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「米大統領動かす陰謀論 世界中で混乱招く」津田大介さん

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見張り塔から「米大統領動かす陰謀論 世界中で混乱招く」 津田大介さん/4面

 米国でトランプ大統領とメディアの対立が激化している。一つのきっかけとなったのは、米国の有名な陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ氏に関連する音声・動画番組を配信するアカウントが、軒並み閉鎖されたことにある。
 トランプ大統領は、2016年の大統領選の選挙運動中、彼の番組に出演した縁もあり、ジョーンズ氏を擁護。自らのツイッターで「ソーシャルメディア共和党員・保守派の声を完全に差別している」「そんなことはさせないというのが、トランプ政権の断固とした明確な立場だ。彼らは右派以外の人々には何もしていないのに、右派の多くの人の意見を遮断している」と閉鎖措置を行ったプラットフォーム事業者を攻撃した。ソーシャルメディア事業者だけでなく、マスメディアヘの攻撃も激化しており、記者たちが直接大統領に取材できる機会は日増しに制限されるようになっている。
 こうしたトランプ大統領の動きに対して8月16日、各有力紙をはじめとする400以上のメディアが「報道の自由」を共通テーマとした論説を一斉に掲載し、世界中のメディアで話題を集めた。しかし、当のトランプ大統領はメディアからの一斉異議申し立てに対してもどこ吹く風。論説が掲載された16日朝、ツイッターで「フェイクニュース・メディアは野党だ。われわれの偉大な国にとってあしき存在だ…しかしわれわれは勝利しつつある!」と一方的にメディアに対して勝利宣言を行った。
 他方で、米国では新たなネット発の陰謀論「QAnon(キューアノン)」がにわかに注目を集めている。QAnonの起源は、日本の匿名掲示板「2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)」の影響を受けて米国で開設された匿名掲示板「4chan」に掲載された「Q」という名前のユーザーによる投稿だ。
 Qは、民主党小児性愛者サークルやロシア政府と裏でつながっており、トランプ大統領はモラー特別検察官に命じてそのことを暴こうとしているという陰謀論掲示板で定期的に展開、まことしやかに書かれたこの陰謀論が多くの支持者を集めているのだ。
 問題はこの荒唐無稽な陰謀論とその支持者がトランプ大統領を支持しており、トランプ大統領自身も最近この陰謀論を意識してQAnonにおもねるような言動をし始めたところにある。ネット発の陰謀論が、米国大統領を動かし、リアルに世界情勢を動かしかねないところまで来ているのだ。
 <略>
(見張り塔から/毎月の第4火曜日掲載)