今日の東京新聞

購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

佐川国税庁長官 辞任 国会混乱で引責

  f:id:a-tabikarasu:20180310080834j:plain 1面/2018.3.10

佐川国税庁長官 辞任 森友問題 国会混乱で引責/1面

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で批判を受けていた財務省前理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)・国税庁長官が9日、麻生太郎財務相に辞表を提出した。交渉が適正に行われたとする国会答弁の正当性が揺らいでいるほか、決裁文書を書き換えた疑惑も報道され、国会が混乱している責任を取った。佐川氏を昇格させた安倍政権に対して、野党は追及を強める構えだ。(白山泉)=核心・多くの疑問2面、納税者怒り31面

麻生氏は任命責任否定
 佐川氏は記者団の前に姿を現し「(疑惑が報じられた)決裁文書の提出時の局長だったことで、国会の混乱の責任を感じて申し出た」と述べた。さらに「国会対応に丁寧さを欠き、(所得税の)確定申告中に混乱を招き申し訳なかった」と頭を下げた。
 麻生氏は記者会見で「行政文書の管理についてさまざまな指摘をうけている」などを理由に佐川氏が辞表を提出したと説明。同時に行政への信頼を損なったとして減給処分にした。ただ、任命責任は否定。書き換え問題についても「来週早々に調査結果を公表する」と述べるにとどまった。
 立憲民主党辻元清美国対委員長は記者団に「これで幕引きにしようというなら、認めるわけにいかない」として佐川氏の国会招致を要求。希望の党玉木雄一郎代表も「むしろ疑惑は深まった。麻生財務相の責任が問われるし、場合によっては安倍晋三首相にも責任がある」と指摘した。
 佐川氏は理財局長時代、国有地を約8億円値引きして売却した経緯について、事前の価格交渉を否定し、森友学園との取引手続きは「適正だった」と、繰り返し説明していた。だが、昨年7月に国税庁長官に昇進後、交渉経過を示す内部文書へ音声データが続々と見つかり、野党は佐川氏の更迭を要求してきた。しかし、安倍首相は「適材適所」、麻生財務相は「極めて適切な人物」と擁護してきた。
 森友問題を巡っては朝日新聞森友学園との土地取引の決裁文書が国会議員に提出される際に書き換えられていた疑惑を報道。9日には近畿財務局の担当者が神戸市内の自宅で自殺していたことも発覚した。

政権、幕引き許されず
 国有地売買を巡る決裁書の書き換え問題を朝日新聞が指摘してから1週間、森友問題について国会で説明してきた佐川宣寿国税庁長官が一転、辞任することとなった。安倍政権は佐川氏の辞任で問題の幕引きを図ろうとしているが、問題の核心は国民の財産である土地の安値売却がなぜ起きたのかだ。それが明らかにならなければ、解決にはならない。
 佐川氏は辞任を申し出ながらもその理由については「混乱を招いた」とするのみ。自身の国会答弁が正しかったのかや、文書の書き換えがあったのかなどについては、 一切踏み込まず、国民の疑間には答えなかった。
 佐川氏が国会で無理な答弁を続け、最後まで説明を拒否して守ろうとしているものは一体何なのか。森友への異常な取引自体は、同氏が理財局長になるずっと前の2015年から交渉され、レールが敷かれていた。安倍首相夫人側から財務省に問い合わせがあったり、価格算定が行われたのも佐川氏が責任者になる前だ。
 安倍政権は森友問題について、「丁寧に説明する」といいながらも、国民への説明をはぐらかし疑惑はほとんど解明されていない。
 布陣が森友学園に関わってきた安倍首相や、当初から財務省のトップだった麻生太郎財務相がどう関わったのか。書き換えはあったのか。
 佐川氏の「トカゲのしっぽ切り」で終わらせてはならず、森友疑惑の全容解明が不可欠だ。(桐山純平)