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本音のコラム 「萩生田氏と表現の自由」 前川喜平

本音のコラム 「萩生田氏と表現の自由前川喜平/25面

 萩生田光一文部科学大臣は、あいちトリエンナーレへの文化庁補助金7800万円全額を交付しないと決定した。この決定は、テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を中止させた勢力に加担する行為であり、表現の自由を圧殺する暴挙だ。文化庁の審査会は一体どんな審査をしたのだろう。宮田亮文化庁長官は、ご自身が金属工芸表現者だが、今回の大臣の決定に何らの抵抗もしなかったのだろうか。
 不交付の理由として文化庁は「十分な説明がなかった」という手続きの不備を挙げたが、これは口実にすぎない。萩生田氏は「中身については全く関与していない」と説明したが、それはうそだ。本当は「平和の少女像」など展示の中身が気に入らなかったのだろう。しかし、大臣の私的な好き嫌いでいったん採択した補助金の交付を撤回することは許されない。
 真の理由は、萩生田氏自身のゆがんだ歴史観嫌韓感情、憲法が保障する表現の自由への無理解にある。彼は、「表現の不自由展」を中止に追い込んだ勢力と同じ思想・感情を持っているのだ。
 大村秀章愛知県知事は「表現の不自由展」の再開をめざす方針を表明していた。今回の補助金不交付決定に対しては「表現の自由を高らかに掲げて裁判で争う」と言明している。僕は大村知事を支持する。 (まえかわ・きへい/現代教育行政研究会代表)