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風向計 「トランプ政権誕生の謎」 有村昆

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コラム風向計 「トランプ政権誕生の謎」 有村昆/15面

 マイケル・ムーア監督の最新作「華氏119」が素晴らしかった。これまでも、銃規制や米中枢同時テロを巡るブッシュ政権の対応、医療保険制度の不備といった米国の問題を、市民の目で批判してきたムーア監督。今回は「トランプ政権誕生の謎」を掘り下げてくれました。
 2年前の大統領選。「クリントン氏の勝率は85%。トランプ氏は15%」との予想もありました。ところが、トランプ氏が勝利。大統領選は各州で争われ、勝てば、人口に応じてその州に割り当てられた選挙人を総取りする仕組みです。それを巧みに活用し、全土ではクリントン氏より約300万票も少ない約6300万票で、トランプ氏は勝ちました。
 その背景にあるのは、約55%と史上最低だった投票率です。約1億人が投票を放棄しました。トランプ氏の熱狂的な支持層が確実に投票する一方、「クリントンにも、トランプにも入れたくない」という多くの無党派層が当選ラインを下げました。そして、トランプ政権誕生です。
 ムーア監督は、トランプ氏と独裁者のヒトラーの類似点を指摘します。ヒトラー自国第一主義を主張し、少数派ながら熱狂的な支持者を得ました。その支持層を核に、選挙戦を勝ち抜いて独裁政権を築きました。ヒトラーユダヤ人迫害は、トランプ氏の排外主義にも相通じます。日本でも選挙の低投票率は大問題。投票する大切さをあらためて考えました。(映画コメンテーター)
 

コラム大波小波 「『華氏119』は対岸の火事か?」/6面

 マイケル・ムーア監督の記録映画『華氏(かし)119』が今週公開される。トランプ政権下のアメリカがどれほど醜悪な不正義によって動かされているかを容赦なく描き出している。
 だが、日本との共通点もある。選挙制度の歪(ひず)みだ。クリントン6600万、トランプ6300万で、300万の大差にもかかわらず、トランプが勝った。アメリカ独特の選挙人制度のせいである。日本の衆議院では、有権者の4分の1以下の得票しかない自民党議席の6割を占めるという非合理がまかり通ったままだ。
 共通する2点目は、アメリカの民主党は腐敗し、日本の野党は弱いので、政権担当者が平気で嘘(うそ)をつくことである。加えて、米最高裁の判事任命が示したように、三権分立が機能不全だ。日本でも、司法が政権の方策をほぼ追認するので、政治家も官僚も法的訴追の圧力をさして恐れないように見える。
 選挙制度の改革と、三権分立の強化策が何より急務なのである。
 ただし、ムーアの映画には、民主党を内部から改革する若い政治家たちや、銃規制を訴える若者の運動への期待も描かれている。その点で、日本にはアメリカのような希望があるといえるのか? (ペシミスト

トランプ氏、出生地主義の廃止検討/9面

 【ワシントン=石川智規】トランプ米大統領は30日に一部公表された米メディア「アクシオス」とのインタビューで、米国で生まれた子どもに国籍が与えられる「出生地主義」の制度について、大統領令で廃止する検討を進めていると明らかにした。だが、現行制度は米国憲法に基づいており、専門家のほか共和党内からも異論が出ている。
 トランプ氏はインタビューで「米国は入国した人が子どもを産めば、その子に市民権を与える唯一の国だ。ばかげている。終わらせるべきだ」と強調。議会による法改正ではなく、大統領令で制度廃止を目指す考えを示した。
 合衆国憲法修正第14条は「米国で生まれたか、帰化した人はすべて米国の市民権を有する」と定めている。米紙ワシントン・ポストによると、出生地主義で国籍を付与する国は、メキシコやカナダなど30カ国以上あるという。 <略>

東京新聞:米で生まれた子に国籍付与 トランプ氏、出生地主義の廃止を検討:国際(TOKYO Web)