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本音のコラム 「ボランティアと苦役」 前川喜平

本音のコラム 「ボランティアと苦役」 前川喜平/25面

 東京オリンピックパラリンピックに向け、東京都が中高生のボランティア体験希望者を募集中だ。目標は6000人。任意参加と説明しているが、実際は学校ごとに人数が割り振られ、学校によっては半強制的に参加を求められているという。ボランティアは自発的な活動だ。強制されたらボランティアではない。
 話は森喜朗内閣まで遡(さかのぼ)る。2000年11月、教育改革国民会議が「奉仕活動を全員が行うようにする」「小・中学校では2週間、高校では1カ月間、共同生活などによる奉仕活動を行う」と提言。文部省(当時)は奉仕活動を義務づける学校教育法改正を検討したが、内閣法制局から憲法18条の「苦役からの自由」に反する疑いを指摘され、01年7月の学校教育法改正では、「ボランティア活動など社会奉仕体験活動」の「充実に努める」と規定された。「ボランティア」は「奉仕活動」の例示とされた。
 さらに第一次安倍内閣の07年1月、教育再生会議は「すべての子供に規範を教え、社会人としての基本を徹底する」ため、「高校で奉仕活動を必修化する」と改めて提言。それを実行に移したのが東京都だ。07年度から都立校で「奉仕」という科目を必修化した。
 どんなに立派な活動でも、強制されれば「苦役」だ。ボランティアの名の下に中高生に苦役を強いてはならない。 (まえかわ・きへい/現代教育行政研究会代表)