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森友国有地 ずさん査定 ごみ過大に推計

 f:id:a-tabikarasu:20171123170818j:plain 1面/2017.11.23

森友国有地 ずさん査定 検査院報告 ごみ過大に推計/1面

 大阪府豊中市の国有地がごみ撤去費用として8億円を差し引いて学校法人「森友学園」に売却された問題で、会計検査院は22日、ごみ処分量の推計根拠が定かでなく、実際の処分量は推計の3~7割だった可能性があるなど、土地の売却額がずさんに算定され「慎重な調査検討を欠いた」とする検査結果報告を参議院に提出し、公表した。

「適正」政府主張揺らぐ
 この問題では安倍晋三首相の妻の昭恵(あきえ)氏が、国有地に建つ予定だった小学校の名誉校長に一時就任。行政側が付度(そんたく)して不可解な値引きにつながったとの疑惑が浮上した。検査院は権限上、この点について踏み込んでおらず、首相に説明を求める声が一層強まりそうだ。
 検査結果を受け、自民党岸田文雄政調会長は記者会見で「国民に疑念があるなら政府はしっかり答えないといけない」と述べた。財務省の担当局長として国会で「資料は破棄した」といった答弁を繰り返した佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官はコメントしなかった。
 土地売却には財務省近畿財務局と国土交通省大阪航空局が関与。22日の報告書では、値引き理由となるごみの処分量の推計方法は、ごみが埋まっている深さ、サンプルとした土壌にごみが含まれる比率などについて根拠が確認できなかった。
 検査院は過去に行われていた調査の結果を基にごみの量を複数の方法で推計したが、いずれも大阪航空局が算定した1万9520トンを下回った。
 また、最終的な値引き額である8億円はごみの推計量に1トン当たり2万2500円の単価をかけて算出していたが、そもそもこの単価をどうやって決めたのかを示す資料が残されていなかった。
 検査院は検査の過程で撤去費用を2億~4億円程度と見積もり、値引き額が最大約6億円過大と試算していたが、検査結果報告には妥当な値引き額を盛り込まなかった。
 また、森友側と国側の具体的なやりとりを記録した資料などがなかったことに触れ、文書管理についても改善を求めた。
 <略>


解説/真相解明 首相に説明責任
 森友学園への国有地売却額の算定をずさんとした会計検査院の検査結果報告で、「適正だ」と言い続けてきた政府の主張は大きく揺らいだ。第三者を入れた調査委員会設置を求めた野党議員らを、安倍晋三首相自ら「検査院が調査する」と突っぱねてきただけに、首相には真相解明と説明責任があらためて求められる。
 この問題を巡っては、安倍首相の妻の昭恵氏が一時期、学園の小学校の名誉校長に就いていたことや、首相夫人付きの職員が照会した内容を学園側に伝えていたことなどが判明。不可解な値引きが実現した過程に、行政側の忖度があったのではとの疑いが浮上し、加計(かけ)学園問題とともに国民の関心を集めた。
 しかし、首相はこれまで、昭恵氏は関与していないと強調し、与党も国会での昭恵氏の証人喚間を拒み続けた。財務省佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)は「適正な価格で売った」と繰り返す一方で、「交渉記録は廃棄した」と根拠を示さなかった。
 検査院の報告でも、算定の根拠などを示す資料は残されていなかったとされる。「誰」の「どんな」意図が働いたのか、付度はあったのか―。検査院はこの点には踏み込んでおらず、国民の最も知りたい疑間は依然、解消されていない。
 「適正な価格」という政府側の強弁が崩れた今、疑惑はいっそう深まった。市民団体からは佐川氏らに対する告発状が検察に出ており、今後は捜査の行方も注目されるが、まず必要なのは、安倍首相はじめ関係者が自らの口で、国民に真実を語ることだろう。(望月衣塑子)