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「表現の自由」争点 朝鮮人犠牲者追悼碑訴訟

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表現の自由」争点 朝鮮人犠牲者追悼碑訴訟/24面群馬

 県立公園「群馬の森」(高崎市)の朝鮮人強制連行犠牲者追悼碑の前で碑を管理する市民団体が開いた追悼式などで、設置条件に反する政治的発言があったとして県が更新を不許可とし、市民団体がその処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決が14日、前橋地裁で言い渡される。主要な争点に、政治的行事を規制した設置条件と、不許可の処分がそれぞれ「表現の自由を侵害するか」という問題が含まれ、民主主義の根幹を支える憲法の規定だけに注目される。 (菅原洋)

問われる設置条件と不許可処分
 訴状などによると、碑は2004年、市民団体「記憶 反省 そして友好」の追悼碑を守る会(前橋市)の前身団体が建立。しかし、碑の前で開かれた追悼式で来賓から「東北アジアの平和のために共に手を携えて力強く前進していく」などの発言があったことを県は政治的と判断し、 14年7月に設置の更新を不許可とした。このため、守る会は同11月に提訴した。
 憲法を巡ってまず争点となるのが、そもそも県が示した「政治的行事は行わない」とする設置条件が表現の自由を侵害しているかどうかだ。
 守る会は設置条件に「『政治的行事』も『政治的発言』も定義がなかった」と指摘。「政治的行事として想定されるのは政治などに関する集会やデモ活動であり、追悼式などは当たらない。明らかに過度に広範な規制で、表現の自由を侵害している」と主張する。
 県は「碑文の主旨(しゅし)や内容と違う独自の主義主張が含まれれば、政治的発言に該当し、追悼式などの一部内容が政治的行事に当たる」との見解を示す。さらに「公園に碑を設置することは公共の場所を継続的に占拠する行為で、表現方法として一般的とはいえず、碑を利用することも(含め)憲法上保障されない」と反論している。
 一方、不許可処分についても、憲法を巡って双方が真っ向から対立している。
 守る会は「処分が合憲といえるためには、規制目的にやむにやまれぬ正当性があり、規制手段が必要最小限度なことが必要だ」と違憲性を訴える。守る会は既に、従来は碑の前で開いていた追悼式の会場を別の場所へ移している。
 県は「許可条件は長い時間をかけて何度も協議を重ねた結果得られた合意を踏まえて設け、原告(守る会)もその重要性を十分認識していたと考える。不許可処分以外の手段を選択する余地はなかった。表現の自由を侵害せず、有効だ」と合憲性を主張している。