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改正入管法、未明に成立 4月施行 詳細未定

 f:id:a-tabikarasu:20181211154628j:plain 1面/2018.12.9

改正入管法、未明に成立 4月施行  詳細未定/1面

 臨時国会最大の焦点となった改正入管難民法などは8日未明、成立した。在留資格を新設して外国人労働者受け入れを拡大する。成立を受け、政府は受け入れ見込み人数を決める分野別運用方針を年内に策定するほか、来年4月1日の施行までに、新資格の在留期限や雇用契約基準、悪質ブローカー排除などを定めた省令の整備を急ぐ。施行前に制度の全容を国会に報告する予定だが、具体的な内容は多岐にわたり、短期間で受け入れ態勢を整えられるのかどうかが課題だ。

 業種を横断した全体的な方向性を示す基本方針の年内策定や、制度開始までに資格取得のための業種別技能試験の整備も必要となる。新制度の重要項目の多くは、運用方針や省令などで決まるため、野党だけでなく与党にも「チェックが難しい」との懸念がある。政府は全容を報告することで、国会軽視を否定する考えだが、説得力のある根拠を示せるかが問われる。 <略>

東京新聞:改正入管法、未明に成立 与党「拙速」批判押し切る:政治(TOKYO Web)

 

筆洗 2018.12.9 「ガスライティング」/1面

 かばんに入れたブローチがない。壁にあった絵が消えた。誰も入れない屋根裏部屋からは足音が聞こえてくる…。米映画の「ガス燈」である▼度重なる怪現象にイングリッド・バーグマン演じる女性はついに自分がおかしくなったと信じ込むようになる。裏があった。すべては、夫の仕業。妻を混乱に追い込み、思うがままに操ろうというのである。衰弱していくバーグマンの演技が見どころである▼英オックスフォード辞典の「今年の言葉」。「毒性のある」という意味の「TOXIC」が選ばれたが、候補にはこの映画からきた言葉も挙がった。「GASLIGHTING(ガスライティング)」▼あの夫のようにウソや工作で追い込み、やがては自分の正気まで疑わせることをいう。都合の悪い話を「偽ニュース」と決めつける米トランプ政権の手口にたとえられ、候補に挙がった▼外国人を数十万規模で受け入れるという国の転換点になるであろうに制度の詳細も示されず、十分な審議もないまま、改正入管難民法などが成立した▼さては非常識で不可解な国会の「怪現象」によって国民の心を混乱させる「ガスライティング」かと言いたくなるが、これは当たらぬ。中身の見えぬ法も空虚な審議も強行採決もすべては覆らぬ事実なのである。ガスライティングなんぞ比べものにならぬほど政権与党のそのやり方が恐ろしい。

 

本音のコラム  「人間破壊の国」  山口二郎/25面

 入管法改正案の審議の中で、外国人技能実習生が3年間で69人も死亡していたことが明らかになった。現在の技能実習制度は奴隷的労働の温床となっていることは明らかである。この事実について見解を問われた安倍首相は、「見ていないから答えようがない」と答えた。これだけ多くの人命が失われているのだから、答えようがないはないだろう。審議の前日、「ややこしい質問を受ける」と軽口を叩いた揚げ句がこれか。
 沖縄では辺野古埋め立てのための土砂搬入の準備が進められている。土砂を積みだす施設はカミソリ付きの鉄条網で囲われたというニュースもあった。このまがまがしい鉄線は、あたかも県民を強制収容所の囚人とみなしているようで、沖縄を見下す国家権力の象徴である。
 敢(あ)えて言おう。今の政府は人でなしの集まりである。外国人労働者は人間ではなく単なる労働力であり、死に追いやられる人権侵害があっても平気の平左。沖縄で県民が民主的手続きを通して新基地建設について再考を求めても、一切聞く耳を持たず、力ずくで工事を始めようとする。沖縄県民は主権を持つ国民の範疇(はんちゅう)には入れられていない。
 人間の尊厳に対してここまで無関心さらには敵意をたぎらせるのは、あの権力者たちが人間として欠陥を抱えているからとしか思えない。 (やまぐち・じろう/法政大教授)