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核心/党首討論 首相、 論点変え「時間稼ぎ」

 f:id:a-tabikarasu:20180531120552j:plain 2面/2018.5.31

核心/党首討論 首相、 論点変え「時間稼ぎ」/2面

追及逃れ 長い前置き 質問おうむ返し 延々とヤジ対応
 1年半ぶりに開かれた30日の党首討論では、立憲民主党枝野幸男代表らが学校法人「森友学園」「加計(かけ)学園」問題を追及したが、安倍晋三首相は質問と直接関係ない答弁を繰り返した。野党側は、追及を逃れるための時間稼ぎと反発。党首討論が機能するような仕組みづくりが課題だ。(清水俊介、金杉貴雄)=1面参照

機能する仕組みづくりを
■思い出
 「枝野党首は25年前(私と)ともに当選を果たした。この25年間、さまざまな党ができては消えていったわけだが…」
 最初に質問に立った枝野氏の第一問目は、森友問題で首相が「私や妻がかかわっていれば首相も国会議員も辞める」とした以前の発言を狭く解釈する先の国会答弁が、妥当だったかどうか。首相はすぐに答えず、1992年衆院選で枝野氏と一緒に初当選した思い出から語り始めた。
 さらに、枝野氏の質問をおうむ返しに繰り返し、過去の国会答弁の日付を詳しく説明して時間を使った。
 首相の妻昭恵氏付きの政府職員が森友側の要請で財務省に照会したことの是非を聞かれても、首相は「森友問題の本質はそういうことではない。なぜ国有地があの値段で引き渡されたかが本質だ」と論点を変えて答弁。やじが飛ぶと「今、やじがございましたが…」と話を変えた。

■影響
 共産党志位和夫委員長も「なぜ改ざん、隠ぺい、廃棄、虚偽答弁のような悪質な行為があなたの政権で引き起こされたと考えるか」とただしたが、首相は直接答えず「うみを出し切り、組織を立て直していきたい」とだけ答弁した。
 党首討論は答弁も含めて45分間。今回は野党4党首に議席に応じて時間配分され、最長の枝野氏でも19分しかなかった。首相が長々と答弁すると影響は大きく、枝野氏は3問しか質問できなかった。
 枝野氏は記者団に「党首討論は、聞かれてもいないことをだらだらだらだら話すような首相を想定していない。歴史的な役割は終わった」と指摘。せめて質問時間だけを計る方式に改めるよう求めた。
 経済問題などで首相を追及した国民民主党玉木雄一郎共同代表も、時間を増やして週1回開催するよう記者団に強調。党首討論という制度を揺るがす首相の答弁姿勢は、国民の政治不信を助長しかねない。

野党細分化 質問時間短く
 首相と野党党首が1対1で対決する党首討論は、2000年に現行の形で始まった。昨年は1回も開かれず、見直しの必要性が指摘されている。
 成田憲彦・駿河台大名誉教授(政治学)によると、党首討論は2大政党制を前提とした制度。「現首相と野党第一党党首のどちらが1国のリーダーにふさわしいか」を競い合うのが本来の趣旨だった。09年に民主党政権が誕生するまでは、盛り上がりをみせた。
 だが、12年の第2次安倍政権発足後、「自民一強」と野党の細分化が進行。45分の討議時間を分け合う野党党首らは、十分な質問時間を確保しにくくなった。大幅な時間延長などを呼び掛けてきたが、与党側は応じていない。野党側も、場合によっては1人で2時間も使って首相を追及できる予算委員会の質疑を重視するようになり、党首討論への熱意は薄れた。
 成田氏は「党首討論で森友、加計問題を取り上げても首相は時間を使って逃げようとする。野党は予算委と同じようなテーマではなく、内政、外交の国家の基本政策を取り上げるべきだ」と指摘。月1回程度必ず開催するなど定例化するよう提案している。