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海自「いずも」空母改修案 米戦闘機の発着想定

 f:id:a-tabikarasu:20180121084226j:plain 1面/2018.1.21

海自「いずも」空母改修案 米戦闘機の発着想定/1面

 海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」を戦闘機の発着が可能な空母に改修する検討を巡り、政府が日米による同艦の共同運用を想定していることが分かった。複数の政府関係者が明らかにした。有事の際などに米戦闘機を発着させ、戦闘に発進する際の給油などの米軍支援も行う。空母の保有憲法9条に基づく日本の専守防衛の立場を逸脱する懸念がある上、米軍の戦闘行動と自衛隊の活動が事実上、一体化する恐れも生じてくる。 (新開浩)=緊張高める可能性2面

専守防衛逸脱の恐れ
 空母保有を巡っては、政府は過去の国会答弁で、敵国の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器の保有専守防衛を逸脱するとの立場から「攻撃型空母の保有は許されない」と説明。一方で「防衛のための空母は持ち得る」との見解も示している。いずもの改修と従来の政府見解との整合性は、22日召集の通常国会でも議論となりそうだ。
 いずもの改修について、政府は南西諸島(鹿児島、沖縄両県)などの離島防衛のためと説明。付近に陸地や空港が少ない海域でも、空母から戦闘機を発進させることで、制空権の確保を目指す。従来の政府見解を踏まえ、「防御型空母」への改修で専守防衛の範囲内と位置付ける。
 艦載機に想定しているのはステルス戦闘機F35B。長崎県の米海軍佐世保基地に今月配備された強襲揚陸艦ワスプにも搭載されている機種で、敵地への攻撃能力を持つ。ワスプといずもの全長は250メートル前後とほぼ同規模のため、日米共同運用は可能とみている。
 共同運用には安全保障関連法で拡大した米軍支援が念頭にある。<略>

 

柳沢協二さん(元内閣官房副長官補)のウオッチ安全保障/2面

空母 緊張招く「力の象徴」
 政府が、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を、戦闘機が発着できる小型空母に改修することを検討しているという。=1面参照
 敵の潜水艦を警戒するためのヘリ空母であれば、専守防衛上の理屈はまだ成り立つが、政府が艦載機として検討するF35Bは、対地攻撃能力があり、敵地に侵入するための飛行機だ。それを搭載して相手国の沿岸まで運ぶことができる空母を保有すれば、専守防衛を掲げる日本が、攻撃能力を持つことになる。
 空母は、大国の力の象徴でもある。大国が武力によって国家間の問題を解決する姿勢の象徴だ。日本はこれまで、そうした外交姿勢は取らない立場を貫いてきた。空母を保有すれば、日本も武力を外交手段に使う国になるかどうかが、問われてくる。
 問題は、日本が攻撃能力を持つことを、周辺国がどう受け止めるかだ。相手国が脅威だと受け止め、緊張が高まれば、日本が生きていくための環境を、かえって悪くする可能性がある。
 政府は、改修後の「いずも」艦上で米軍機を運用することも検討しているという。自国が攻撃されていなくても、同盟国を武力で守る集団的自衛権の行使や、戦闘中の米軍に対する支援に使われる可能性があるということだ。これは米軍と同じ戦場にいることが前提であり、日米一体化というよりも、米空母部隊の指揮下に編入されるに等しい。
 安全保障政策には、費用対効果を考えた冷静な判断が必要だが、今は「武器には武器」という発想が独り歩きしている。今こそ政治の理性と計算に支えられた判断が必要だ。(聞き手・新開浩)