開を求めている。
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「日本は米に及び腰」基地のブラックボックス化 進む/2面

調査中止市民団体が批判
 環境省による米軍基地内の水質、大気・ばい煙の定期調査が2014年度から中止され、その事実が公表されないままとなっていた。米側からの要請の有無は在日米軍環境省も口をつぐみ、基地の「ブラックボックス」化が進むことが危ぶまれる。基地のある一部の自治体は米軍側の許可を得て独自に水質調査などを行っているが、日米地位協定に詳しい専門家は「結局、米側が恣意的に決めている」と指摘する。(辻渕智之、原昌志)=1面参照

■地元の期待
 沖縄では13年、嘉手納基地跡地から猛毒のダイオキシン類を含むドラム缶が見つかった。周辺の川では消火剤などに使われる残留性有機汚染物質の有機フッ素化合物(PFOS)が検出。こうした経緯からも沖縄県環境省による基地内の調査再開に加え、国内に基準値のないPFOSの調査項目追加を求めている。
 環境省は予算執行を自主点検する「行政事業レビューシート」で、毎年のように「本件環境調査に関し、国に対する地元自治体からの期待は高い」と自己評価してきた。にもかかわらず、調査地点を基地外に移した後、変更やその理由を説明する記載は見当たらない。全国での調査実績は13年度の14施設32地点から、14年度は9施設18地点に減少した。
 今回、関連資料を情報公開請求した沖縄の環境調査団体の河村雅美さんは「調査を強化すべき現状に逆行し、公表しないのもおかしい。情報開示に後ろ向きな米側に対し、政府も県も及び腰すぎる」と批判。横田基地(東京)の周辺6市町でつくる連絡協議会の担当者は「調査が再開され、情報提供してもらえるならありがたい」と話す。
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