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筆洗 2018. 12. 22 「足るを知る」

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筆洗 2018. 12. 22  「足るを知る」/1面

 ことわざは「立って半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」と言っている。出世しても、富を得ても、人は畳半分か一枚分しか必要としないし、それ以上占めることもできない。一度に食べられる量にも限りがある。足るを知れ。欲を戒める教えだろう▼東京拘置所の部屋は三畳ほどしかないそうだ。豪華な食事は期待はできない。地位も富もある人は、そんな待遇を劣悪だと感じていただろうか。勾留されているカルロス・ゴーン容疑者である▼自白を迫るように勾留し続けるのは、人道上の問題がある。そんな声が海外から上がる中で、東京地裁が一昨日、延長を認めない決定を下した▼わが国の刑事司法制度の異質性にまで議論が及ぶ異例の展開である。繰り広げられているのが、いったい何の話であるのか。混乱しそうになった時に、ゴーン容疑者が昨日、特別背任という新たな容疑で、再逮捕された▼十八億円を超える損失を日産自動車に付け替えたなどの疑いがあるという。先月、疑惑としておおむね報じられているが、陰謀説も招いた有価証券報告書の虚偽記載とは、重みが違うだろう。事実ならば、悪質な私物化である。私的な投資による損失の額にも驚かされる▼事件はさらに長期化しそうだ。全体像がはっきりするのは先であろうが、やはり、足るを知らざる人の事件であるとみなされる日が来るのではないか。

 

9条俳句拒否  賠償確定 最高裁  上告退ける/31面

 憲法9条を詠んだ俳句を公民館だよりに載せなかったのは表現の自由の侵害だとして、作者の女性(78)がさいたま市に200万円の損害賠償を求めた請求で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は、女性と市双方の上告を退ける決定をした。市に慰謝料5000円の賠償を命じた二審判決が確定した。

さいたま市に作者「謝罪を」
 判決によると、女性は2014年6月、市内の公民館で活動する句会で「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」と詠んだ。公民館だよりに掲載する句に選ばれたが、公民館は「公平性、中立性を害する」と拒否した。
 一審さいたま地裁判決は「思想や信条を理由に不公平な取り扱いをした」として慰謝料5万円の賠償を命令。二審東京高裁も不公平な取り扱いをしたと認め、「不掲載に正当な理由があったとは言えない」と判断した。慰謝料は減額した。女性は句の掲載も求めたが、一審、二審とも退けた。 <略>