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「選挙と点字ブロック」

 f:id:a-tabikarasu:20171120133308j:plain 25面/2017.11.20

本音のコラム「点字ブロック」 宮子あずさ/25面

 今年は市長選挙衆議院選挙と、選挙運動によく参加した1年だった。街宣活動の時に特に注意したのは、点字ブロックを踏まないこと。ビラをまく時、演説を聴く時、決してこれを踏んではならない。みなで声掛け合い、注意し合った。
 選挙から日がたち、私は点字ブロックのことを思うと、とても嫌な気持ちになる。もちろん、点字ブロックは踏まない方が良い。だが、問題は私が注意を払った理由。恐れたのは、踏む写真がSNSを通じて拡散されることだった。
 この動機はあまりに自分本位。障がいのある人に対して、やましく、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
 確かに、選挙期間中、「〇〇の運動員が点字ブロックを踏んでいる」的な写真付きのツイートが、無数に飛び交ったのは事実。注意せざるを得なかった事情はある。けれども、突き詰めて考えれば、点字ブロックを踏んだ踏んだと写真を撮って拡散する人は、視覚障がい者に関心を寄せる人なのだろうか?
 恐らくほとんどの場合、答えはノーだろう。それは極めて政治的な揚げ足取りに過ぎない。自分の主張を通すために点字ブロックを利用するのはひきょうとも言える。
 納得できない批判に萎縮(いしゅく)するのは悔しい。それらと一線を画した上で、アリバイ的ではない、自然な配慮を積み重ねていきたい。 (みやこ・あずさ/看護師)