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「なぜ今」黙する法相 麻原死刑囚 刑執行

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核心/「なぜ今」黙する法相 麻原死刑囚 刑執行/2面

 なぜこのタイミングで、この7人を選んだのか。オウム真理教元代表麻原彰晃(しょうこう/63)=本名・松本智津夫=と元教団幹部らの刑執行を命じた上川陽子法相は6日、「答えを差し控える」と説明を避けた。平成の事件史を代表するオウム事件。法務・検察内部では、来年4月の天皇陛下の退位を前に、改元を意識して事件に区切りをつけようとしたとの見方もある。(山田祐一郎、蜘手美鶴)=1面、3面、5面社説、26面、27面参照

■時機/「平成のうちに終える」
 「平成の事件は平成のうちに終えるという考え方はある」。死刑が執行された6日、法務省幹部が漏らした。今年9月の自民党総裁選も意識し「内閣改造で死刑慎重派が法相に就けば執行が見通せなくなる恐れがあった」と打ち明ける。
 別の法務省幹部は、来月以降は皇族の婚約や結婚なども重なるとして「今がいいタイミングだったのだろう」と話す。
 刑事訴訟法との兼ね合いもありそうだ。同法は、死刑執行の命令は刑の確定から6カ月以内と定めているが、共犯者の判決が確定するまでの期間は除外すると規定。最後の被告の刑が確定し、全ての刑事裁判が終結したのは今年1月下旬。6カ月が経過する前の執行で、まさに「機が熟した」(法務省幹部)という。

■人選/執行の6人は大臣級
 死刑囚13人のうち、今回執行されたのは7人。共通するのは、元代表の麻原死刑囚をはじめ、7人とも教団内で高い立場にあった点だ。
 早川紀代秀死刑囚は「建設省大臣」、井上嘉浩(よしひろ)死刑囚は「諜報(ちょうほう)省大臣」、新実智光死刑囚は「自治省大臣」で、全員が「大臣」クラス以上だった。
 かねて法務関係者は「まずは麻原から」と強調していた。今回執行された中には、比較的最近、刑が確定した死刑囚が多く含まれ、法相が刑の確定時期より立場の高さを重視したことがうかがえる。
 今回刑が執行されなかった残り6人の執行時期について、検察幹部は「6人の心理の乱れを避けるため、あまり間は置かないのではないか」とみる。だが、法務省幹部は「(今回の執行で)法相の心理的負担が非常に大きかったはず。人の命を奪うというのはとても重いこと。すぐに6人も、とはならないだろう」と指摘する。

■精神状態/「心神喪失ならば違法」
 麻原死刑囚は1審段階から不規則発言を繰り返し、約10年前には親族の問い掛けにも反応しなくなるなど不安定な精神状態ともみられていた。
 麻原死刑囚の再審請求をしていた松井武、安田好弘の両弁護士は6日、「精神疾患の確認と治療を求めている最中の執行で違法」と抗議声明を出した。
 刑事訴訟法は「死刑の言い渡しを受けた者が心神喪失の状態にある時は、法務大臣の命令によって執行を停止する」と定める。
 上川法相は、この日の会見で「精神状態に問題はないと判断したのか」と問われ、「個々の判断に関わることで回答は差し控える」としつつも、 一般論として「医師の専門的見地も踏まえ、執行停止の事由の有無について判断している」と強調した。



「裁判を再開し語らせるべきだった」/27面
 オウム真理教を題材とした作品がある映画監督森達也さんの話 麻原死刑囚は裁判中に精神状態が崩壊し、刑を執行する状態ではなかった。治療を受けさせ、裁判を再開して語らせるべきだった。肝心な首謀者の動機が分からないままふたをし、なぜ事件を起こしたのかが不明なため不安と恐怖から逃れられていないのが今の日本社会だ。戦後最大級の事件で、首謀者の裁判が実質的に1審だけで終わるのはあり得ないのに、メディアも強く反対しなかった。麻原死刑囚に対する社会の憎悪に、司法とメディアが従属したようなものだ。

 

<ブログコメント>今回の刑執行に関して、いくつかの記事をリンクしておきます。

「7人同時の死刑ありえない」〜人権団体が抗議会見 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

lite-ra.com

www.nikkan-gendai.com

news.yahoo.co.jp