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「9条に自衛隊明記」自民決定

 f:id:a-tabikarasu:20180323103802j:plain 1面/2018.3.23

「9条に自衛隊明記」自民決定 「戦える国」改憲で追認/1面

 自民党憲法改正推進本部は22日の全体会合で、9条改憲に関し、戦力不保持を定めた2項を維持して自衛隊を明記する方針を決めた。執行部が具体的な条文案作成を含む今後の対応について、細田博之本部長に委ねることを諮り、 一任取り付けを宣言した。これで、昨年10月の衆院選公約に掲げた改憲4項目の結論が全て出そろった。安倍晋三首相(党総裁)は25日の党大会で、改憲発議に向けた考え方を表明する見通しだ。(生島章弘)違憲の疑い置き去り2面、自民内異論も3面、識者の声10面、「9条が壊れる」31面、社説5面

 執行部はこの日、2項を維持して自衛隊を明記する案に絞り、原案とともに2通りの代替案を新たに提示。自衛隊の説明として、原案にあった「必要最小限度の実力組織」という表現を改め、それぞれ「必要な措置をとる」「必要な自衛の措置をとる」に置き換えた。政府が自衛権行使合憲論の根拠とする最高裁判決の一節を引用した内容で、いずれも新設する9条の2に規定すれば、武力行使に関する現行憲法の制約は変わらないと説明している。
 3時間近くに及んだ会合では、新たな条文案を支持する意見が大勢を占めた。石破茂元幹事長ら一部議員は2項削除を訴えたが、党大会を控えていることから結論を出すよう求める声が相次ぎ、執行部は議論を打ち切った。
 細田氏は会合後、記者団に「必要な自衛の措置をとる」代替案を軸に調整する意向を表明。 一方、意見集約に強く抵抗しなかった石破氏らに配慮して、各党との協議では自民党内に2項削除案という「有力な意見もあったことを伝える」とも語った。
 自民党は今後、各党に衆参両院憲法審査会の開催を働き掛け、改憲原案の早期提出にこぎ着けたい考え。推進本部幹部は近く、公明党に協力を要請する考えを明らかにした。

「戦力不保持」空文化の恐れ
 自民党憲法改正推進本部が22日、改憲4項目で最大の焦点だった自衛隊を明記する改憲案の一任を取り付けた。党執行部は、現行憲法に基づく武力行使の制約は維持されると強調するが、海外での武力行使が拡大し「平和憲法」を土台から揺るがしかねない危うさをはらむ。
 一任を得た執行部は条文案の作成に取り掛かる。戦力不保持を定めた現行の九条2項には手を付けず、新たに設ける「9条の2」に、首相を指揮監督者とすることなどを明示して自衛隊の保持を書く方針。これらにより、安倍晋三首相の主張通り「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」と訴える考えだ。
 「必要最小限度の実力組織」の文言は盛り込まない方針。党内で「防衛力を過度に制約しかねない」との意見が出たためだが、武力行使の歯止めは後退した。
 自衛隊を保持する目的は「国及び国民の安全を保つため」などとする方向だが、これも抽象的。自衛権発動の判断を、時の政権に委ねることになりかねない。
 何より、自民党が書き込もうとしている自衛隊は、安倍政権が2015年に成立させた安全保障関連法により、他国を武力で守る集団的自衛権を行使できる組織に変質している。自民党がやろうとしている改憲は、違憲性が指摘される安保法を巡る現状を追認し、正当化することになりかねない。自衛隊の存在が憲法に明記されれば、2項の戦力不保持は空文化する恐れがある。(生島章弘)