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老後に貯蓄がいらない国

f:id:a-tabikarasu:20190722133427j:plain 2019.7.22/1面

参院選改憲勢力3分の2割る 自公、改選過半数は確保/1面


<私説/論説室から> 老後に貯蓄がいらない国/6面

 老後に貯蓄がなくても暮らせる国がある。
 「フィンランド人で貯金のある人はあまりいない。お金があれば車や不動産を買う」
 現地の介護現場で働きながら暮らす日本人、テーリカンガス里佳さんの日本記者クラブでの会見に聞き入ってしまった。年金制度への不安が広がる最中だ。日本人なら「それで老後は大丈夫か」と思うだろう。
 フィンランドは高負担高福祉の国である。里佳さんには子どもが2人いる。生まれてから大学を出るまでに1人約4200万円の費用が必要だが、小学校から大学まで学費は原則無償だそうだ。一方、夫と2人で払ってきた税額はほぼ同じだったという。
 日本の生活とどちらが安心できるのか。結論は「もちろんフィンランド」。即答した。「親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが大学まで行けることは素晴らしい。老後もお金は残らないが、年金で生活できる」
 社会保障を強くするには税や保険料の負担の話は避けられない。フィンランドの新政権を担う政党は、4月の選挙で増税を表明していた。消費税率が10%になってもまだ不十分なのに、将来の負担に踏み込んだ訴えがなかった日本の参院選とはずいぶんと違う。
 負担は安心につながる。遠回りに見えて実は確実な道と思うのだが…。 (鈴木 穣)

東京新聞:老後に貯蓄がいらない国:私説・論説室から(TOKYO Web)