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袴田さん「うそだ」 東京高裁再審開始認めず

 f:id:a-tabikarasu:20180614133204j:plain 29面/2018.6.12

袴田さん「うそだ」  東京高裁再審開始認めず/29面

 一度は開きかけた再審への扉は閉ざされた。東京高裁が11日、袴田巌(はかまだいわお)さん(82)の再審を認めない決定をすると、裁判所前に集まった支援者らから「冤罪(えんざい)だ」「なんで」などと怒りの声が上がった。半世紀にわたって闘ってきた姉の秀子さん(85)は「残念」とする一方で、袴田さんが再収監を免れほっとした様子。秀子さんと暮らす浜松市で決定内容を知らされた袴田さんは「そんなのうそなんだよ」と語った。=1面参照

闘い半世紀 姉「残念」
 「残念でございます」。袴田さんの姉秀子さんは再審を取り消す決定が出た直後の午後1時半すぎ、東京高裁前でマイクを握り、声を震わせた。
 弁護士らが「不当決定」と記した旗を掲げると、数十人の支持者からは驚きと怒りが入り交じった反応が広がった。
 袴田さんは11日、東京へは行かず、浜松市内でテレビを見たり、寺を訪れたりして普段通りの表情で過ごした。午後2時ごろ、支援者から東京高裁の決定を知らされても顔色一つ変えず、「あ―、そ―う」と話した。報道陣が受け止めを聞くと、「そんなのうそなんだよ」「事件がねえんだから」と突っぱねるように語った。
 秀子さんは会見で、「巌は精神的に不安定で(この日の決定を)本人は半分分かっていて、半分くらいは分からない状態」と拘禁症状が残る弟を案じた。
 一方で、高裁は袴田さんの年齢を考慮し、拘置の執行停止を認めた。秀子さんは「身柄は拘束されないと(決定に)書いていて一安心」としつつ、「良い知らせだったら、分からないまでも、みんなに『おめでとう』と言われるのを味わせたいと思っていた。いつか絶対にできると思っている」と思いを述べた。
 さらに秀子さんは「事実を調べれば分かること。これからも頑張っていく」と決意を語り、「巌には事件のことは話さない。普通にただいまと言って帰りたい」と述べた。
 決定に対し、弁護団からは厳しい言葉が相次いだ。
 西嶋勝彦弁護団長は「よもや再審開始決定が取り消されるとは。到底、承服できない」と憤った。決定の大部分が、静岡地裁の再審開始決定の根拠となったDNA型鑑定の有効性を否定するものだったとし、「世界に先駆けた鑑定手法を、既存の法医学者がよってたかって批判したものを裁判所も批判した。結論ありきの決定だ。いったい4年間何をやってきたのか」と訴え、最高裁への特別抗告を表明した。
 小川秀世弁護士は「非常に薄っぺらい論理だ」と批判。「裁判所は、偏見や思い込みで判断している。特別抗告で十分に反論すれば道は開けると確信している」と述べた。