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大飯原発 高裁差し止め棄却 関電の主張丸のみ

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大飯 高裁差し止め棄却 関電の主張丸のみ/2面

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを巡る名古屋高裁金沢支部判決は、住民側の逆転敗訴となった。2011年の福島第1原発事故を受けたこの訴訟で、福井地裁の14年の1審判決は危険の有無を行政任せにせずに自ら判断を下したが、4日の高裁判決は、2基が原子力規制委員会の審査に適合していることを理由に、住民側の請求を棄却した。「独立した司法が最後の砦」とする住民側の期待は、このまましぼむのだろうか。(中崎裕)=1面参照

▼放棄
 「司法の役割を超えている」。名古屋高裁金沢支部の判決は、司法は原発の危険性を自ら判断できず、原子力規制委員会という専門的機関の見解には口を挟まないとの立場をとった。
 「想定を超える地震は将来的に来ない、との確実な想定は本来的に不可能」としつつも「規制委の判断に不合理な点がない限り危険性は無視できる」との見解を示している。
 一方、14年5月の福井地裁の樋口英明裁判長が運転禁止を命じた判決は「福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい」とし、原発の危険性と向き合った。
 過去10年ほどの間に東京電力柏崎刈羽原発新潟県)などが想定する揺れ(基準地震動)を上回る地震に何度も見舞われたとして、「大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通し」と断じていた。

▼証言
 控訴審で高裁は、地震想定が過小との陳述書を提出した元規制委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授への証人尋問を実施。地震の専門家である島崎氏は、関電が採用した地震の揺れを算出する計算方法について、事前に断層の形状などが分からないため、大飯原発地震想定に使うのは誤りだとして「規制委の審査は不十分」と断言した。
 住民側はさらに複数の専門家への証人尋問を求めたが、高裁は「証拠は十分」として却下。判決のよりどころとしたのは、関電が提出した規制委側の判断だ。関電側は、島崎氏と規制委の面談記録などを証拠として提出し、「規制委は基準値振動を見直す必要はないと結論づけている」と主張した。
 高裁が自ら検証する姿勢を見せなかったため、住民側の井戸謙一弁護士は「問題点にまともに答えず開き直る判決」と批判した。
 <略>