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大相撲 騒動の背景に八百長問題?

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週刊誌を読む/騒動の背景に八百長問題? 日馬富士 暴行し引退

 元横綱・日馬(はるま)富士の暴行事件をめぐるテレビの報道には首を傾げざるをえなかった。連日のように貴乃花親方など関係者を追い回すだけで、まさに「集団的過熱取材」。そうした映像が連日、大量に流れるだけでちっとも本質に迫れていない。
 白鵬日馬富士横綱陣と貴ノ岩の対立は偶発的なものだったのか、そうでないのか。貴乃花親方はなぜあれほど相撲協会への敵意をむきだしにしているのか、彼のキャラクターといったことだけでない背景があるのかどうか。騒動を見ながらそんなことを思った人も多かったはずだ。
 幾つかの週刊誌がそういう背景に迫ろうと試みている。特に『週刊新潮』12月7日号の説明は明快だ。ただ裏の取れない話だけに、本欄でもそれを踏まえて紹介しないといけない。一言で言えば同誌は、この騒動の背景に八百長問題があると見ているのだ。
 モンゴル人力士が部屋を超えて結束し親睦を深めているのは知られているが、同誌はそのモンゴル人力士同士の幾つかの取組を具体的に検証している。例えば2012年5月場所。横綱を目指していた大関日馬富士が14日目を終えて7勝7敗。最後に白鵬に勝って勝ち越すのだが、絶好調だった白鵬の負け方が不自然だとして、ベテラン相撲ジャーナリストの分析を紹介している。他にも幾つかの取組について、同誌はそういう分析を行っていく。
 そして暴行事件との関わりについて言えば、モンゴル人力士同士の関係に疑問を呈してきたのが、相撲界の八百長体質を批判してガチンコを実践してきた貴乃花親方であり、弟子の貴ノ岩だったという。貴ノ岩がそういう意見であることはモンゴル人力士の間では知られていたという。
 『週刊新潮』の主張は、今回の暴行事件はそういう背景を押さえないと真相が見えてこない、というものだ。ただもちろんその見方を相撲協会にぶつけて全否定されている。
 確かに『週刊新潮』のような見方をすればいろいろなことについて合点が行く気もする。ただ、もしそれが本当なら、真相が明らかになるのは困難かもしれない。事件の解明はどこまで進むのだろうか。(月刊『創』編集長・篠田博之