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<縁のカタチ>墓と家族・下「習慣に縛られなくていい」

 f:id:a-tabikarasu:20181216102052j:plain 1面/2018.12.13

<税を追う>防衛省、2次補正  最大規模  3653億円要求  兵器ローン返済/1面

 防衛省が2018年度の第2次補正予算案として、過去最大規模の3653億円を要求していることが分かった。安倍政権になって「後年度負担」と呼ばれる兵器ローンが増大。現在編成中の19年度予算で要求枠より事実上2000億円超過することになるため、前倒しをして兵器ローンの返済に充てる考えだ。先月成立した1次補正と合わせると、18年度補正予算は昨年度の倍近い4200億円に膨らみ、歯止めがきかない状況になっている。 (「税を追う」取材班) <略>

 

<縁のカタチ>墓と家族・下「習慣に縛られなくていい」/13面

 ふと思い出すのは、お盆の風景。長野県東信地方の実家で、先祖の霊を迎えるために、両親や兄と盆提灯(ぼんぢょうちん)や精霊馬(しょうりょううま)の飾りを仏壇に供えた。迎え盆の8月13日と、送り盆の16日には、一家そろって墓参り。東京都品川区の会社員男性(60)は、50年以上昔のことを思い出す。
 「先祖やその墓を大切にするのは当たり前のこと。自分もいずれは同じ墓に入る」。ずっと、そう思っていた。それは、父からの影響でもある。
 男性の父は子どものころ、一家で「満蒙(まんもう)開拓団」として旧満州中国東北部)に渡り、畑を耕した。その後、末の妹が生まれたが、まもなく病死してしまった。終戦後に帰国した一家は小さな商店を営み始め、長男だった父は、結婚して店を継いだ。
 祖父が亡くなると、父や叔父らが墓を建てた。墓には旧満州で亡くなった末の妹の名前も刻まれた。祖父が亡くなったとき、男性は5歳だったが、毎日仏壇に手を合わせる祖母や父の姿をよく覚えている。三つ年上の兄(63)らと交代で、男性も墓参りに行った。やがて祖母も亡くなり、同じ墓へ。父を中心に墓や仏壇を大事に守る生活は続いた。「戦中や戦後の混乱を生き抜いた父にとって、墓は特別なものだった。祖父母や妹が生きた証しそのものだったのでしょう」
 そんな父の思いを感じて男性と兄は育ったが、二人とも関東地方の大学に進学し、故郷は次第に遠くなっていった。卒業後も地元には戻らず、そのまま首都圏で就職し、男性は東京に家を建て、兄は千葉県に住んでいる。
 両親は1990年代に相次いで他界。遺骨は父らが建てた墓に納めた。男性は、夏休みなどに妻(59)と娘たちを連れて墓参りに行ったが、空き家となった実家を売ったこともあり、一家そろって墓参りすることは次第に減っていった。今は、いつも一人で訪れている。
 兄は年2万円の管理費を納めているものの、ここ数年、墓参りには行っていない。地元には親しい親戚もいない。墓の手入れは、男性が訪れる年数回だけだ。訪れるたびに「周りの墓はきれいなのに、うちのは草だらけ。両親や祖父母に申し訳ない」と感じる。
 自分が長男だったら、墓じまいして今の住まいの近くに遺骨を移すことを考える。以前、兄に「墓をどうにかしたら」と話したこともある。だが、手を付ける気配はない。
 地元には、死んだら家族も一緒に家の墓に入る習わしがある。しかし、男性はその墓には入らない。3年前、都内の納骨堂に永代使用料を払い、既に妻の母の遺骨を納めている。
 <略>
 妻は死んだら、夫や夫の両親と同じ墓に入る。それは、日本の各地に古くからある慣習だ。だが、男性はこう思う。「女性が男性に従属するべきだという考えは古い。死後もとなるとなおさらだ。自分の妻や娘たちには、そんな考え方も生き方もしてほしくない」。1年ほど前、初孫が生まれた。次女(29)夫婦の長男だが、その子にも、家に縛られず生きてほしいと願っている。 (細川暁子)

東京新聞:<縁のカタチ>墓と家族(下) 慣習に縛られなくていい:暮らし(TOKYO Web)