今日の東京新聞

購読している東京新聞の記事を紹介します。読者の応援ブログです。

財務省文書改ざん 不起訴・甘い処分

 f:id:a-tabikarasu:20180607121625j:plain 24・25面/2018.6.5

こちら特報部財務省文書改ざん 不起訴・甘い処分/24・25面

 財務省が組織ぐるみで行った公文書の改ざん問題の「責任」が、宙に浮いている。大阪地検特捜部が下した判断は、佐川宣寿国税庁長官ら38人全員の不起訴処分。財務省が4日発表した処分も、前代未聞の不祥事に見合わない甘さだ。安倍晋三首相は「膿を出し切る」と繰り返してきたが、これで納得できる国民がどれほどいるのか。この国が膿んでいるなら、まず何をすべきか。(片山夏子、大村歩)

膿残ってますけど? 「いいかげん辞めて」
 麻生太郎財務相が4日発表した財務省幹部らの処分には、市民からいら立つ声が噴出した。
 東京都千代田区日比谷公園で、友達とおしゃべりしていた町田市の女性(72)は「麻生さんも安倍晋三首相もいつも人ごと」とあきれ顔だ。「どうせ辞めると言わないだろうと思っていたけど、納得いかない。首相は『膿を出し切る』って言うけど、そもそも安倍首相の周りで起きていることでしょ。まず自分と奥さんのことを明らかにすべきでしょう」と憤る。
 公文書改ざんにかかわる財務省幹部らの不起訴処分にも我慢がならない様子で「忖度(そんたく)って言うけど、どっち向いて仕事しているんだか。首相がどれだけ偉いのか知らないが、公務員なんだから国民の方を向いて地道にしてほしい」と話す。
 千葉県船橋市の警備員の二階堂克夫さん(67)も、こうした処分に「不満だね」と一言。「何をどう検証したのかまったく分からない。首相は『印象操作だ』と言うけど、何でもかんでも隠しっばなし。長期政権になりすぎたね」と不信感をあらわにした。
 神奈川県藤沢市の会社員青山茂さん(55)は「あれだけのことをしながら罪に問えず、減俸や停職ですむのか。これが許されたら、国民にも罪を犯してもこれぐらいならいいんじゃないって言えばすむという風潮を生む。徹底的に追及してほしい」と憤る。「長期政権になり過ぎ、何をやっても平気になっている。ここまで国民をばかにした首相も大臣もいない。二人ともいいかげん辞めてはしい」と話した。
 怒りの矛先は、告発された財務省幹部ら全員を不起訴処分とした大阪地検特捜部にも向かっている。
 <略>

無責任体質に「安倍疲れ」 政権側は逆キャンペーン
 <略>首相官邸財務省といった政府の中心を舞台に、1年以上にもわたって疑惑が晴れず、ウソやごまかし、言い逃れが公然と続きながら、誰も責任を取ろうとしない状況は、人々にうんざりした気持ちだけを残す。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は2月、「安倍疲れ」と政権の閉塞(へいそく)感を評し、話題となった。
 立教大大学院特任教授の金子勝氏(経済学)はモリカケはもちろん、リニア新幹線の談合も、英国への原発輸出も、働き方改革法案も、安倍首相のお仲間にとって短期的にうれしい話ばかり。要するに不公正な『縁故資本主義』がまん延する国で、展望がないから、まともな人は『安倍疲れ』するという評価なんだろう」とみる。
 この間の安倍政権のありようは、ウソを小出しにして、収拾がつかなくなると強弁して開き直るもので、1990年代の不良債権問題や、東京電力福島第一原発事故と非常に似ている、と金子氏は言う。
 「バブル経済崩壊後に問題点を検証し、抜本的に政治経済のあり方を変えるべきだったのに、政治家も官僚も責任を取らずに『失われた30年』を生んだ。実際には毎日、崩壊への道を歩んでいるのに、問題はないと言い張ってみんな不安に目を背けて、責任から逃れようとしている」
 実際、これだけのことがあっても安倍首相も麻生財務相も全く辞めるそぶりはない。かくて無責任体質が続いていくのか。「いや、国民が疲れてしまっては、日本はそこでおしまいだ」と警鐘を鳴らすのは元経産官僚の古賀茂明氏だ。
 古賀氏によれば、安倍政権は「警察に逮捕されなければ何をしてもいい」という考えを前面に出す異常な政権で、「子どもの教育上よくないと言えるレベル」。その低レベルな基準に国民が慣らされ、むしろ「他にもっと重要な問題がある」「しつこすぎる」といった政権側の逆キャンペーンにうなずいてしまう層がいるから、本来はとっくに退場すべき安倍政権へのレッドカードが出ない、とみる。
 「一人あたり国内総生産GDP)の低下や実質賃金の下落など、国民は確実に貧しくなり、世界から今後、輝く国と思われていないから『安倍疲れ』などと評される。 一方、若い世代では、安倍さんのおかげで景気がよくなったと素朴にだまされていて、アジアの新興国にも追いつけない日本の暗い未来に気づけない人も多い。だから、国民もメディアも、おかしいことはおかしいと言い続けるべきだし、あきらめてはならない」