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核兵器は絶対悪 被爆者サーローさん訴え

 f:id:a-tabikarasu:20171212084235j:plain 1面/2017.12.12

核兵器は絶対悪 被爆者サーローさん訴え/1面

ICAN平和賞授賞式演説 傘に頼る国「共犯者となるのか」
 【オスロ=沢田千秋】広島、長崎の被爆者らと連携し、核兵器禁止条約の採択に尽力した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN/アイキャン)に対するノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーオスロで行われた。英語で被爆体験を語り続けてきたカナダ在住のサーロー節子さん(85)は、被爆者として初めて授賞式で演説し「核兵器は必要悪ではなく絶対悪だ」と強調。ICANのベアトリス・フィン事務局長(35)も「全ての国に私たちの終わりではなく、核兵器の終わりを選んでほしい」と条約への参加を呼び掛けた。

怒り
 「核兵器とは、血迷った男が絶えず私たちのこめかみに銃を突きつけているようなものだ」。フィン氏の口調は冷静だったが、核保有国に対する怒りに満ちていた。
 特に核保有国が主張する「抑止力効果」に強い疑問を投げかけた。「彼ら(核保有国)は恐怖を戦争の兵器としてたたえている。無数の人間を一瞬で皆殺しにする準備があると宣言し、威張っている」と強く批判。北朝鮮の核開発問題も「核兵器の存在が、核競争への参加に他国を駆りたて、私たちを安全にするどころか紛争を起こす」と指摘した。
 圧巻は「米国よ、恐怖よりも自由を(選べ)」などと、核保有9カ国に対し、名指しで禁止条約への参加を迫ったことだ。フィン氏は「核の傘」に頼る国々も「他国を破壊する共犯者となるのか」と迫り、条約に署名しない日本政府などを批判した。
 ノーベル平和賞委員会も、ICANの意見を全面的に支持した。ベーリット・レイスアンデルセン委員長は授賞理由の演説で「限定された核戦争など幻想だ」と指摘。「核兵器を使う、という脅しでさえ、人道的、道徳的、法的に受け入れられない」と断じた。

拒否
 しかし「世界の安定は核の均衡でのみ保たれる」(ロシアのペスコフ大統領報道官)と主張する核保有国が姿勢を軟化させる気配はない。
 10日の授賞式には、世界に約1万5000個あるとされる核弾頭の9割以上を保有する米、英、仏、中国、ロシアの5大国が恒例だった駐ノルウェー大使の出席を見送った。
 事実上のボイコットで、条約を「核不拡散や核軍縮の害悪」(ウッド米軍縮大使)と批判する米国は、条約に批准や署名をしないよう呼び掛けている。
 日本には、国際社会に「世界で唯一の被爆国としての特別な役割がある」(オーストリアのトーマス・ハイノツィ前軍縮大使)と、条約参加を期待する声が強いが、菅義偉(すがよしひで)官房長官は10日、「条約の署名、批准は行わない」と言い切った。


フィン・ICAN事務局長の訴え

 米国よ、恐怖よりも自由を
 ロシアよ、破壊よりも軍備撤廃を
 英国よ、抑圧よりも法の支配を
 フランスよ、恐怖よりも人権を
 中国よ、理不尽よりも理性を
 インドよ、無分別よりも分別を
 パキスタンよ、ハルマゲドンよりも論理を
 イスラエルよ、抹殺よりも良識を
 北朝鮮よ、荒廃よりも知恵を
 「核の傘」の下に守られていると信じている国々よ、あなたたちは、自らの破壊と、自らの名において他国を破壊する共犯者となるのか