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ウィーン芸術展 公認撤回 不寛容な政府に反発

ウィーン芸術展 公認撤回 出品者、不寛容な政府に反発/1面

 オーストリアと日本の国交150年記念事業としてウィーンで始まった芸術展について、在オーストリア日本大使館は記念事業の認定を取り消した。政府に批判的な動画や、東京電力福島第一原発事故をモチーフにした作品が含まれていたためとみられる。出品するアーティストらは批評に不寛容な政府の姿勢に反発を強めている。
 芸術展は、日本の表現の自由の限界をテーマにした「Japan(ジャパン) Unlimited(アンリミテッド)」で、現代美術家会田誠さんや美術集団「Chim↑Pom(チンポム)」など約20アーティストが出展。9月26日~今月24日、ウィーンの「ミュージアム・クオーター」で開かれている。
 会田さんは、日本の首相が国際会議で演説する動画を出品。別のアーティストは、終戦後、昭和天皇連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー最高司令官が並んで撮影した写真のパロディーを出品した。血の付いた放射線防護服に見える作品も展示されている。
 大使館によると、芸術展の開会後に内容を審査し、先月30日付で公認取り消しを主催者側に通知。大使館は「展示全体が『日本とオーストリアの相互理解と友好を促進する』という認定要件に合っていなかった。どの作品が原因とは言えない」と説明する。「日本の国会議員から外務省に意見があったことも要素の一つ」とするが、展示は続いており「表現の自由の侵害には当たらない」とする。
 同展に出品する「Chim↑Pom」メンバーの卯城(うしろ)竜太さんは「複雑につくられた作品の一部を切り取って『反日』と断じることは本質を見誤っている」と批判。公認の撤回は「『国民が自国を批評する』という民主主義国家として当たり前のことに政府がネガティブな姿勢であると、海外に広く示してしまった」と話している。 (梅野光春、小倉貞俊)