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自民方針 改憲案 9条2項残し自衛隊明記

 f:id:a-tabikarasu:20180129172458j:plain 1面/2018.1.27

自民方針 改憲案 公明に配慮 9条2項残し自衛隊明記/1面

 自民党は、今国会で衆参両院の憲法審査会に示す党の改憲案について、戦力不保持を定めた9条2項を維持した上で、自衛隊の存在を明記する方針を固めた。3月25日の党大会までに詳細を詰める。安倍晋三首相(党総裁)が2020年の新憲法施行を掲げていることを踏まえ、理解を得やすい案を優先した。複数の関係者が明らかにした。

3月党大会までに詳細議論
 党憲法改正推進本部は昨年12月の論点整理で、9条1項と2項を維持して自衛隊の存在を書く案と、2項は削除する案の両論を併記。首相は昨年5月に2項維持案を提唱したが、石破茂元幹事長らは、 12年の党改憲草案に沿って2項削除を主張している。
 推進本部は、自民党だけでは国会発議の要件である衆参両院3分の2以上の議席に届かず、特に公明党の賛成が不可欠な点を重視。公明党は以前、2項を維持した上で自衛隊の存在を書くと主張したことがあり、2項維持案なら「合意が実現する可能性が高い」(自民党幹部)と判断した。
 戦力不保持を削除すれば、発議後の国民投票で否決される可能性が高くなると考慮した。高村正彦副総裁は最近の講演で「(削除すると)国民投票で困難」と訴えていた。党内には自衛隊ではなく自衛権を明記すべきだとの意見もある。
 推進本部は26日の執行役員会で、党大会までの党の改憲案とりまとめを目指すことを確認。9条については2月上旬にも全体会合を開き、本格的な意見集約に入る。細田博之本部長は「多くの政党にとって合意しやすい案をつくることも大切だ」と語った。
 一方、自民党が検討している改憲4項目のうち、緊急事態条項については、大災害時などに衆院議員の任期延長を認める特例に絞る方針。内閣の権眼強化や私権制限の根拠を規定する案もあったが、公明党が「受け入れることは難しい」との意向を非公式に伝えた。

解説/安保法制を正当化 自衛隊は変質
 自民党が、自衛隊を明記する改憲案で9条2項を残す方針を固めたのは、平和主義の転換と受け取られかねない2項削除案に比べて反発を招きづらく、改憲を実現する早道と計算したからだ。だが、2項を維持したとしても、9条改憲自衛隊の正確を大きく変質させる恐れがある。
 安倍晋三首相は9条改憲の理由を、自衛隊違憲かどうかの論争に終止符を打つためと説明。より穏当に見える案で国会発議にこぎ着け、国民投票も乗り切る考えだ。
 しかし、忘れてはならないのは、今の自衛隊の法的位置づけが、かつての姿と大きく異なることだ。
 安倍政権は2014年の閣議決定と15年に成立させた安全保障関連法で、歴代内閣が違憲としてきた集団的自衛権の行使を容認。専守防衛に徹してきた自衛隊は、米国など密接な関係にある他国を武力で守れる組織になった。今も安倍政権は、敵基地攻撃能力につながる長距離巡航ミサイルなどの導入計画を進めている。
 そうした自衛隊の存在を最高法規である憲法に書きこむことは、違憲の疑いが指摘されてきた数々の問題を正当化するに等しい。首相は「自衛隊の任務や権限に変更は生じない」と国会答弁したが、本当にそうなのか。徹底した議論が必要だ。(生島章弘)