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藤井聡太6段、最年少7段に王手

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こちら情報部/年内昇段どこまで? 藤井、最年少7段に王手/26面

 将棋の最年少棋士藤井聡太6段(15)が竜王戦の予選に当たるランキング戦で勝ち、7段昇段に王手をかけた。あと1勝で史上最年少の7段が誕生する。驚異的なスピードで昇段を重ねてきたが、今回のチャンスを逃すと、年内の7段昇段は極端に難しくなる。その上の8段となると、いっそういばらの道。天才少年は、どこまで上り詰めるのか。(橋本誠)

竜王戦予選あと1勝
 藤井さんは10日、1組~6組に分かれて争う竜王戦の5組のランキング戦で準々決勝に臨み、阿部光瑠6段(23)を破ってベスト4に進出した。今月下旬~5月上旬に行われる準決勝で、船江恒平6段(30)と石井健太郎5段(25)の勝者に勝てば、4組昇級が決まる。
 日本将棋連盟によると、前期に6組で優勝して5組に昇級しているため、「ランキング戦で連続昇級」した棋士が7段に昇段する規定を満たす。
 実は棋士が昇段するための規定は複数あり、各段位、棋戦ごとに細かく定められている。
 藤井さんの昇段の歩みを振り返ると、2月1日、A級~C級2組の5クラスに分かれて争う名人戦順位戦C級2組9回戦で勝利し、「C級1組への昇級」の規定で、5段に昇段した。同17日には、全棋士が参加して争う早指しの朝日杯将棋オープン戦羽生善治2冠(47)らトップ棋士を破って優勝。「5段昇段後に全棋士参加棋戦で優勝」の条件を満たし、わずか16日で6段に昇段した。
 ランキング戦準決勝では、仮に負けても、昇級者決定戦に出場できる。ここで1勝すれば、4組に昇級してやはり7段になれる。将棋ライターの池田将之氏は「今の藤井さんが2局続けて負けることは想像できない」と昇段を予想する。

勝てば8段も…チャンス逃すといばらの道
 ただ、この機会を逃すと、年内の昇段は厳しくなる。まず「竜王挑戦」の可能性が消滅。「6段昇段後全棋士参加棋戦優勝」は、銀河戦で既に敗退し、他棋戦は年内に決勝がない。C級1組在籍のため、2つ上のクラスの「B級1組昇級」は無理。「竜王ランキング戦通算3回優勝」は制度的にありえない。年間対局数から、「6段昇段後公式戦150勝」も不可能だ。
 残るは「タイトル1期獲得」のみ。竜王戦予選で敗退すると、残るタイトルのうち、藤井さんが年内に獲得できる可能性があるのは王座戦だけだ。本戦トーナメントで強豪を破って挑戦権を獲得したうえで、中村太地王座(29)との5番勝負に勝ち、タイトルを奪取しなくてはならないが、さすがにハードルが高い。
 とはいえ、ファンの大多数は藤井さんが次戦で7段昇段を果たすと信じているのではないか。その場合、8段昇段はあるのか。
 規定のうち可能性があるのはただ1つ。竜王戦の決勝トーナメントに進出し、勝ち上がって挑戦権を得たうえで、羽生竜王と7番勝負を戦ってタイトルを奪うーという夢のようなルートだ。羽生さんに勝つのが困難という以前に、決勝トーナメントの対戦相手も歴戦の強者(つわもの)がそろう。池田氏は「いくら藤井さんが強くても、さすがにそれは果てしなく遠い道のり」と懐疑的だ。ただ、「藤井さんなら…」と期待してしまうのも事実だ。
 池田氏は断言する。「若手は得意の戦法を駆使してのし上がっていくことが多いが、藤井さんの場合、横綱相撲のように受けて立ち、着実にリードを広げて勝ってしまう。根底にある『読みの力』がよほどしっかりしているのだろう。朝日杯で優勝しても、浮かれることなく棋力向上を目指している。去年勝ちすぎたから、今年は勝てないという心配はありません」