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公文書管理法 「見える化」とは真逆の事態

 f:id:a-tabikarasu:20180814100116j:plain 1面/2018.8.14

自民党総裁選 9条優先度 争点に/1面

 安倍晋三首相は12日、地元の山口県下関市での講演で、憲法9条の1、2項を維持した上で自衛隊を明記する自民党改憲案について「次の国会に提出できるよう取りまとめを加速すべきだ」と語った。9月の党総裁選や秋に召集予定の臨時国会に向け、改憲議論を進める考えを示した。総裁選に立候補表明した石破茂元幹事長は9条改憲を優先しない考えを示しており、9条改憲の優先度が総裁選の主要争点となってきた。

 

見張り塔から/公文書管理法「見える化」とは真逆の事態 専修大教授・山田健太さん/4面

改正を早急に実現すべき
 1年半前の連載第1回は情報公開だった。意思決定の透明性確保が社会の大前提となったいま、知る権利の実効性を高めることが、21世紀の表現の自由の大きな課題であると考えたからだ。その基本として、公権力とりわけ政府・政治家の行状を記録としてきちんと残し、整理し、保管することが必要不可欠で、公文書管理の肝だ。
 しかしこの間の文書の隠蔽(いんぺい)、廃棄、改竄(かいざん)は、こうした基盤を完全に崩壊させた。その理由は、法制度そのものの欠点、運用の誤り、意識の欠如の複合だ。
 <略>
 第1に、「行政文書」とは何かである。作成時点においては個人的なメモであっても、その会議や打ち合わせ等の記録がそのメモしかなければ、これが会議の記録であり、行政文書だ。しかし、多くのメモや交渉まとめなどが、「公式でない」という一方的な解釈で行政文書に認められないままだ。あるいは、多くの会議体で議事概要がつくられているが、その場合に、基となる速記録もしくは録音テープは、議事概要が完成した段階で行政文書ではなくなるという珍解釈がまかり通っている。
 第2に「公人の職務上の上の業務」とは何かである。首相夫人秘書官が最たるものだが、公務員がその肩書の下で業務として行った行為を、私的行為であるとすることが、事実上確定してしまった。財務省調査でも、交渉記録は正式に廃棄後も個人の手控えとして私的に保存しているとしているが、業務上必要で保存しているものを、私文書扱いすること自体が間違いだ。
 第3は「電磁的記録」の扱いだ。メールのやりとりも、ローカルのコンピューターに一時記録させているデータに始まり、共有フォルダーに入れているものまでも、メールは原則、私的メモと同じ扱いで保存の対象から外れることになりそうだ。
 そして、第4に、政治家関係者との交渉記録など、大切なものほど記録にとらない、とっても残さない、残していても公文書扱いしない、という「慣習」が固定化してしまうことになった。そして意図的に、「政治レベルの政府活動」を行政文書の対象から除外してきたことがわかった。
 こうした基本的な問題が山積している規定・運用方法を、新ガイドラインとして胸を張ること自体、政府は恥ずかしくないのか。国会もウソ答弁に振り回された経緯からすれば、そのおおもとをただすべく、公文書管理法の改正を早急に実現すべきだ。(毎月第2火曜日に掲載)