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劇映画『太陽の蓋』 福島原発事故は何だったのか

 f:id:a-tabikarasu:20180825115535j:plain 1面/2018.8.25

オスプレイ 佐賀配備合意 知事が正式表明/1面

 自衛隊初となる陸自の輸送機V22オスプレイ佐賀空港佐賀市)配備計画について、佐賀県山口祥義(よしのり)知事は24日午後、記者会見し、受け入れる考えを正式表明した。その後、計画に反対し、配備予定地を所有する地元漁協の幹部に、配備に向けた協議開始を申し入れ、漁協幹部は協議する考えを示した。


劇映画『太陽の蓋』  福島原発事故は何だったのか 橘民義/6面

現職政治家に取材重ねて
 2011年夏、日本の電力会社は原子力発電所が止まれば電力不足に陥るという情報を流して、国民の危機感を煽った。しかし結果はどうだったろう。現在、54基の原発のうち5基しか稼働していないが、電気は足りている。停電などない。
 映画『太陽の蓋(ふた)』は福島原発事故が発生した首相官邸内の数日間を再現することを軸に、東日本大震災における原発事故とはなんだったのかを冷静に見つめて描いた劇映画である。
 2011年3月12日に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の処理に関してはさまざまな報道がなされた。果たして真実はどこにあったのか。当時の首相官邸は何にてこずり、東京電力はなぜ情報を隠したのか。

多角的視点
 物語の主人公を新聞記者に設定した。北村有起哉が熱演した新聞記者の鍋島の視点を中心に、パニックにおちいっていく現場の動きを追う。一方、福島で事故収束にあたる原発作業員やその家族の葛藤する姿、避難する人々、東京にいて放射能の恐怖にかられる母親など多角的な視点で物語を描いた。鍋島記者は社会部ではなく国会記者会館に詰める政治部の記者だが、原発事故を取材するなかで、悩みを深めていく。
 私はこの重い問題を映画化するためには、関係者へのインタビューを中心とした記録映画(ドキュメンタリー)ではなく劇映画(フィクション)でなければならないと考えていた。俳優による劇映画に、訴える力を求めた。

実名で登場
 そして一番こだわったのは三田村邦彦が演じた菅直人首相(当時)や菅原大吉が演じた枝野幸男官房長官(同)、神尾佑が演じた福山哲郎官房副長官(同)のような現職政治家を実名で登場させたことだ。そうしなければ迫力や説得力が出ないと判断した。
 もちろんこのためにわれわれは膨大な資料を収集し、情報を見つけ出し、細心の注意を払いながらそれを精査し、当時関わった政治家たちにも取材を重ねたうえで実名登場してもらったのである。この『太陽の蓋』に、配給宣伝会社は "究極のジャーナリスティック・エンターテインメント" というキャッチコピーをつけてくれた。この映画を端的にうまく表現してくれた。
 去る5月下旬、韓国でソウル環境映画祭が開かれ、映画『太陽の蓋』にメインの上映作品としてお呼びがかかった。2016年7月に東京から全国公開して以来、国内での上映は約350力所、海外上映はモントリオール世界映画祭に招待されて以後、今回のソウルヘの招待で8カ国目になった。今年9月にはフランスで、同国では7回目となる上映会を開く。劇映画だからこそ、伝えられることもあるのだと実感をしている。そして一人でも多くの方に見ていただき、事実を知っていただければと願う。(たちばな・たみよし=「太陽の蓋』製作者)
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 『太陽の蓋』は、DVDが市販されているほか、全国で自主上映会が企画されている。開催希望の相談や質問は、「太陽の蓋」自主上映プロジェクト事務局/電話・090-7723-4214へ。