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米英仏、シリア攻撃 化学兵器使用と断定

 f:id:a-tabikarasu:20180415082609j:plain 1面/2018.4.15

米英仏、シリア攻撃 化学兵器使用と断定/1面

トランプ氏命令 ミサイル100発
 【ワシントン=石川智規】米英仏の3カ国は13日(シリア時間14日)、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、シリアの首都ダマスカス周辺などの化学兵器関連施設3カ所を攻撃した。アサド政権への軍事攻撃は、昨年4月に続き2回目。マティス米国防長官によると、攻撃規模は前回の「2倍」で、100発以上のミサイルが撃ち込まれたとみられる。

 アサド政権と、後ろ盾となるロシアは強く反発。ロシアと米欧の関係悪化がさらに進み、偶発的な衝突を招く恐れもある。
 米紙ニューヨーク・タイムズによると、米軍は少なくとも3隻の駆逐艦から巡航ミサイル「トマホーク」を発射したほか、戦略爆撃機B1も使用。英国防省は空軍の攻撃機巡航ミサイルで軍施設を攻撃したと発表し、フランスも戦闘機を出撃させた。パルリ仏国防相はロシアに攻撃を事前通告したと明らかにした。
 一方、ロシア国防省は、シリア国内の軍施設に巡航ミサイル計103発が撃ち込まれたと発表した。シリア政府軍が7割を迎撃し、軍関係者や市民の犠牲者は確認されていないという。
 トランプ米大統領は米東部時間13日夜(日本時間14日午前)ホワイトハウスで演説し、「アサド政権は先週、化学兵器を使い無実の市民を虐殺した」と断定。シリアが化学兵器の使用をやめるまで攻撃を続ける考えを示した。
 マティス氏は、アサド政権への攻撃根拠について「塩素ガスが使われたと確信している」と述べた。猛毒神経ガスサリンが使われた可能性については「精査中」とした。


<解説> 証拠明示せず強硬

 トランプ大統領が、昨年に続きシリアに対する軍事攻撃に踏み切った。今回は英仏と共同とはいえ、アサド政権が化学兵器を使用した明確な証拠や国連安全保障理事会の決議はなく、法的根拠に乏しい。懲罰的な攻撃は、シリアの混迷を一層深めるだろう。
 トランプ氏は攻撃に先立ち、シリアや後ろ盾のロシアを「ミサイルが行くぞ。洗練された高性能の新型だ」とツイッターで威嚇。テレビゲームに興じているような軽率な発言からは、世界最強の米軍の最高司令官として、多数の人命を奪いかねないミサイル発射を命じることへのためらいや苦渋は感じられない。
 昨年は、長女イバンカ大統領補佐官から毒ガス特有の症状に苦しむ子どもたちの映像を見せられたことが攻撃の決断を後押しした。感情に任せた「力による平和」を訴えても、各国が介入し、複雑化したシリア問題の解決にはつながらない。
 シリアやロシアは化学兵器の使用を「でっち上げ」と主張して真っ向から対立する。正当性が疑問視される安易な軍事攻撃は、互いの憎しみを増幅。報復の連鎖を招きかねず、その被害は市民が被ることになる。(ワシントン・後藤孝好)