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本音のコラム 「永田町菌の猛威」 斎藤美奈子

本音のコラム 「永田町菌の猛威」 斎藤美奈子/25面
 7日、菅義偉官房長官は視察先の熊本県益城町で「各地に世界レベルのホテルを50カ所程度新設することを目指す」と述べたそうだ。驚異的なズレっぷり。益城町は2016年4月の熊本地震で大きな被害が出た被災地だ。そこでわざわざこんなこというか?
 9日、安倍晋三首相は国会閉幕後の記者会見で「憲法改正はけっしてたやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」と述べたそうだ。これまた驚天動地のズレっぷり。自らの疑惑解明はそっちのけ、国会からも逃げ回っておいてどの口が…である。
 以上二つの発言は、この政権が何らかの病魔に侵され、正常な判断力を失っていることをうかがわせる。目の前の厄災は知らぬ存ぜぬで通す。自身に向けられた疑念を聞こえぬふりをし、一部の身内にだけアピールしそうなことをいう。問いと答えがかみ合わない。現実から目をそむけ、五輪や賭博などの快楽に逃避する。権力に長くいたために増殖した永田町菌の仕業か。憂慮すべきは永田町菌が霞ヶ関にも回り官僚が続々「プチ菅」化していることだ。
 桜事件を追及する野党やメディアに「いつまでやっているのだ」「もっと大切なことがある」と意見する方には、何をおっしゃる、病巣の摘出が先だといいたい。「もっと大切なこと」があれですよ。緊急手術レベルでしょ。 (さいとう・みなこ/文芸評論家)