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筆洗 2018.10.16 「真田小僧」

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 落語の「真田小僧」に出てくる金ちゃんはずる賢い。こづかいをくれぬおとっつぁんにおっかさんの「秘密」を教えてやると持ちかけ、まず1銭、巻き上げる▼「おとっつぁんのいないときに白い服を着て色眼鏡をかけたキザな男が来た」「おっかさんが手を取って家に上げた」。おとっつぁんの気になるところで話を切ってはそのたびに「ここから先が聞きたきゃ、もう少し出しなよ」「ここから先を話すのは子どもとしてはとってもつらいんだ。もうちょっと…」。おとっつぁんは言われるがままにおあしを出してしまうが、結局、おっかさんのところに按摩(あんま)さんが来たというだけの話だった▼「真田小僧」にしてやられている気がしてならぬ。安倍首相は15日、消費税率を来年10月1日に現行の8%から10%へ引き上げる方針を正式に表明した。導入以来5%、8%と3度目の引き上げとなる▼「財政の危機だから」「社会保障制度を守るためだから」と言葉巧みに説得され、その度引き上げをがまんしてきたが、ついには10%である▼しかもこれで将来の社会保障制度は安泰かといえば、そんな話では毛頭なく、最近の政府税調では先細りしていく年金を背景に国民の「自助努力」を促す方針という▼消費税率を引き上げる上に、老後のことは自分でも何とかしなさいよでは無策と無責任さに真田小僧も顔を赤らめるだろう。

社説/消費増税表明 無駄遣いをまず止めよ/5面

 安倍晋三首相が来年10月からの消費税引き上げを表明し、大がかりな景気対策を指示した。しかし、増税する以上は徹底した無駄の排除、将来不安の払拭(ふっしょく)に努めなければ、国民の理解は得られまい。
 2度も消費税増税を先送りしたため、国民の間では3度目もあり得るのではと半信半疑だっただろう。実施まで1年を切っての表明は遅すぎたぐらいだ。
 計4年間も先延ばししたうえ、増税分の使途も財政再建に充てる分を幼児教育・保育の無償化に流用する。つまり消費税増税の根拠だった与野党の3党合意に基づく社会保障と税の一体改革は反古(ほご)にされてしまった。
 だが、国民に増税をたのむ以上は、政府は最低限国民に約束すべきものがある。第1に無駄遣いを徹底的になくすことだ。
 安倍政権は財政規律を失い、政府予算を膨張させてきた。典型的なのは2020年東京五輪パラリンピックの開催費用だ。国費は1500億円のはずが、すでに8000億円が計上されたと会計検査院が指摘した。
 五輪関連と銘打てば予算化が広く認められたためで、同じようなことが成長戦略をつくるたびに繰り返された。無駄の温床のようないいかげんな予算の使い方である。これでは国民は到底納得できるものではない。 <略>

東京新聞:消費増税表明 無駄遣いをまず止めよ:社説・コラム(TOKYO Web)