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文民統制揺るがす行為 暴言3佐訓戒処分

 f:id:a-tabikarasu:20180510091429j:plain 25面/2018.5.9

文民統制揺るがす行為 暴言3佐訓戒処分/25面

自衛隊はたがが外れている」
 防衛省統合幕僚監部の三等空佐が野党の参院議員に暴言を吐いた問題で、同省は8日、三佐を懲戒処分とせず、軽い訓戒にとどめた。一方、自衛隊の退職者団体が、改憲を求める署名用紙の送付先に自衛隊の地方組織を指定していたことも明らかになった。識者は相次ぐ自衛隊を巡る問題に「たがが外れている」と批判している。(原昌志、佐藤圭)=1面参照

過去にも問題再発防止機能せず
 防衛省の最終報告は、三佐の暴言に関する双方の言い分が食い違っていることなどから、シビリアンコントロール文民統制)を逸脱したとは認定しなかった。だが、国民に選ばれた国会議員に対する暴言は、文民統制を大きく揺るがす行為だと言える。
 同省の担当者は処分の重さを決めるにあたり、過去事例を踏まえたと説明。2010年、陸自連隊長の一等陸佐が、訓練の訓示で当時の鳩山由紀夫首相を椰楡するような発言をした際、懲戒処分に至らない「注意」としたことを参考にしたと明らかにした。「文民統制は国会と自衛隊の関係を律したもの。国会議員と一自衛官の関係ではない」とも話した。ただ今回は、三佐と小西氏が一致した部分だけでも「ばか」のほかに「国益を損なう」「国民の命を守ることと逆行」などと、国会議員の政治活動を真っ向から否定する言動が認められた。戦前、旧軍人が政治に圧力を加えて暴走に至ったことを考えれば、三佐の行為は文民統制への圧力ととらえられても当然だ。
 過去にもクーデターを容認するような論文を週刊誌に寄稿した一等陸佐や、中国侵略や朝鮮半島植民地支配を正当化する内容の論文を発表した航空幕僚長の行為が問題化した。そのたびに再発防止を掲げてきたが、国会や政治家を軽視する素地が続いていたとみられてもしかたがない。防衛省は今回、批判を意識し「文民統制」も踏まえた教育を全隊員に行うとするが、実効性が問われる。

改憲署名呼び掛け 送付先を自衛隊
 自衛隊OBらでつくる公益社団法人隊友会」の支部「東京都隊友会」は、2015年5月に改憲賛同署名への協力をOBに呼びかけ、署名のファクス送信先として、自衛隊東京地方協力本部予備自衛官課などを指定した。東京地本の会議室で署名集めについて話しあっていたという。
 <略>


政権と自衛隊一体化 国民を見下している
 ジャーナリストの布施祐仁氏の話 自衛隊イラク派遣の日報隠蔽(いんぺい)にしても、三佐への甘い処分にしても、自衛隊をコントロールするはずの政府が文民統制を軽んじている。安倍政権と自衛隊は一体化しており、隊友会改憲署名の送付先を自衛隊の地方組織にしてしまうようなことも起きる。政府と自衛隊自衛隊隊友会の線引きがあいまいになるのは非常に危険だ。
 纐纈(こうけつ)厚・明治大特任教授(政治学)の話 自衛隊は抑制的に活動してきたが、安倍政権下での安全保障関連法成立や改憲の動きなどが積み重なる中で、たがが外れてしまっている。今の自衛隊員は、安倍政権に二重三重に守られていると思っており、国民を見下している。三佐の暴言はこうした空気が表に出たにすぎず、今回のような甘い処分ではまた同じことが起きる。